岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/17

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/04/28配信「『攻殻機動隊講座』第2話徹底解説 無料公開は初です!」の内容をご紹介します。
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2019/04/28の内容一覧


『攻殻機動隊講座』第4回:第2話 SUPER SPARTAN

 その結果、長期的には、消滅してしまった東京の代わり福岡に首都を移転することになった。それまでの中間地点として、神戸の沖に人口の島を作って、そこを暫定的な首都にしている。その神戸あたりの話というのが、この『攻殻機動隊』です。

 フチコマが走っているのは、当然、国道のような大きな道路なんですけども。
 この端っこの方には、核兵器か、もしくは大型爆弾で、大きく削られた海岸線というのが見えています。
 この辺も、なぜこういうシーンを入れているのかっていうのが、よくわからないんですね。でも、SFマンガやSF映画を見る時に、こういうふうに、木が生えていない山で、明らかに削られた跡があった場合は「何か大事故があったんだな」と読むようにしておくと、お話がすごくわかりやすくなります。

 ということで、「全員、脳潜入(ブレインダイブ)用意!」というセリフが入ります。
 さっきまでは止まっていた構図の中での会話だったんですけども、ここから先は、全員が、おそらく時速何十キロ何百キロという速度で移動しながらの会話になってくるので、アクションシーンぽいセリフになります。


草薙素子:全員、脳潜入(ブレインダイブ)用意!
バトー:無線だと「枝」がつくぞ。(盗聴されるコト)
草薙素子:状況説明しておいて欲しいでしょ?


 というふうなことで、草薙素子は「状況説明するために私の脳内に皆で入ってこい」というふうに言ってるんですね。
 これを、無線でやる。つまり「フチコマ同士の無線通信の中で脳に入ってこい」と言うんですけども。
 それに対して、バトーは「俺がさっきやったみたいにワイヤーで繋いでやらないと、盗聴されるぞ?」と助言します。
 でも、まあ「それよりも大事なのは、状況説明でしょ?」ということで、草薙素子はそれをやります。
 後のエピソードには、こんなシーンは出てきません。ここから先の話で、いちいち「情報共有のためにお互いの心の中に潜入して~」とか、「無線だと枝がつく~」とか、そういう話は出てこないんですね。
 これも、実質上の第1話だからこその、まだ混乱しているやりとりだと思ってください。

 「枝祓いに超天才(ウィザード)電脳技師の攻性防壁を使う。ハッカー殺しのハードな奴よ」ということで、つまり「セキュリティはあるから大丈夫よ」というふうに少佐は言っています。
 「チリチリする辺がゴーストライン。それ以上は潜るな」ということで、バトー達は「ブクブクブク」と言いながら心の中に潜って行きます。
 ここで「ゴーストライン」という言い方が出てくるんですけど、これは後で解説します。
 ここでは、とりあえず、さっきまでの静止している時のサル部長に対するやり取りの説明から、動き出してからのアクションに入ってからの短い説明の積み重ねに移ったということで、明らかにお話のテンポが変わってきたことをよく読んでください。

(パネルを見せる。5ページ目)
 ということで、このマンガではわりと珍しい「脳内がどうなっているのか?」という描写がザーッと出てきます。

 ここら辺がサル部長が言っていたセリフですね。「国際的対テロ機関の設立予算を出すまで仕事せんだとー!?」とか、「予算は通した!」とか、そういうふうな記憶が見えます。ここから、これまでこの部長さんとかなり言い合いがあったんだなということがわかります。
 他にも、少佐本人にしてみれば、みんなに読まれたくない、自分がもっと若くて純真だった頃の笑顔というところまで見えてたりするんですね。
 みんなは、こういう記憶の中から必要な情報を見ているんですけども。ここまでは前回、商務大臣だったか商務次官だったか、そういう人と殺し合いをした時のSPとか、荒巻部長とのやりとり。ここまでが少佐にとって「読ませていい部分」で、ここから左の部分というのは、いわゆるゴーストラインという、彼女固有の魂の部分なので、読ませたくない部分ですね。
 そこらへんのギリギリまでみんなが潜ってきている。

 「ノイズが多いな、お前の脳は」という言葉に対して、「生理なんだよ」と言い返す少佐。
 「少佐、義手が痛みますね」、「なんです、このニガいの。鎮痛剤ですか?」ということで、生理用の鎮痛剤を飲んでることを、部下にからかわれたりすると。
 「義手が痛みますね」というセリフからもわかる通り、みんなが少佐・草薙素子の心の中に潜ってくると、彼女の義手の部分が痛んでいること、「今の彼女の実際の肉体である義手の合いが悪い」ということまで知られてしまうわけですね。

 ということで、少佐の「さあ、情報は仕入れただろ。2秒で出ていかないと脳細胞焼くわよ。そろいも揃ってゴースト近くまで潜って来やがって、くそッ。これだからデリカシーのない野郎共を脳に入れるのは嫌なんだ」というセリフ。
 そのバックでは、都市が見えてきて、いよいよゴールが近いことがわかります。
 これがブレインダイブのシーンです。

(パネルを見せる。6ページ目)

 はい、この大きいワゴン車が、たぶん「水仙と合流しろ」と言われた「水仙」です。新居浜4区に着きました。
 「新居浜4区」と書かれた看板のすぐ近くに「聖庶民救済センター」というのがあります。

 「現在、公安部は聖庶民救済センターを完全監視下においています」というふうなことで、やりとりが始まります。
 草薙素子達は、このドライバーの後ろの席にいるわけですね。カーテンを開けて、運転席を確認する描写があります。
 このカーテンの後ろ……まあ「大きいステップバンの後ろ」っていうんですかね。トラックの後ろみたいな部分に、機械がいっぱい入っている。
 よくアメリカの警察モノに出てくる対テロ組織で、こんなふうに「トラックみたいな車の後ろのコンテナの中に機材がいっぱい並んでて、その中にモニターがあって、人間がいろいろ入っているやつ」って見ますよね。ああいうところだと思ってください。
 そこに、リーダーの草薙素子と、彼女が最も信頼しているバトーというナンバー2が居て、新しく出てきた女の子とやりとりをしています。

 「聖庶民救済センター?」と、ここで今回、ようやっと作戦を知らされます。
 「公安部は聖庶民救済センターを完全監視下においてます」といった通り、今回は、この聖庶民救済センターを襲撃するわけです。
 それは何かというと、「福祉施設です、少佐殿。戦災孤児をひきとって、生活、学習、職場を提供する所です」と女の子は説明します。
 この「戦災孤児をひきとって」という表現からは、やっぱり「数年前に戦争が終わったばっかりだ」ということがわかりますね。
 この『攻殻機動隊』の世界の中の日本では、戦災孤児というのが世の中にブワーッと溢れていて、その子供達を集めて生活させたり、学習させたり、職場を提供したりしている、と。
 では、なんでそんな施設を監視下に置いているのか?

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