億の近道 チャンネル版

資金流出

2016/10/08 00:06 投稿

  • タグ:
  • 億の近道
  • 投資
  • 街のコンサルタント
  • 海外
  • 流出
  • 資産
b7f16189814031f4b028baa6dd576a93_s.jpg



 数年前から資産運用や管理についてアドバイスをしていた某企業オーナーが8月をもって香港への移住を完了しました。

 丁度この原稿を書いている最中に届いた週刊ダイヤモンドの特集が税務(節税を含む)であったことに驚きましたが、書いてある通り、国外法人などを利用した上手い節税術は確かに相当絞られています。特にここ4~5年で小手先の手法は通じなくなったと言えそうです。


 余り詳しくは書けませんが、オーナー氏はここ数年は香港と日本を行ったり来たりの生活でしたが、初めは嫌がっていた奥さまも香港に居住する段取りが整い、先に香港で生活と事業の両方の基盤を整えていたご子息夫妻とともに、これでご家族全員が本拠を香港に移し終えたことになります。

 とは言え、日本に残るご自宅の方が実は「本宅」で(苦笑)、ご友人も多数いますから何だかんだ言っては年中日本に戻って来て生活できるような建付けになっています。「歳を重ねれば重ねるほど友人と日本食からは離れられないんだよ」と仰っていました。何となく分かるなぁ~と感じ入った次第です。

 オーナーが過半の株式を所有している会社で、事業の海外展開も拡大していますし相当の資産がありますので、無事に事業承継しつつ税務面も考慮するとなると移住は止むを得ない選択でした。
 同時にご子息の意思として、将来に於いて円資産ばかりを保有したまま日本に住み続けることを懸念して、リスク分散の観点からも関係する事業拠点を徐々に海外に移しておられたため、オーナーも「若きに従え」と決めて移られた訳です。


 余談ですが、よく雑誌などでは1億円以上の金融資産保有者を富裕層と定義しているようですが、1億円の資産レベルはもはや富裕層とは言えません。
 例えばお付き合いしている60代以上の世代では、ちょっと大雑把ですが、退職金と相続の時期が重なることであっさりと1億円以上の資産を持つことになった方が結構います。
 彼らの話しでは「大凡3億円以上の資産があれば安心だ」と言った感触のお話をよく聞きます。つまり1億円ではちょっと贅沢をしただけで無くなってしまう額という訳です。

 「いずれは」と思っていたベンツの中クラスを買うだけで1,000万円はするのですから(もちろん新車のベンツを買えるだけ少々贅沢ではありますが)気を許せばそれこそ「お足」ですから。


 やはり事業に成功するなどで金融資産だけで5億円を超えるレベルになれば富裕層と定義しても良いのではないかと思いますし、海外の富裕層はそれこそ桁が違います。
 そんな富裕層にとり日本の税制はかなりきついと言えます。しかも相当の税金を納めてもメリットは薄いですし、妬まれるだけで褒められもしませんし…(苦笑)。もう今世紀に入って随分沢山の富裕層が海外に移りました。


 それなりの税金を払ってでも日本に住み続けたい、日本で事業を続けたいと思わせる行政や税制、財政の仕組み、そして規制緩和も含めた事業環境を整えなければ残って欲しい人ほど出て行ってしまいます。ましてや大幅な円安やインフレなどで資産の流出に見舞われれば一層海外脱出組が増えてしまいそうです。


 まあ、起業一つにしても複数の手続きやら申請やらと面倒な規制だらけですし、事業途中の簡単な届出などですら(手書きの書面を要求されるなど)手間がかかります。IT化に対しては役所の仕事が減ることを避けている訳ですが、これに加えて失敗した人に厳しい国なのですから、それはもう起業数が増える訳もありません。
 世界的にも起業のしやすさでは60位くらいだったかと。縦割り行政の弊害も多く・・・、長くなりそうですので詳しくはそのうち書きます(汗)


 怖いのは、国内の仕事が減り海外に出稼ぎに行かねばならないようなところまで日本の産業競争力(国力)が落ちぶれた場合です。富裕層だけで無く人も資金も流出し、遠くない将来に中国企業に(安給料で、嫌と言うほど)コキ使われると言ったことも有り得ない事ではありません。

 (国、地方を問わず)議員バッチを外したくないだけの(立法府に居ることを忘れた)旧来型ゴキブリの無策が国民の将来を蝕み続けます。


 来年夏に予定されている都議会議員選挙は久しぶりに楽しみです。それまでに小池知事にお願いしたいのは豊洲移転問題をテコにした開示の拡大です。余り戦線を拡大せず、ここにフォーカスして攻めるだけでも様々な問題を表出させることが出来ると思われます。
 東京湾の埋め立て地にも沢山の利権が潜んでいますし、一事が万事です。都民の為では無く、議員や都職員のための(隠された)支出も炙り出されることと思われます。


 それにしてもと・・・、ここ最近は無責任東京都議会に限らず、あちらこちらの地方議会の腐り切った実態が表面化(ニュース化)し始めました。予算の大きい自治体ほど腐敗は蔓延、固定化しています。ネットの普及により内部告発も増えそうですから、まだこれからと感じます。

 話題の腐敗都議会を筆頭に、桝添騒ぎで視聴率が取れると分かったマスゴミに期待しています(^^)


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

「億の近道」金融&経済情報チャンネル

「億の近道」金融&経済情報チャンネル

このチャンネルの詳細