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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「お化け屋敷の常識を覆したディズニーランドのホーンテッドマンション」

2018/06/18 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/06/18

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/06/10配信「ひとりでもふたりでも楽しめるディズニーランド後編~現在のジャパニメーションの源流はディズニーランドにある!」の内容をご紹介します。
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2018/06/10の内容一覧

お化け屋敷の常識を覆したホーンテッドマンション

 で、ジャングル・クルーズが終わって、「すごかったな、あれ。ただ単に船に乗って進んで、両側からロボットの動物が出てくるだけなのに、なんであんなにすごかったんだろう?」って思いながら、Eチケットで乗れる他のアトラクションを探していたんですよ。
 そしたら、ニューオリンズスクエアの近くに「ホーンテッドマンション」というのがあったんですね。これもEチケットのアトラクションだから、きっとすごいだろうと思って乗ることにしたんです。

 まあ、お化け屋敷だってことだけは、なんとなくわかるんですよ。だから、みんなでヘラヘラ笑いながら、そのお化け屋敷に行ったんです。
 そしたら、そこに並んでいる係員は、全員、黒いメイド服みたいなものを着ていて。まあ、それはそれでカッコいいんですけど。さっきまでのアトラクションとは、全然、雰囲気が違うんですよ。
 ジャングル・クルーズでは、ジャングル探検隊みたいな格好をした人が、「こちらですよっ!」とか、「すぐ乗車できまーす!」とか「あなたは○番に乗ってくださいっ!」というふうに、笑顔を絶やさないんですけど。ところが、ホーンテッドマンションでは、多数いる係員の誰も笑っていないんですよね。
 誰一人笑わずに、深刻な顔をして「こちらに入ってください……」とか、「このロープの位置まで来てください……」というふうに、うつ向き加減で静かに言うんですよ。
 で、相手が笑顔をまったく見せないものだから、こちら側のヘラヘラ顔も、段々と真顔になってくるんです。
 「ちょっと待て! お前ら、どこまで本気でエンターテイメントをやるんだ!?」って思って、ビックリしたんですよね。

 そのホーンテッドマンションというのは、やたらと作りが豪華なんですよ。
 普通、こういうお化け屋敷を作る時は、建物の外観からオドロオドロしく怖く作るものだと思うんですけども。アナハイムのディズニーランドのホーンテッドマンションはそうじゃないんです。「フランスコロニアル風」と言われる、バルコニーがデカくて柱が立っているタイプの、メチャクチャ豪華な洋館なんですよ。
 「その洋館の中に住んでいた家族が呪われてしまった」という設定なので、中は呪われてるんだけど、建物の外見だけはすごいんですよ。でも、そういう設定もまったく知らずに入ったから、外の建物を見たときには「やたら綺麗でカッコいい建物だな」って思ってたんですけど。

(中略)

 アトラクション自体も、まあ、すごくうまく出来ていて。もう体験した人もいっぱいいるでしょうから、いちいち細かく言いませんけども。
 屋敷の中に出てくるオバケたちが、一斉にセリフとか歌をガーッと言うんですね。何を言ってるのかは、正直よくわからないんですけども。「ハッハッハー!」とか「ダンダン、ダンダン、ダン~♪」とか、いろんなことを言ってたり、それぞれ違う歌を歌ってるオバケたちが、コーラス部分になると、フッと一斉にユニゾンになるんですね。
 その瞬間の世界のキュッというまとまり方がすごくて、「おいおい、これ、なんだよ?」って。これも、それまで考えていたお化け屋敷とは全然違ったんです。

 このアトラクションでは、前しか見えない車みたいな乗り物に乗せられるんですね。2人1組とか3人1組で、真正面しか見えない、周りが囲われている車に乗せられる。
 この車が、行く先々で360度回転して「今はこれを見てください」「ここではこれを見てください」というふうに、強制的に振り回されるんです。正面以外は塞がれているもんだから、横に何があるかは見えないんですよ。
 おまけに、耳元にあるスピーカーから、ストーリーが流れてくるんですけど、なんか「耳元で囁かれている感じ」なんですよ。これがうまい。

 この乗り物は「オムニムーバー」という仕掛けだそうです。
(パネルを見せる)
 オムニムーバーというのは、このディズニーランドで開発されて、確か「ミクロアドベンチャー」か何かで最初に使われたものなんですけど。これの使い勝手がいいということで、その後、ホーンテッドマンションに持って来られたんですね。
 こうやって、座席自体が回転するようになっているので、秒速60センチくらいで座席を移動させながら、左右好きな方を向かせることができるんですね。
 地下の世界に降りて行く時、このオムニムーバーが後ろ向きになって、後ろを向いたまま坂を下っていくんですけど、この時には何も見えないんです。真っ暗な天井が見えるだけ。囁くようなナレーションが聞こえる中で下がって行って、下までついたら、いきなり眼の前に、墓場から幽霊が甦った世界が、バーっと広がっている。
 この幽霊たちというのが、想像以上に騒がしいんですよ。なんかね、怖いだけじゃなくて、面白さとのブレンドが絶妙だったんですね。

 このホーンテッドマンションは、「一番最初に呪われた屋敷に入って行って、その後、エレベーターみたいなもので地下に連れて行かれて、死者の世界を車に乗って彷徨って、その後、帰ってくる」という構成になっているんですけども。
 なぜ、こんなふうになっているのかというと、「観客は、一度死んで、死後の世界を彷徨うんだけど、その後、脱出に成功して、生きて帰ってくる」というストーリーになっているからなんですよ。
 これ、実は「カリブの海賊」も同じなんです。「海賊がいた時代にタイムスリップしちゃったんだけども、無事に帰ってこれた」ということなので。
 つまり、基本的に「海賊を見せよう」と「かお化け屋敷を見せよう」というコンセプトじゃないんですよね。コンセプトが違うんです。
 僕、ここでの体験以降、何回も乗ってみて、やっとわかったんですけども、これらは「死後の世界や海賊のいる時代に迷い込んでしまう映画の主人公になったような体験をさせよう」という、新しい形式の映画なんですね。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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