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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「アイドル界に“身分制度”が誕生しつつある」

2019/01/03 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/01/03

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この記事は、PHP新書から発売された岡田斗司夫の新刊『ユーチューバーが消滅する未来』から、一部抜粋してお届けします。

アイドル文化はもう40年の歴史がある

 ユーチューバーに関して、僕は「日本人ユーチューバーの市場も、これから2、3年でアイドルや芸人に荒らされることになる」と予測しました。
 では、アイドル自体はこれからどうなっていくのか?
 日本的なアイドル文化が確立したのは、1970年代。映画で圧倒的な存在感を示していた「スター」ではなく、未成熟だとか身近さといったイメージをウリにした「アイドル」が登場してきました。
 単独型アイドルは南沙織あたり、少人数グループ型アイドルはキャンディーズあたりが始まりでしょう。
 おニャン子クラブの登場以降、アイドルは大規模化が進み、モーニング娘。、そしてAKB48と、巨大なファミリーを構成するようになっていきました。
 今の芸能界だと、アイドルと芸人以外の芸能人は活躍の場がほとんどありません。その上、『ラブライブ!』や『アイドルマスター』のように、ゲームやアニメから生まれたアイドルグループもすごい存在感を示すようになっています。
 アイドル文化が1970年代からだとすれば、もう40年以上。1世代を超えていますから、文化としても大きく変質し、人がアイドルに求めるものも変わってきています。

「プロ意識に欠ける」は古い発想

 2012年には、AKB48の指原莉乃が恋愛スキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれ、HKT48に移籍。2013年には、やはり恋愛スキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれた、AKB48の峯岸みなみが丸刈りにして謝罪する動画が公開されました。
 また、2017年6月のAKB48選抜総選挙ではNMB48の須藤凜々花が結婚を、さらに後日NMB48からの卒業を発表。2017年末には、女子高生アイドルが、担当マネージャーとの間に第一子を妊娠したことを発表するという事件もありました。
 こういう事件が起こると、「幻滅した!」とか「プロ意識に欠ける!」とか、あるいは「アイドルだって若い女の子なんだから、恋愛してもいいじゃないか!」といった意見が出てきます。まあ、女子高生アイドルが妊娠した事件で、一番プロ意識に欠けていたのはマネージャーでしょうけど。
こういう意見はとても20世紀的な発想だと僕は思います。
 だって、ユーチューバーにプロ意識なんて必要ないでしょう? 同じように、芸能界のマジョリティとなったアイドルにプロ意識なんて必要ありません。あってもいいけど、それはそのアイドルのウリ、「個性」の1つにすぎないんです。
 「あのアイドルは、プロ意識があってカッコイイ!」とファンが付くかもしれないし、「あのアイドルは、ただの素人っぽいところがいい!」というファンだっているでしょう。
 これまでは、テレビとか舞台といった大がかりな装置がアイドルという存在を作り上げるために、プロ意識は絶対に必要でしたが、今はその前提条件も崩れ始めています。
 テレビや舞台に出ていない地下アイドルは、プロモーションから集金、ファンとの交流まで、ネットを活動拠点にしています。そんな時代に、テレビや舞台を前提としたプロ意識を全員に求めてもしょうがない。

アイドルは世襲制か成り上がりに

 僕は日本人ユーチューバーのほとんどは食えなくなると予測しました。中途半端にタレントぶったユーチューバーでは生き残れないんです。
同じことがアイドルについても言えます。
 アイドルを応援するというメタゲームを楽しんでくれるファンがいますから、アイドルとして生きていくことはできますが、そのゲームの難易度はどんどん上がっていきます。圧倒的なカリスマ性を獲得してスターになれればよいですが、中途半端な人気で競争に勝つのは難しい。
 「恋愛スキャンダルを起こして、左遷され、またセンターに返り咲く」という程度のゲームでは見向きもされなくなるでしょう。世間の注目を集め、アイドルとして生き残るのはどんな人たちか?
 10年後のアイドルは、大きく2種類に分かれているはずです。


この記事は、PHP新書から発売された岡田斗司夫の新刊『ユーチューバーが消滅する未来』からお届けしました。

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