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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『千と千尋の神隠し』、知らぬ間に異世界へと入り込むスピーディな展開に注目」

2019/11/20 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/11/20

 今日は、2019/11/03配信の岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』を読み解く13の謎[前編]」からハイライトをお届けします。


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 山道を走って行くと、途中で道がいきなり石畳になるんですね。
(パネルを見せる)

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【画像】石畳 © 2001 Studio Ghibli・NDDTM

 石畳になって、車が、こう、ガタガタ、ガタガタ揺れます。
 これね、山道なんですよ。山道の途中から石畳になるということは「昔の人が石畳を敷かなきゃいけないくらい大事な道」ということなんですね。
 大昔の、江戸時代とかそれより前の時代に、山の中にこんなものを作っていたということは、よっぽど神聖な道だったということですね。城を建てる時でも、なかなか石畳なんて敷かないものですから、そういう神聖な土地に入ったサインなんです。
 だけど、お父さんは気づかずに猛スピードで走ってしまうんですね。
 絵コンテには「お母さんは婚約時代からこういうのに慣れている」と書いています。なので、お父さんの乱暴な運転を見ても、お母さんは平気な顔をしてるんですけど、千尋はそんなお父さんを見るのが初めてだったので、すごくビックリします。
 すると、突然、目の前にトンネルが現れるんです。
(パネルを見せる)

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【画像】トンネルと石人 © 2001 Studio Ghibli・NDDTM

 トンネルの前には石人というのがいます。石で彫った人間のような人形ですね。
 石人というのは、九州北部の古墳跡から出土する石像です。ここから、この聖域自体がかなり古いものであるということがわかりますね。

 「なんだ?」と思って、この赤いトンネルの上を見ると、読めない字が書いてあるんです。
(パネルを見せる)

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【画像】看板 © 2001 Studio Ghibli・NDDTM

 屋根があって、看板が出てるんだけど、なんて書いてあるか読めない。実は「湯(油)屋」と書いてるんですけど、コンテには「読めないように書いてください」と指示されているので、読めないように書いてあります。
 ここから先にあるのは、バブル崩壊前に作られた、温泉を中心としたテーマパークなんですね。
 でも、温泉は出ないんですよ。なので、油屋では、石炭を窯で焚いて、ボイラーでお湯を沸かしているわけですね。つまり、偽のスパリゾートなわけです。温泉が出ないのに「温泉郷だ」と言っている。
 この、車が急停止するところまでで3分です。スピーディな展開です。まだ、最初のトトロのマークが出てきてから、3分23秒なんですね。
 両親は、このトンネルの中に入って行きます。
 お父さんの方はのんきに「なんだ、モルタル製か。けっこう新しい建物だよ?」と、正体を見破ったような感じになっています。お父さんは実は建築業で働いているから、こういう建物に詳しい、と。
 お父さんは平気なんですけど、そのトンネルに向かって、後ろから風がビューッと吹き寄せられていく。トンネルの中に風が入って行くんですよね。
 それを見て嫌な予感がした千尋は、中へ入るのをすごく嫌がります。「私、行かない!」と。

 4分18秒。「私、行かない!」と言っている千尋を置いて、お父さんとお母さんだけがトンネルに入って行くんですけど。千尋が石人を見ると。
(パネルを見せる)

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【画像】石人 © 2001 Studio Ghibli・NDDTM

 これ、すごくわかりにくいんですけど、ものすごくゆっくりと、カメラが寄ってるんですよ。
 画面の端の辺りを見たらわかるかな? ほんのちょっとレンズが寄っているんですね。背景だけが外側へ流れて行ってるんですけど。なかなかわかりにくいですね。
 すごくゆっくりトラックアップして、カメラが寄っていくことで「千尋がこの石人に心を奪われて、嫌な予感がしている」と丁寧に伝えているシーンです。2秒くらいの、ちょっと長めなカットなんですけど、何をやっているのかよくわからないんですね。
 実は、この石人「夜になるとカエルに変化して、口から水を吐く」という設定だったそうなんですけど、「そこまでやらなくても構わない」ということで、設定が取り消しになってしまいました。
 しかし、後のシーンで、別の石人が夜になると口から水を吐くので、まあ「トンネルを抜けた場所に、いつの間にか川が出来てて帰れなくなる」というのは、こいつがカエルになったからだと考えてください。

 で、千尋は、嫌な予感がしながらも、両親を追いかけて入って行ってしまうんですけども。
(パネルを見せる)

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【画像】トンネル © 2001 Studio Ghibli・NDDTM

 これ、一番最初に父親と母親が入って行くシーンでのトンネルです。周りが赤くて、モルタルにペンキで塗られています。
 それに対して、これは、もう、ほとんどラストシーン。この世界に帰って来るところなんですけど。同じトンネルでありながら、石人はすでにただの石の車止めになっていて、壁面も石が積み上げられたものに変わっている。周りも、木でいっぱいになっている。
 映画の頭とお尻では違うトンネルになっているんですね。

 つまり、もう、この段階で「化かされている」って言うんですかね? もう3人は不思議な世界に入ってしまっているんですね。
 「トンネルを抜けたら不思議な世界」ではなくて、実はもう、トンネルのところから変な世界だった、と。
 じゃあ、その変な世界に切り替わったのはどこなのかと言うと、おそらく、あの石の祠を通り過ぎた辺りから、神様の世界に入ってしまったということなんですね。

 5分53秒。このトンネルを抜けたら、まあ、平原が広がっていて、ずーっと上り坂が続いている。これが後に海みたいになるんですけど。ただ、その平原みたいなところに誰もいない。
 6分50秒。千尋が不安になって「お母さん、お母さん、嫌だよ、行きたくないよ」って言うんですけど、母親は「早く来なさい」と言うだけで、なぜか千尋とは1カットも目を合わせません。
 父親と母親は、けっこうイチャイチャしているんですよ。お母さんがフラッとしたら、「大丈夫か?」と言ってお父さんが支えて、お互い笑い合ったりしているんですけど。千尋に対しては「早くしなさい」と言うだけなんですね。
 この異常な冷たさ。両親共に、特に母親の方の冷たさには理由があるんですけど。ここら辺、かなり深くなります。
 映画を見ている人の中には「両親は子供みたいな人で、まだ仲が良くて、だから冷たいんだ」って言う人もいるんですけど。いや、そんな意味のないことを宮崎駿がするはずがないんですよね。
 ここについては、来週の後編で解説してみます。


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