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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「挑戦しないと死んでしまう!『レディ・プレイヤー1』スピルバーグ監督の抱える恐怖心とは?」

2018/05/16 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/05/16

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/04/29配信「GWはどの映画を見るべき?岡田斗司夫が見た映画をネタバレなしで大解説!」の内容をご紹介します。
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2018/04/29の内容一覧

ネタバレ無しの映画採点 『レディプレイヤー1』

 続いて、さっきの採点表では第3位になっちゃったんですけども、『レディ・プレイヤー1』ですね。
 おそらく、この映画を通じて、スピルバーグが戦って勝とうとした相手は「映画」じゃないんですよね。「ポケモンGO」なんですよ。
 これは、ポケモンGOを超えるために、スピルバーグが作った映画。「ポケモンGOに、映画というジャンル自体が負けてしまうかもしれない!」という恐怖心が作った映画だというふうに思ってください。

 スティーブン・スピルバーグという監督は、実は「自分自身には個性というのが特にないから、映画の歴史を変えるような表現を作り出し続けないと、消えてしまうんじゃないか」という恐怖心を持っている監督なんですね。

 最初は、低予算映画で才能を認められたんですけども。初のヒットは1975年の『ジョーズ』です。
 これは「動物パニックモノの元祖」といわれた作品なんですね。
 その2年後の1977年に『未知との遭遇』でメガヒットを飛ばして、1981年の『インディアナ・ジョーンズ』シリーズの第1作『レイダース 失われたアーク』、82年の『E・T』とメッチャ調子良かったんですよ。もう、これで、若くして映画の天才と言われたんですけども。
 でも、実は、82年に公開された『レイダース 失われたアーク』の後、10年間は大ヒットがなかったんですよ。
 なので、かなりパニック状態になっていたと思います。

 その間に、『インディアナ・ジョーンズ』の続編を2本、作りましたけども、とにかく評論家からはボロクソです。
 さらに、『カラー・パープル』でアカデミー賞を狙ったんですけども、評価は低いまま。
 他にも、『フック』という映画で、再びファンタジー路線の作品を作ったんですけど、この映画を褒めてるのは俺くらいなんですよね(笑)。
 なので、もう本当に、1990年代前半におけるスピルバーグは「もはや過去の人」という状態でした。

 しかし、1993年の『ジュラシック・パーク』で、まさかの大復活です。
 「世界で初めてCGによって描かれた生物を主役級に扱った映画」として、これがメガヒットですよ。この成功がなければ、おそらく『スター・ウォーズ』のプリクエルシリーズも、『アバター』もなかったはずです。
 さらには、そこから5年後の1998年に『プライベート・ライアン』。この作品では、完全にCGを使いこなして、もう「あの日のあの事件、歴史上の特定の場所に行ける」というくらいの精度で、過去に本当にあった世界を再現することに成功しました。

 けれども、過去の世界は再現できても「未来の世界」はそうもいかなかったんですね。
 2002年に『マイノリティ・リポート』という、完全CGで未来社会を見せるという映画を作ったんですけども、大ハズレだったんですよ。

(中略)

 スピルバーグって、「常に大ヒットしている監督」っていう印象があるんでけど、作品数が多いから大ヒット作品もあるだけで、実は、かなりハズレも多い人なんですよね。
 そして、さっきも言ったように、「新しい表現をしないと自分は生き残れない」と思っているので、『クリスタル・スカル』にしても、『タンタンの冒険』にしても『ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』にしても、すごく新しい試みをいっぱいやっているんですよ。
 だけど、全部、空振りだったんです。『インディアナ・ジョーンズ』は、4作目でもうダメだった。『タンタン』はシリーズ化できなかったんです。

(中略)

 実は、これ以外にも、『ジュラシック・パーク』シリーズの3とか、そういう作品では、自分がプロデューサーに回ることでシリーズ化してるんですね。すごく頭が良くて、映画を撮るのも早い人です。
 それ以外にも、シリーズ化できるエンタメ作品で人気を取って、例えば『ブリッジ・オブ・スパイ』のような、文芸的なものとか社会的なものを作るという、そういう気配りも忘れない人なんですね。

 特徴的なのは、「あくまでシリーズモノで稼いで、好きな作品を作れる下地を固めてから文芸に挑戦する」というところです。

(中略)

 ところが、この数年は迷走が続いていました。
 というのも、「新たなシリーズものを立ち上げたい」と思うんだけど、同時に「映画の表現として革命を起すようなものを作りたい」という思いがあるからなんですね。
 もっとぶっちゃけて、具体的に言っちゃえば「ジェームズ・キャメロンに負け通しだから、勝ちたい!」という思いがあるんだと思います。
 やっぱり、キャメロンの方が、打数に比してホームラン数が多いですから。スピルバーグって、なんか、やたらと自分から「はい! 代打、スピルバーグ出ます!」って出てくるんだけど、空振りも多いというような監督なんですよ。

 そういう目線で見るに、この『レディ・プレイヤー1』という作品は、実は、スピルバーグにとって、ここから先の2020年代すべてを食いつなぐシリーズモノとして作ったんだと思うんです。
 そのために、すごい準備をした上で臨んだ作品なんですね。
 『ジュラシック・パーク』というのは、「コンピュータグラフィックの力で、もういない生物とか、地球ではもう見られない光景を見せる」ということが目的だったんですけども。『レディ・プレイヤー1』では、スピルバーグに言わせれば「恐竜よりもすごい世界を見つけた!」と。
 かつて子供たちは学校の先生が言うことよりも恐竜図鑑に夢中になった。しかし、今や子供たちは、俺の映画よりも、ゲームやアニメに夢中になっている。このままでは、俺の映画というのは、本とかラジオと同じように、「廃れたメディア」になってしまう!
 きっと、スピルバーグにはそういった恐怖心があったんですよ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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