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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「なぜルパンはニセ札を捨てたのか?『カリオストロの城』最大の謎が解けた!」

2018/04/06 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/04/06

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2018/03/11配信「『ルパン三世 カリオストロの城』最後の解説(前編)」の内容をご紹介します。
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2018/03/11の内容一覧

「なぜルパンはニセ札を捨てたのか?」の謎が解けた

 「現実の世界に取り残されたルパンに一体何が出来るだろう? せいぜい少女の心を盗むくらいしか残されていない」という言葉を最初に紹介しましたね。
 これは、宮崎駿が『カリオストロの城』の公開から1年後に語った言葉です。

 実は『カリオストロの城』が公開された10年後の世界には、ルパンが盗みたいものとか、盗めるものが、もうなくなっちゃっているんですよ。もう本気で欲しいものがない。
 この時点でのルパンというのは、悪い言い方をすれば「老いてしまった」し、良い言い方をすれば「成長してしまった」んです。だから、若い頃みたいに掃除機で宝石を盗んだり、バカみたいに稼いで女を侍らして酒を飲んだりすることが、馬鹿らしくてできないんです。その結果、フィアットみたいなボロ車に乗って、相棒の次元と2人で貧乏旅行をしている。
 でも、たまに「自分の中には青春みたいなものが生きている」と信じたいからこそ、国営カジノに忍び込んで、大変危険な博打をやったりするわけです。だけど、そうやって盗み出したものですら、偽物だった。これを知った時のルパンのショック。
 「ルパンというのは、本物しか欲しくないような本物の人なのか?」というと、そうではないんです。コンテの中にも描いてある通り、真っ当な人がいてこそのルパン。つまり、ルパン自身が最も「偽物」なんですよ。
 ルパン自身が真っ当な社会、まともな社会の中にいる偽物だったからこそ「本物が欲しい」と思う。そうやって、カジノに忍び込んだらそこにあったのも偽物の金だった。こういった切なさが、『カリオストロの城』におけるルパン三世を動かしているんですね。
 偽物に我慢できなかったのはなぜかというと、ルパン自身が偽物だから。そして、そこで納得できなかったルパンは、かつての泥棒という行為に正当性とか正義、やりがいを感じていた頃の自分に戻りたくて、かつて忍び込んで失敗したカリオストロの城に行くわけです。

 ルパンがカリオストロの城に行くのは「昔の自分に決着をつけるため」とか、「ゴート札の秘密を探るため」とかいろいろ言われてるんですけど。そうじゃなくて「もう一度、青春を取り戻したい」というか、今で言うところの「自分探し」なんですよね。
 「あの頃のように、本気で泥棒ができる自分に戻りたい」と、相棒の次元を誘っての自分探し。だから、五ェ門は「そんなものに付き合いきれるか!」って最初の段階で降りちゃって、2人で旅することになっちゃうんですけども(笑)。
 もちろん、こういうことを言葉で説明したりはしてくれないんですよ。でも、唯一付いて来てくれた相棒である次元と2人で、「あの頃、10年前のように熱かった俺達に戻らないか?」という気持ちで、カリオストロの城という、今さら行ってもしょうがないような場所へ、ルパンは行くんです。
 もう一度、何かを本気で欲しいと思えた時代に戻りたくて、理由もわからずに旅立ってしまう。だから、『カリオストロの城』というのは青春探しの旅であり、ここでルパンの中途半端な青春はやっと終わるんです。

 物語の途中で、重症を負ったルパンは、熱かった時代、自分が本気になれた時代のことを語るんですけども。何がすごいかというと、「かつて出会った女の子のことを思い出せなかった」というところなんですね。

 このシーンです。ルパンは、10年前、カリオストロの城に忍び込むも、やられてしまって、「もう駄目かな」と思った時に、幼いクラリスに助けてもらった。水の入ったコップを手渡すクラリスの指には、ちゃんと指輪が描いてありますね。
 このルパンの回想シーンは綺麗なんですけど、台詞がすごいんです。「震える手で水を飲ませてくれたその子の指には、あの指輪が光っていた。恥ずかしい話さ。あの指輪を見るまですっかり忘れちまっていた」と、ルパンは語るんですよ。
 ルパンは、その女の子のことを覚えてなかったんですね。指輪しか覚えていなかった。つまり、その頃のルパンは「死にかけた自分を助けてくれた女の子」ではなく、「その女の子が身につけていた金目のもの」しか見えてなかったということなんですよ。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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