ブリグジットショック後の株式相場が参院選前の停滞局面を経て急上昇。
日経平均は為替が円安に動いたこともあり、ボトムから直近の高値まで19%の上昇を示すに至りました。
NYダウが堅調に推移し、世界中の株式相場が上昇に向かったことが日本株の上昇を後押し。株高に多少リードされる形で為替相場も6月20日につけた1ドル=99.0円のボトムから7月21日には1ドル=107.47円まで円安に振れ、日経平均の上昇につながりました。
今回の円安、株高の流れをリードした銘柄は日本が世界に誇る任天堂(7974)です。「ポケモンGO」というAR(仮想現実)技術を用いたスマホゲーム が米国など海外で大ヒットしていることを買い材料として株価が短期急騰し、「買うから上がる、上がるから買う」の好循環をもたらしたことで、7月6日の 13,835円という安値から7月19日には32,700円という高値をつけました。
わずか10日足らずで株価は2.36倍となり時価総額も3.9兆円にも膨らんだことで日本のみならず世界中の投資家の関心を呼ぶに至りました。
任天堂の株主は3万6655名ですので、その株主の皆さんの懐が急に豊かになった訳です。単元株は100株ですので最低ロットで保有されていてもその投資家の139万円の資産が327万円にまで至ったのですから資産効果は抜群です。
もちろん外国人持ち株比率が51%ですので日本の投資家への恩恵は限定されますが、時価総額が1週間余りで2.2兆円も増えた効果は銀行株などで痛手を受けた個人投資家にとっては久々に明るい話題となりました。
ポケモンGOはようやく日本でも発売され早速に公園でうろうろするゲーマーの姿がメディアで取り上げられるようになりました。任天堂に加えLINEやマクドナルドにも関心が集まった先週の株式市場ですが今後もこうした潮流が続くのか注目です。
株式相場は極端に走りがちな世界でもあり、二極化の傾向が見られます。
日経平均やTOPIXが直近のボトムから20%近い上昇を示す一方で、代表的な中小型株指数であるマザーズ指数は7月8日の安値941.33に対して相変わらず低迷状態が依然として続いています。
市場では中小型株を売却して任天堂や銀行株、東芝などこれまで売り込まれてきた大型主力銘柄に乗り換えようとする動きが活発化していると推察されます。
こうした動きがいつまでも続くとは思えませんので、為替相場などを睨みながら、市場全体は一旦お休みする場面もあるかと思います。これに代わって直近に なって調整色を強めてきた直近のIPO銘柄やその他新興市場銘柄が改めて見直されるタイミングもあるものと期待されます。
そうした観点で二律背反の相場ながら好循環の展開に入ったとポジティブに考えていくべきではないでしょうか。
(炎)
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