私が昨年から関わっている仕事の一つに、ロボアドバイザーサービスのサポートがあります。
ウェルスナビ社(https://www.wealthnavi.com/aboutus/member.html)の柴山社長が中学校からの同級生であり、そのつながりでアドバイザリーをさせてもらってます。
今回ご紹介しようと思ったのは、ロボアドバイザーの資産運用方法について。
ウェルスナビ社では、資産運用方法のやり方(アルゴリズム)について、ホワイトペーパーとしてweb上に公開しています。
https://www.wealthnavi.com/image/WealthNavi_WhitePaper.pdf
個人投資家でも参考になる点をご紹介していきましょう。
まず運用のプロセスですが
1)資産配分(アセット・アロケーション)の選定
2)各資産クラスに対する対象銘柄の選定
3)ポートフォリオのモニタリングとリバランス
という手順で行われます。
これは、前回の記事でも述べた通り、極めて基本的な手順で、資産運用を検討する方は1)~3)の手順で考えているのでなければ、それは資産運用業界では、かなりマイナーで我流なやり方だと思った方が良いです。
次に資産配分の具体的なやり方です。
ウェルスナビ社では資産クラスを
・米国株
・日欧株
・新興国株
・米国債券
・物価連動債
・金
・不動産
に分類しています。
特徴としては、すべてを米ドルベースで考えているところです。
これは、このサービスが主にNY取引所のETFを利用していることと、世界の資産運用業界の標準が米ドルベースになっていることが主な理由です。
全ての運用を、米ドルベースで考える考え方は、日本の個人投資家にはなじみが薄いとも思います。
そして、リスクとリターンの推計。
リスク(標準偏差)と各資産ごとの相関係数の推定は、過去のデータを基に割り出しています。
ただし、直近のデータを重視するために、過去のデータのウェイトは落としているようです。
例えば、ここではリスク(米ドルベース)が
米国株 12.4%
日欧株 14.8%
新興国株 18.4%
米国債券 2.8%
物価連動債 4.8%
金 17.9%
不動産 14.9%
などと計算されています。
そして、リターンの推計。
リターンに関しては、単純に過去の数字を利用するということではなく、ブラック・リッターマンモデルを利用して推計しています。
ブラックリッターマンモデルの解説
http://www.nli-research.co.jp/files/topics/37745_ext_18_0.pdf
簡単に説明すると、現在の市場の時価総額に応じて、その比率がポートフォリオ上で最適化されているという前提を置いてリターンを推計するモデルです。
この結果米ドルベースで
米国株 6.5%
日欧株 7.5%
新興国株 8.5%
米国債券 1.9%
物価連動債 2.3%
金 3.9%
不動産 5.8%
と推計しています(2016年10月時点)。
これで、ようやく
リスク(標準偏差)
期待リターン(推計)
相関係数
が出そろいましたので、最適化の計算ができ、個々人のリスク許容度に従って最も効率的な運用が行われるというプロセスになります。
冒頭にもお話したように、この手法は特別でも何でもなく、むしろ年金を中心とした機関投資家では極めてオーソドックスな手法です。
もし、ご自身の運用がこの手法から外れているのであれば、(それは決して悪いという事ではありません)一度こうしたオーソドックスな資産運用手法についても検討されてみると良いと思います。
ちょっと長くなりましたので、続きはまた次回お伝えします。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
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http://abvom.biz/brd/archives/ahwxrr.html
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