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 今回取り上げるのは、株式会社アトラエです

 私の所属する、投資クラブでは珍しく新興市場(マザーズ)の今年IPOした銘柄です。

 これまで購入してきた銘柄はバリュー観点で選ぶことが多いのですが、この銘柄に関してはグロース株として判断が求められることになります。


 アトラエ社はIT企業×人材紹介ビジネスで、イメージとしてはエン・ジャパン社やインテリジェンス社がやっている人材紹介ビジネス、転職支援ビジネスを、IT技術者サイトでのマッチングを中心に展開している企業です。


 それでは、ここでいつもの通りこれまで投資クラブで重視している企業選択の4つのポイントを確認してみましょう。


・売上に対する粗利益率、当期利益率が高い会社
・財務的に安定している会社
・ROEが高い会社
・多額の設備投資が必要でない会社


の4点を投資クラブでは重視しています。


1.売上に対する粗利益率、当期利益率が高い会社

 売上高     837百万円
 売上総利益   821百万円(98.1%)
 当期利益率    94百万円(11.2%)

 です。

 IT企業なので、原価がないものですから売上総利益率が高いのは当たり前です。

 問題は当期利益率ですが、IT企業の主な経費は人件費になりますので、今後売り上げが伸長すれば当期利益率は改善していくものと思われます。

 ちなみに直近の平成28年6月の第3四半期決算では

 売上高     932百万円
 売上総利益   917百万円(98.4%)
 当期利益率   175百万円(18.8%)

と利益率の向上も見られます。



2.財務的に安定している企業

 自己資本比率は上場後81.7%となり、IT企業として自己資本が十分な状態です。
 まだまだ資本勘定そのものが薄いので、今後の企業経営次第だという感じです。


3.ROEが高い会社

 平成27年9月期のROEは28.0%です。
 過去の数字を確認すると

平成24年9月  74.4%
平成25年9月  38.4%
平成26年9月  34.4%

と年々減少傾向にあるように見えます。

 しかし、これは資本があまりにも過少であったために、過去はROEが高く出ていただけで現状の20~30%台が実力相応でしょう。

 もちろんROEの水準としては高く評価できる水準です。

 他には、新興企業にしてはめずらしく、過去5期に渡り継続的に黒字で決算を迎えているのも高く評価できる企業だと思います。


4.多額の設備投資が必要でない会社

 IT企業なので、基本的には設備投資はないはずです。

 投資といえば、人件費と事務所に対する投資ぐらいしかないはずです。

 その意味では、販管費の増減に注意を払う必要はありますが、現状では売り上げが上がるほどには販管費の増加は見受けられません。


5.株価

 現在の株価は8680円(8月17日現在)、予想PER47.01倍、PBR12.04倍という水準です。
 新興IT企業ですので、一概にPERやPBRで株価水準を判断するのは難しいものがあります。

 そこで、ここではPEGレシオを参考にします。

 PEGレシオとは、PERをEPSの成長率で割った数字で、アトラエの場合は

平成27年9月    EPS  55.19円
平成28年9月(予想)当期利益 85.43円(54.8%増)

なのでPEGレシオは

47.01÷54.8=0.85

となります。

 PEGレシオは一般的に1を割ると割安と判断しますので、現在の株価水準は成長性から考えるとまだ割安水準にあるのではないかと思います。


株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一


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