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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「小池一夫原作の時代劇マンガ『子連れ狼』は何がすごかったのか?」

2019/05/02 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/05/02

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2019/04/21配信「【風立ちぬ】完全解説・堀越二郎を誘惑する3人の悪魔」の内容をご紹介します。
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2019/04/21の内容一覧


前説と雑談「小池一夫先生の訃報について」

 小池一夫さんの訃報が出されました。4月17日水曜日に永眠なされたそうです。
 それも、小池一夫さんは亡くなられた4月17日当日に、死去が伝えられていたマンガ家のモンキー・パンチさんへ向けてツイートをされていたそうですね。
 「モンキー・パンチさんとは40年前、漫画アクションの初期に、『ルパン三世』と『子連れ狼』で人気争いをしたライバルでもあった。一緒に組んで『書記官鳥(セクレタリーバード)』というマンガも作った。寂しくなるな」というツイートを残しながら、その日のうちに、ご逝去なされたそうです。

(中略)

 小池一夫先生というのは、昭和の文化人で、とにかく派手で、お会いした感じではオーラがすごいんですよね。
 あとは、メッチャクチャ面倒見のいい人です。本当に僕が知っている限りでは、誰彼構わず奢ってて「あんなに奢ってて大丈夫かな?」と思ったんですけども。
 もう本当に、病院の病室でツイートしてたということからもわかる通り、最後まで表現者でありました。

 小池先生に関しては『子連れ狼』というマンガがあるんですけど、これは読んだ方がいいと思います。
 僕も、すごい好きなんですけど。それは「マンガとしてどうなのか?」というよりも、「長いお話の作り方がメチャクチャよくわかるから」なんですね。

 『子連れ狼』って、まあ言っちゃえば、復讐譚なんですよ。拝一刀(おがみいっとう)という公儀介錯人……つまり、江戸幕府から直に雇われた、代々続く介錯をする専門家なんですけど。
 あの時代、切腹を命じられた者が、実際に自分の腹を切っていたかというと、実は、あくまで形だけで、例えば扇子をお腹に当てたりしただけだったりしたんですね。すると、切腹を命じた側の幕府から雇われた介錯人というのが、首をストーンと落とす、と。「見事な腕の人は首の皮1枚を残して落とすので、首が見苦しく落ちずに、ちょうど吊り下がった状態になる」というふうに言われたんですけど。
 そういう腕を持っている公儀介錯人だった拝一刀は、柳生家の陰謀によって公儀介錯人の役を追われ、そればかりか、お家取り潰しの状態になってしまった、と。なおかつ、切腹まで命じられたんですけれども、それを良しとせずに、急に用心棒家業を始めて柳生家に復讐を誓うという話なんですね。

 だから、お話自体は時代劇としてはちょっと荒っぽい設定なんですけど。これで、単行本40巻近く、6年間7年間の連載を持たせたという、さっきも言ったように、お話の持たせ方がすごくうまいんですよ。
 お家騒動で潰されたことに対する復讐譚として、1970年、本当に『ルパン三世』と同時期、万博の年に始まって、そこから6年間7年間続いたお話なんですね。
 この『子連れ狼』は、『ブラック・ジャック』の元ネタでもあります。ブラック・ジャックが「手術してほしければ300万持って来い。1000万持って来い。5000万円持って来い」というんですけども。同じように『子連れ狼』の拝一刀も、暗殺を依頼された時に「いくら持って来い」というふうに言うんです。まあ、そういう大金を要求するという描写は、『ゴルゴ13』でもあったはあったんですけど。
 じゃあ、『子連れ狼』というのは何が違ったかと言うと、「じゃあ、そのお金を何に使うの?」と。結局、『ブラック・ジャック』も『ゴルゴ13』も、この問に答えきれてないんですよ。
 一応、ブラック・ジャックは「子供たちのために島を作る」みたいなことを言ってた回も確かあったんですけども、それも設定的にハッキリしなかったんですね。

 もう1つすごかったのが、『子連れ狼』というのは「武士道」という考え方がすごく強い話でもあるんですね。
 とにかく「武士とは何か?」と。それも、江戸時代の後期に出てきた朱子学をベースとした「武士道とは死ぬことと見つけたり」という、いわゆる宮本武蔵的な「強くあるための武士道」ではなくて、どちらかというと「忠義を尽くすのが武士である。主君のためのならば、自分の息子も切り捨てる」というような、忠義中心の「道徳としての武士道」というのを極めたような話なんですね。
 そんな武士道と、暗殺みたいな汚れ仕事というのを、どのように両立させるのかという、お話のバランスの取り方がすごくうまいんです。

 一番最初、拝家が襲われた時、大五郎という、生まれたばっかりというか、1歳にもなっていないような赤ん坊を残されるんですね。「子連れ狼」だから、拝一刀とその赤ん坊の2人で旅をすることになるんですけども。
 もともと拝一刀は、そんな手間がかかる自分の息子を復習の旅に連れて行くつもりはなかったんですよ。「こんな自分のような父親と一緒に苦労するくらいだったら、ひと思いに殺してやろう。楽をさせて母親のところへ送ってやろう」と思っていた。
 そこで、大五郎の前に、刀をグサッと刺して、その反対側に手鞠を置いて、「さあ、どちらか好きな方を行け。お前も拝家の男子であるならば、進む道は自分で選べ」と言った。すると、大五郎は迷わず刀の方に行ったんですね。
 その結果、「そうか。わずか1歳といえども、男が自分の道を選んだのであったら、もう父はそれを全面的に採用する」ということで、この1歳になる男の子と2人で殺し屋家業をするという、とんでもない話なんですね。

 彼らの目的は「柳生一族の根絶やし」なんですよ。「徳川家の剣術指南の柳生一門をすべて殺し尽くす」というのが目的。
 そして、これが本当に、単行本が進むに連れて、ちゃんと実行されていくんです。この辺がすごかったんですよ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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