時々過去のコラムを読み返すことがあります。今回は6年ほど前に書いたものを取り上げてみます。2010年5月頃のコラムです。
~一部抜粋~
連休中に両親の様子を見に実家へ行ってきました。
その日は近所に住む母親の茶飲み友達が数人集まり居間で雑談していたとこ
ろで、面白い事に70代のおばちゃん(おばあちゃん?)達が政治談議をして
いましたので、どんな会話なのだろうと私も会話に交ざってみました。
要約すると、
1)鳩山さんには本当にガッカリさせられた。本当に世間知らずのボンボンだ
った。麻生や福田と変わらないし、もっとヒドイかも。
2)子供手当のバラマキで毎月数万円ずつもらっても、それっぽっち増えても
生活費の一部になるだけで、これで喜ぶ人がどれほどいるのだろう?
3)うちの親戚は新潟で農家をしているが、新しい所得保障があるというので、
一旦止めて年金暮らしをしていた近所の農家がまたコメを作り出したとの
こと。小さな田んぼしか残っていないところにバラマキしてどうするの?
4)年寄りはもういいから、これからは若い人がもっと元気になる政治をしな
ければこの国はダメになりそうだ。40、50の働き盛りの人でも仕事が
見つからず困っている人がいるなど、変な世の中になってしまった。
5)私達は先にいなくなってしまうからいいけど、うちの孫達が大人になる頃
にはこの国は大丈夫なのだろうか?
母親仲間の会話ですから、国債発行残高はどうの、GDP成長率はどうのと
言った経済論議はもちろんありませんが、国の予算の6割もが借金で賄われ、
国の借金が増え過ぎて先進国中最悪だといったニュースを日々見聞きしている
訳ですから、下町のおばちゃん達でさえ漠然とした不安感を覚えるのは当たり
前のことなのでしょう。
軒先が連なる下町の住宅街ですから、彼らにそれ程の蓄えは無いとはいえ、
大半が持ち屋ですから、預金を取り崩すことも無く、月に30万円近い年金だ
けで十分に生活が出来ると言っています。裕福な高齢者への行き過ぎた優遇も
見直さねばいけませんし、その余裕の見返りに「この国は破綻に向かっている」
などというニュースを見るにつけ、自分の孫の時代は大丈夫なのだろうかと不
安になるそうです。
ついでですが、郵便局に関する意見も聞いてみました。
「民営化されてからは郵便局員の態度が随分と良くなった」
「その昔は窓口の対応が横柄だったし、郵便局長が仕事をしているところなど
見たことも無かった」
「昼休みもたっぷり1時間取っていたのでとても不便だった」
「亀井の言うことなんぞ聞いていたら、また昔の状態に戻ってしまう」
全員が、小泉改革で昔より良くなったと言っていました。
これが本当の国民の声ではないでしょうか。民営化で大騒ぎしているのは既
得権を失いかけていた連中が中心なのでしょう。
~引用終わり~
郵便局の民営化など随分昔の出来事と感じますが、小泉改革の目玉政策でしたから実はまだ10年も経っていないモデルです。それなのに郵便局の窓口対応はとても良くなりました。その分、局員の方達の仕事量(負担)は相当増えたそうですが・・・。
とは言え相当の効率化に繋がっているはずなのに中々黒字にならない理由もあり、元国営会社特有の足枷が残っていることが分かります。
海外における難民の増大がニュースで大きく取り上げられ、国内では老人医療についてコストを掛け過ぎとの「石飛幸三先生」のご意見がメディアで拡散され るなど、ここ数年は過去には余り見られなかった様々な変化が表出しています。国内外を問わず、これらの情報に接するにつけ「本当の弱者って誰なのだろ う?」と考えさせられます。
政治家の生活が一番!などと意味不明の戯言をいうゴキブリや、ご都合主義のメディアの論調に惑わされず現実の事象をもとに税制や政治制度、社会保障制度などについて本質的な議論を進めねばいけません。これからの数年間はとても大切です。
日本を代表する首都の行方。都政はいよいよ大事なものになりそうです。次回の都議会選挙では、根拠も示さず耳ざわりの良いスローガンだけの候補、社会保 障や税制など厳しいテーマを避けようとする癒着候補は落選させましょう。「都の既得権が絡んでいそうな案件は全て開示します!」と約束する候補だけに当選 してもらいたい。
まずは「開示ありき」です。これらの「必要な(本当の)情報」を得なければ本当の弱者が誰なのかが国民に見えません。
それにしても今の国内金融市場は異常です。債券利回りは限りなくゼロに近く、株式市場は株価評価機能を失っています。日銀はせめて、単にETFを買うだ けではなく、グロースやバリュー投資と言った他の手法も交え民間運用会社を使うなどもして実施すべきでは無いかと思っています。
今の投資手法は世界的にみても余りに特殊ですから、とても長く続けられる施策とは思えません。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。