「日経業界地図 2018年度版」
日本経済新聞社 編、日本経済新聞社
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「新聞を読むと馬鹿になる」のはすでによく知られた事実かと思いますが、冒頭の「今さら、聞けない経済ニュース&日経テスト」から「注目業界テーマ」までは価値がある内容ではないので、<自動車・機械・造船>(27番以降)から読み進めて大丈夫です。
最終180番までの内容は、特別なことはまったくありませんが、それなりに頑張った内容だと思います。
このような「業界地図」の内容が劣化しているのは、編集者の問題だけではなく、ビジネス環境の急速な変化によって、「業界」という捉え方が難しくなっている影響も大きいと思います。
例えば、IT、インターネットは今やほとんどすべての「業界」と関係し、ネット上でおむつを売るのも「葬式」を売るのも、物理的な違いはほとんどなくなってきています。
一つ注目しているのは「自動車業界」です。完全自動運転がマスコミで騒がれていますが、飛行機(旅客機)の「完全自動運転技術」は数十年前にはほぼ完成しています。空港から空港へ飛ぶだけの旅客機の自動運転は、路地裏や歩行者のすぐ隣を走る自動車に比べてはるかに簡単なのです。
それにもかかわらず、いまだにパイロットが必要とされる現状を考えても、マスコミの騒ぎかどれほど過剰かよくわかります。
また、欧州(それに追従してチャイナも・・・)が、ガソリン自動車やディーゼル自動車の販売を禁止して、電気自動車を普及させようと必死ですが、この動きもうまくいかないと考えています。
まず、二酸化炭素排出云々という「地球温暖化詐欺」の<不都合な真実>が近い将来明らかになるでしょう。そもそも地球の気温の大部分が「太陽黒点の活動」と「地軸の傾き=日射量が大きく変わる」に左右され、人間が排出する二酸化炭素の影響など微々たるものにすぎません。「牛のゲップの二酸化炭素の方が影響が大きい」といわれるゆえんです。
また、電気は決して地球温暖化論者が唱えるようなクリーンなエネルギーではありません。その大部分は化石燃料で発電されますし、いわゆる<再生可能エネルギー>に至っては、地球環境破壊の元凶です。
地面を埋め尽くしたソーラーパネルやグロテスクで巨大な風車を見たことがある方なら、すぐに理解できると思いますが、そのような設備は動物たちや植物たちの守ってきた自然環境を確実に破壊します。もし、すべての電力を再生可能エネルギーにすれば、信じられないほどひどい範囲の環境が破壊されますし、不安定な電力供給で毎日のように停電します。
ただ、欧州やチャイナの戦略は、実のところ<トヨタつぶし>、<日本メーカー対策>の要素が大きいのです。
ガソリン自動車で彼らが日本勢に対抗できないのは明らかですが、ハイブリッドではトヨタが一人勝ちです。
電気自動車ばかりが騒がれていた時代に、<ハイブリッド>につき進んだトヨタの判断は素晴らしいものですが、それも「現地・現物」というトヨタシステムのおかげです。
今回の<電気自動車>騒ぎに対してトヨタは静観を決め込んでいますが、<地球温暖化詐欺>の真実を知っているというだけではなく、<次世代自動車の柱は「水素」>だと確信しているからです。
確かに、水素自動車普及のための<水素ステーション>の建設は、まだこれからですが、それでも、電気自動車の充電のわずらわしさに比べれば、今後十分競争していけるとの判断なのです。
ガソリン自動車の前から実用化(ポルシェなどのメーカーは創業当時電気自動車をつくっていた)されているにも関わらず、いまだに自動車の本命になれないのは、やはり「電池」がネックになっており、これを解決するブレーク・スルーは今のところ登場していません。
それに対して<水素>は宇宙で初めて誕生した物質であり、宇宙に広く分布するだけではなく、地球上にほぼ無限(例えば海)に存在します。もちろん、実際に燃料としてどのくらいのコストで生産できるかという問題はありますが、実用水準に近づきつつあるのは事実です。
また、トヨタが保有するFCV特許の多くを公開し、FCVそのものを普及させる戦略も有効だと考えています。
2016年のFCV「ミライ」の販売台数は2046台、ガソリン自動車に比べれば微々たるものですが、かなり健闘しているのではないでしょうか?
また、エネファーム(燃料電池)の累積販売台数は、2020年に140万台になる見込みです。都市ガス(水素)をそのまま、FCVに利用できるようになるかどうかは定かではありませんが、水素活用の進展は追い風です。
水素自動車でもハイブリッド同様トヨタ自動車の一人勝ちになるかもしれません。
(大原浩)
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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