岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/12/31
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/12/23配信「クリスマス・年末年始が10倍楽しくなる“一人遊び”特集」の内容をご紹介します。
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2018/12/23の内容一覧
- 世界を楽しむためのコツ
- 『風の谷のナウシカ』特集の予告編
- 『ナウシカ』に出てくる風車
- 一人遊びを10倍楽しむ方法 ~プラモデル編~
- 本を読んだ後に作りたくなるプラモデル 『ブラッカムの爆撃機』(前編)
- なぜ「クリスマスだから」といって変なセーターを着るのか?
- 「アメリカのルート66を横断する」プロジェクト始めます
- 本を読んだ後に作りたくなるプラモデル 『ブラッカムの爆撃機』(後編)
- 『風立ちぬ』のユンカース
- 一人遊びを10倍楽しむ方法 ~映画編~『駆込み女と駆け出し男』
- 聖地巡礼『ブレイキング・バッド』
- 一人遊びで自分の世界を作ろう
『風の谷のナウシカ』特集の予告編
あの、お正月の1月4日に『風の谷のナウシカ』が金曜ロードショーで放映されるんですよね。
もちろん、1月6日、新年最初のニコ生では、この『ナウシカ』を徹底分析するんですけども。その前に、予習として「こういうことを考えながら、テレビを見てみてください」と、「1月4日の放映前に、ちょっとここを考えて見てくれたら、もっと面白く見れるんじゃないかな?」という話をします。
実は、2018年1月21日の岡田ゼミで「ブラゼルダ」というのを紹介したんですけど、覚えてますか?
「『ゼルダの伝説 ブレスオブファイア』というゲームを、クリアするだけじゃなく、単に世界を歩き回って楽しもう」という遊び方なんですけども。
(パネルを見せる)
こういう地図を作って、地図の上にテーピングしてルートを書いて、いろいろと説明したんですど。
(中略)
『ゼルダ』って、そういう大きな事件があってから、100年後の世界を描いているんです。つまり、『ナウシカ』で言えば、主人公のナウシカと王蟲の群れが激突する、劇中でのクライマックスの事件の100年後、みたいなものなんですよ。もう、ナウシカはいない。この世界を救ってくれる主はいない。そして、人類はゆっくり滅亡していく。そんな世界の描き方が『ゼルダ』なんですね。
つまり、『ナウシカ』の後の100年後の世界というのを描いたところが『ゼルダ』の面白いところであって、『ゼルダ』というのが、日本人のファンタジーの系譜として、『ナウシカ』を継ぐものになっているという関係が面白いなと思ったんですけど。
(中略)
NHKの『ブラタモリ』という番組があるんです。「その土地の地形とか歴史を頭に浮かべながらブラっと歩いて、普通に見える坂とか普通に見える交差点を面白がる」という番組なんですけど。
同様に、『ゼルダ』という世界、「ハイラル」という土地も、面白がれるんです。
他にも、このブラゼルダと同じように、今年2018年に行った『カリオストロの城』の解説の中で作ったのがこの「カリオストロ城下町の模型」です。
(模型を見せる)
この城下町の模型というのは、こちら側が外に繋がる街道になっていて、反対側のこの細い道がカリオストロ城へ通じる橋になっているんですね。
そういう城下町に設定されているところに面白さがある、という話をしたんですけど。
『カリオストロの城』という作品の中で、宮崎駿が城下町という舞台を作ったのはなぜかというと、お城の中だけの話にしてしまうと、実はスケールがかなり小さくなっちゃうからなんですね。城よりちょっと小さいか、同じくらいのサイズの城下町をワンセットで設定したところが、『カリオストロ』の見どころだと思います。
というのも、この城下町というのは、城に直接繋がっているんですよ。じゃあ、なぜこんなのが必要だったのかというと、かつては、この国の騎士階級が、ここで住んで、王のために仕えていた場所だったはずだから、なんですね。
騎士階級が王宮の近くに控えていて、その騎士階級の人たちにサービスするための民間人の家とか酒屋とか、そういうものがあった。ところが、カリオストロ公国では、今や、そういった騎士階級が滅びてしまっている。その結果、王族しか残っていないんです。
かつての騎士階級で、王家を支えていた者たちは、王宮の中に入り込んでいて、ジョドーのように執事として仕えながら、なんとかカリオストロ公国が独立国であるのを守っている。
そのためには、「閨閥政治」という、いわゆる他所の国との結婚による国際政治をやろうとしたり、偽札を作ったりすることになった。そういう悪いことにも手を染めて、カリオストロの国を、なんとか存続させようとしている。
そういう事情が、この城下町の形からもわかるところが面白いんです。
後は、特徴的なこの屋根の色とかを見ても「ああ、ここら辺は、ヨーロッパでも比較的温かい土地にあるんだな。わりとイタリアとか地中海、アドリア海に近いところにあるんじゃないかな?」ということもわかります。
こういうですね、アニメの設定を「単なるアニメの設定だ」と考えずに、一度、例えば地図を描いてみるでもいいですし、模型なんていうのは一番いいんですけど、立体にしてみると、自分なりの皮膚感というのが出来上がるんですよね。
僕、カリオストロ公国って、騎士階級がなくなって、他の貴族もなくなって、カリオストロ王家だけになっているという現状の廃れっぷりを見たら「このままだと、あと100年くらいでドイツに併合されるんじゃないかな?」って思っているんですけども(笑)。
こういった、ブラゼルダとか、カリオストロの城を見る視点で、『ナウシカ』という世界の中に出てくる「風の谷」という小さい村を面白がってみよう。つまり、「ブラナウシカ」というのをやろうというのが、来年の1発目の企画の試みです。
例えば、風の谷には風車があります。まあ、風車があるから風の谷なんですけども。
でも、この風車って、実は面白くて。僕ら、オランダに風車があるもんだから「ヨーロッパにはどこにでも風車があるもんだ」って考えちゃうじゃないですか。違うんですよね。ヨーロッパの風車っていうのは、すごく特殊なんです。
実は、ヨーロッパには、風車の歴史があまりない、というか、昔のヨーロッパに於いて風車を作れる人というのは専門職であり、もう魔法使い扱いだったんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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