岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/01/24
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/01/07配信「宮崎駿は超科学をどう描いたか。『天空の城ラピュタ』をとことん語る!」の内容をご紹介します。
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2018/01/07の内容一覧
- 今夜は『天空の城ラピュタ』特集
- ジブリ年表
- 『ラピュタ』とは『カリオストロの城』である
- ラピュタ6つの魅力
- 『天空の城ラピュタ』の不思議なエロス
- 『ラピュタ』エロいシーン
- 宮崎駿作品に登場する女性のしたたかさ
- 矛盾した文明批判
- 『ラピュタ』のオープニング
- オープニング映像だけで状況を説明する
- 『ラピュタ』オープニング制作の舞台裏
- 押井守の『ラピュタ』批判
- 『ラピュタ』の本当のテーマ
- 映画で描かれていないキャラクターの秘密
- 宮崎駿の「アイデア成仏」
- パズーという人間のリアリティが圧巻。小説版『天空の城ラピュタ』
『天空の城ラピュタ』の不思議なエロス
では、最初は「天空の城ラピュタの不思議なエロス」という話から語っていこうと思います。
みなさん、「『ラピュタ』にエロいシーンなんか、あっただろうか?」って思ってるでしょうけど、実は、あるにはあるんです。
このシーン、覚えてますか?
(パネルを見せる)
これはドーラ一味の飛行船である「タイガーモス号」から切り離されたパズーとシータが乗った凧が、なんとかラピュタにたどり着いて、2人で「やったー!」と言って抱き合って、ゴロゴロと芝生を転がっているシーンです。
このシーンについて、『Cut』というオシャレ雑誌の本当に長いインタビューの中で、インタビュアーの人が、宮﨑駿に対して「私は『ラピュタ』の中で1シーンだけ、納得できない部分があります」というふうに言っている部分があるんです。
今日は、その引用部分を持ってきました。これです。
(パネルを見せる。以下、『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』より引用)
――実は僕は『ラピュタ』に不満が一つあって。主人公二人がラピュタに着いて、「ここはラピュタだ!」って喜ぶじゃないですか。で、そのときに紐でつながれてるわけですけど、二人で転げ回って、普通ならこれはキスするだろうっていうところまでいきますよね。顔を見合わせて抱き合って。
「いや、僕はそういうことはしなくても、十分あの映画はやってると思ってるからいいんです、もう(笑)」
――やってるって(笑)、なにをやってるんですか。
「だって、凧に乗ってるところでね――いや、そういうことを口に出して言うの辞めなさいって言われたことがあるんですけど――アニメーターが描いてきた絵を見たらね、揺れてる中でシータがパズーに後ろからかじりついてる場面なんですけど、かじりついてないんですよ。ちゃんとね、娘の胸の膨らみをこの少年は感じてるんだって、だから毅然としているんだって。そういうことを考えないで描いてるだろうって言ったら『あっ、そうっすね』って言うから(笑)、『そう思い込んで描け』って言ったら、一生懸命描いてましたけど」
――そんなエロティックな映画なんですか、あれは。
「いや、僕はそういう箇所をわざと忍び込ませたいんじゃなくて、やっぱりそういう気分を持ってなければ映画って描けないはずですから。やっぱりファッションとして描くとね、『宇宙戦艦ヤマト』のように、抱き合ってるんだけど、2人ともこっち向いてカメラ目線になって、お互いに顔を背けてんのかなって言うようなね(笑)」
はい、というように、何かを説明するときには、必ず他所の作品の悪口を言いながらするのが宮﨑駿なんですけども(笑)。
このシーンについて、インタビュアーの人は、「なぜ、ここで2人はキスをしないんですか?」と宮﨑駿に聞ききました。すると、宮﨑駿は、「そんなこと、いちいち描かなくても、ちゃんとこの映画の中では表現してる」というふうに答えるんです。「やってることはやってます」というふうに。
じゃあ、それは何かというと。パズーとシータが、海賊ドーラの飛行船であるタイガーモス号に取り付けられているハンググライダーみたいな観測用の凧に2人で乗って、空に上がった時、突風が吹いて、グワーンと吹き飛ばされるんですよ。この時、怯えたシータは、パズーに強く抱きついている。それを受けて、パズーが彼女を安心させるように振り返るんですけど。
アニメーターから上がってきた、振り返った時の絵のパズーの表情が弱かったそうなんですね。で、宮﨑駿は、さっそくそのカットを担当したアニメーターを呼んで、説教します。
「お前、わかってるのかっ!? 仮に、お前の後ろから、大好きな女の子が怖がりながら小さいおっぱいをくっつけて来ているとして、その膨らみを背中に感じているという時に、お前はこんな顔をするのかっ!?」「違います!」「じゃあ、それを意識して描き直せっ!」ということで、このカットは完成したそうです(笑)。
これ、どういうことかというと、男というのは、女の子に頼りにされているということを「肉体的に」感じるからこそ、頼り甲斐というものを発揮できるのであり、それを描くのがアニメなんだと言っているわけです。
つまり、宮﨑駿っていうのは、エロいんですよ。ただ、そのエロさというのは、僕らが知っているような「安直なエロさ」ではないんです。
これは、宮﨑駿を語る際に、最初に言っておかなきゃいけなかったことなんですけど、宮﨑駿というのは、安直なことを何よりも嫌う人なんです。
僕、この1週間くらい、延々と宮﨑駿関係の過去のインタビューを読んできた中で発見したんですけども、宮﨑駿には「そんなのは手塚治虫だ!」というのキメ台詞があるんですね。
これはもう、手塚治虫を仮想敵と定めていた宮﨑駿だから出て来る台詞なんですけども。誰かに「そこの展開はこうしないんですか?」というふうに言われたら、すかさず「そんなのは手塚治虫が考えそうなことだから、やらないっ!」というふうに答えるんですよ。
いや、別に、手塚治虫もそんなこと考えないんですけどね(笑)。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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