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市場潮流

2016/05/09 20:48 投稿

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今週は連休の狭間となり、5月2日および6日の二日間の立会いとなりました。連休前の28日に日銀が追加緩和を見送ったことに伴う株式市場での失望売り、 円高進行などを受け、日経平均株価は2日間で559円安となり、1万6106円で取引を終えました。連休前から通算しますと6日続落となります。


 日銀の追加緩和見送りには、それなりの考え方があったものと思われますが、欧米の中央銀行との金融政策を変更する際のスタンスの違いは、今後政策効果の縮減につながりかねないものと危惧します。
 米国の連邦準備理事会(FRB)にしても、欧州中央銀行(ECB)にしても、金融政策の方向性を市場に浸透させるべく努力します。いわゆる「市場との対話」の重視です。

 例を挙げれば、ECBはマイナス金利を導入する1年以上も前から、その可能性を示唆しています。追加緩和の実施に際しても、少なくとも1カ月前の政策理 事会の会見などでその実施を示唆します。サプライズを生じることなく、「落ち着くべきところに落ち着く」形での政策変更を実施するわけです。


 一方、日銀はサプライズを重視します。
 「量的・質的金融緩和」の初期段階では、大きな「戦果」を挙げることが出来ましたが、「マイナス金利の導入」時などにはその意外感はむしろ市場の反発を招いています。

 筆者は、マイナス金利は理論的には間違っていないものと考えますが、感情的な反発がその効果を相殺しています。今回の見送りも、投機筋の動きを助長したに等しい結果となりました。
 今後は是非、市場との丁寧な「対話」に努力いただきたいものと考えます。


 ところで、米国の16年1~3月期の実質GDPの速報値は、前期比年率換算で0.5%増にとどまりました。主な要因は設備投資と輸出の落ち込みです。

 世界的な株安が高額消費に逆風となり、これまで成長を牽引してきた個人消費の伸び率も鈍化しています。今夜発表予定の4月の雇用統計が弱いものとなれば、さらなる円高も覚悟しなければならないと思います。


(水島寒月)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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