またまた意味(意義)不明の選挙が決まりました。
安倍首相が危機を煽るように大袈裟に語るテーマは単なる「こじつけ」で中身がありません。前回も似たような意味不明の解散理由でしたが今回も前回(2014年)に続き、余りに情けない野党が付け込まれた選挙と言えそうで
す。
とは言え毎度の事、野党に勝てるタイミングか否かだけで選挙をされていては国民は堪ったものではありません。
さて、郵政株の売り出しでは幹事証券会社は大変だったかと。
激しい引受け競争を繰り広げていますし、国策銘柄でもありますから、大手証券会社はこの売出しに参加せざるを得ません。
第一次売出しによって一昨年11月に上場したときの株価が1,631円。
その後に高値を付けて以降は、ここ1年ほど概ね1,400前後で推移しています。25日に売り出し価格が1株1,322円で決まり、約9億株超が売り出されることで約1兆3,000億円の資金が市場から吸い上げられる売り出し案件です。
業容拡大を焦って海外企業のM&Aに失敗したマヌケな経営陣であり、且つ売り上げも利益も漸減している旧型の会社が何をきっかけとして成長するのか?どうやって利益を上げ株主に報いていくのか?・・・不明な中で、幹事証券会社は1兆円以上も引き受けて販売(投資家へのはめ込み営業)をしていたのですから熾烈だったはずです。
しかも売出しを発表して、一時1,200円台まで売られてから価格決定日まで様々な仕掛けをして株価を上げていました。政府公認の相場操縦と言えます(苦笑)。
国民の為の民営化と言うより、1.3兆円の歳入ありきの民営化案件として株価を決めているのですから投資家が儲かるはずもありません。しかもまだ6割の株式が政府の手にあります。
復興財源と言えば大義が立つと言いたいのでしょうが、不安定な財源を(こちらも政治同様)無責任に国民に押し付けてられても困ります。
恐らくは売出し株が上場して暫くは幹事証券の営業努力などで値を保つのでしょうが、将来性が見いだされなければ早晩崩れることになるのでしょう。
売上も利益も減りつつある会社が、今期予想一株利益が100円にも満たない中で配当を50円に引き上げました。無理を感じます。
一昨年の上場時には「将来性を考えるなら、まあ買えるのは、かんぽ生命くらいではないか?」と書きましたが、残念ながら、ものの見事にゆうちょ銀行もかんぽ生命も3銘柄とも上場直後に高値を付けてから下がったままです。
買っている投資家は配当利回り重視と言う事なのでしょうが、これとて何時まで続くのか?
日本郵政株はNTTと違って成長株ではありません。
30年前のNTTの幻想を見せて売り出すなど、日本の株式市場が典型的な発行企業(今回は政府)のための市場であることを政府自身が証明しているのですから国内投資家は報われません。
「貯蓄から投資へ」・・・と言う前に、まずは投資家のための市場整備・運営をすることが先だと思います。
こんなものに大事な資金を誘導されていては老後どころの話ではありません。
政府の資金調達を手伝って損をするより、大きな為替変動を受け入れられる投資家なら海外市場の方が魅力的な投資案件が多数あります。
余り詳しくない方でも、まずは勉強のつもりで海外の株式インデックスに連動するETFや、比較的利回りの高い外貨建て債券などへの投資を検討する方がよっぽどマシです。
注意すべきは大手証券会社や銀行、保険会社、商品先物会社などが勧めてくる(分かり辛くて)リスクばかりが高い投資や、仕組みの複雑な金融商品です。何せこの手の金融商品は手数料も高いし運営コストばかりで投資家は儲かりません。言われた通りに売買し損切を繰り返している投資家(被害者)が多数おられます。
外貨建て保険などはコスト高の典型例ですね。
大手金融の窓口にあるパンフレットなどを時々チェックしますが、まさに「コストの塊!」としか言いようが無い商品やサービスばかりが並びます。
大手金融のブランドに加え見栄えや文言は立派ですが、その余りの高コスト構造に呆れます。
余談ですが、保険と不動産は何時まで経っても相続対策(露骨な節税策)が使えるように優遇されています。政治屋や当局との癒着があるからです。
そして大手金融と下手に取引を始めたら最後、今度は「あれ買え、これ買え」と営業攻勢が始まります。悪徳不動産会社の営業攻勢と変わりませんね。
まあ悪徳不動産に至っては規制が緩いのをいいことに脅迫行為も厭わないほど悪質ではありますが・・・。
それらの監督当局はと言えば、いい加減トラブルが増えるまで、金融庁や国交省などは(業界保護のため)見て見ぬ振りをします。業界と監督当局がグルになってボッタクリをしているのですから、お金持ちの高齢者は大変です。
被害額はオレオレ詐欺の100倍を優に超えているのでしょう(呆)。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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