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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『ロッキー』と吉祥寺のナンパ男に学ぶ、女の子の口説き方」

2018/10/25 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/10/25

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2015/11/22配信「もてる会話術とおたくな休日のひとり遊び」の内容をご紹介します。
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2015/11/22の内容一覧


ハブ酒と『ロッキー』のジョーク

 今日、吉祥寺でタコライスを昼間食べて来たんですね。

(中略)

 食べてたら、隣にお客さんがいて、隣の客がもうここにピアスつけた、まぁ僕にとってはなかなか縁遠いお兄ちゃんと男の話を聞きながら、iPhone 6 Plusのでっかい画面見ながら、こんなことをやっている姉ちゃんが──ハモニカ・クイナって流行ってる店だから、めちゃくちゃ狭いんですよ。なので隣の人の声が丸聞こえっていうか、喋ってる内容が丸聞こえなんですけども──そこで兄ちゃんが「ハブ酒飲んだんだけどさ、このあいだハブ酒飲んだ」って、こういうやつは酒飲んでそういうふうな話を女にするよなーって思って、「ハブ酒飲んだんだけどさ、ハブ酒飲んだら、中からハブが生きて出てきてさ、ほんと大変だった」って言ったら、女の子が「へえー」とか「すごーい」って言ってるんですけどね、変だなって思ったんですよ。

 ハブ酒のハブで生きてるって、僕、聞いたことがなくて、ハブ酒のハブってそのまま浸けたら、ハブは毒持ってますよね。
 だから、そのまま酒に浸けないんですよ。じつは一回腹をさばいて、内臓抜いて、アルコールに漬けて、アルコールで毒を抜くんですね。
 どれくらい浸けるのかっていうと、一年浸けるっていうんですよね。だいたい平均一年くらいアルコールに浸けて、それを出して、ハブをぎゅーっとしごいたら、ハブの肛門から、内臓とかに入ったアルコールが抜けると、ようやっと毒が抜けると。
 これを泡盛に浸けると、ハブ酒になるんですけれども。

 というのを、まあまあいちおう雑学として入っているので、おいおい、すげえホラ吹くよなって思ってたんですけども、いやでもね、このホラは正しいなと思って、ホラというか、というのは、つい先日やっと生まれて初めて、僕、『ロッキー』見たんですよ。
 『ロッキー』って映画ですよ。
 みなさん、『ロッキー』見たことありますか?
 『ロッキー』の1、『ロッキー』1ってまあ面白いんですけども、安っぽい映画なんですよ。シルベスター・スタローンがめちゃくちゃ若い頃、何をやっても中途半端で、ハリウッド役者としても、監督志望なんですけど、シナリオライターとしても中途半端な奴が、もうこうなったら俺自身を書くしかないと言ってロッキー・バルボアというのを主人公にして、種馬、イタリアン種馬とあだ名のついているボクサーを書いたんですね。
 それで『ロッキー』の1をみていたら、そしたらエイドリアンって有名なヒロインを口説くシーンがでてくるんですけども、このエイドリアンがまたいい感じで不細工というか、小ブスなんですよね。
 小ブスっていうのは、あとで撮り方によってどんどんキレイになっていくんですけども、最初に出てくるときはほんとになかなか小ブスな感じでいい感じなんです。それがペットショップですっごい地味で、客と目を合わさないように働いていて、そこにロッキーが毎日のように行ってむちゃくちゃ口説いているんですよね。
 これがなんかチャーミングというか、イタリア人の男が女を口説くっていうのはこれくらい真剣にやるんだなって、その口説き方がしょーもない冗談を毎日、言いに来るんですよ。
 ロッキー、カメを飼って、そのカメのエサっていうのがドライ、乾燥虫みたいなやつなんですね。
「このあいだよう、カメのエサ、ここで買ったんだけどよう、それでカメにエサやったらよう、そしたら蚊とかハエが入ってるじゃんか、蚊は喰うんだけどさ、でもさ、ハエが入っててさ、ハエを飲み込めなくなってのど詰まらせちゃったんだよ。俺、しょうがねえからさ、どうしたと思う? カメのさ、首、トントンって叩いてやったらさ、カメが鞭打ちになっちまったんだよな」っていうふうに言って「どうだ? おもしれーだろー」っていうふうにエイドリアンに言って、そこまで聞いてこれ、ジョークかぁって思って。
「どうだ? おもしれーだろ」っていいよね。
もう日本人はさんざんお笑いとか見てるから、こういう下手なジョークの言い方って忘れてるけども、何か言ったあと「どうだ。おもしれーだろー」っていうのって、僕、今後使おうかなって思って。
 すべり芸でもなんでもないんだけど、で、まあまあ、ロッキーはこれを毎日毎日考えていると、友達になんであんなことをしてるんだって「いやーいいんだよ、毎日ジョークを考えるのは、頭のトレーニングにもなるしな」って、またエイドリアンに「また来るぜ」って言って、ほんとに毎日毎日そこに通ってるんですね。

 そこまでして口説いているのは誰かっていうのは、ロッキーにはポーリーという友達がいて、これもまぁ中年のおっさんなんですけども、その中年のおっさんの妹なんですね、エイドリアンっていう女の子は。
 で、ポーリーに頼んで、無理やりデートさせてもらおうと思って、感謝祭にポーリーの家に行くんですよ。
 その親友の中年のおっさんの妹と同居してるから、そしたら妹はロッキーが来るとは全然知らないんですよ。ポーリーは何も考えずに来い来いって
「えー、妹にちゃんと言ってくれたのか?」
「あー、言った言った」
 じつは言ってないんですよ。
 言ってないんですけど、来い来い、一緒に飯を食おうよ、妹も会いたがってるよ、イタリア人だから、超いい加減なことを言うんですけども、ロッキーがついていって、そうか、じゃーとか言って嬉しそうについていって、行ったらもうエイドリアン、ブチ切れで「なんで、この人、来てるのよ!」
 普段ひとこともしゃべらない、もうほんとに口がきけないんじゃないかと思うくらいペット屋で大人しい女の子がブチ切れで、兄にガンガン怒鳴ってて、兄が「そんなこと言うんだったらなー」とか言って、ちゃんとね、感謝祭に七面鳥を焼いてくれてるんですよね、妹が。
 それをポーリーがガッとつかんで、こんな七面鳥なんか食えるかーって窓の外にバーンって捨てちゃうんですよ。
 そしたら、エイドリアンがうわぁーって泣きだして、七面鳥の足をつかんでボーンと捨てた時に七面鳥の足だけが残っちゃって、七面鳥の胴体が全部消えて、ポーリーは立ったまま七面鳥の足をガンガン食って「泣くなー」って言って、エイドリアンはわーって泣いてて、ロッキーはどないしたらええねんって感じで、ものすごい気まずい雰囲気なんですよ。

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