岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/12/10
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/11/12配信「『シン・ゴジラ』のオンエアを見ながら解説します!」の内容をご紹介します。
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2017/11/12の内容一覧
- 前説・放送開始まで
- キンコン西野との本どうなった?
- コモドールPET2001
- 『おそ松さん』見たよ
- 『シン・ゴジラ』スタート
- 蒲田に上陸
- 俳優が嫌がるカット割り
- ゴジラの変形
- アニメの構図 左右対称構図
- 巨大不明生物特設災害対策本部の設立からゴジラの命名まで
- 石原さとみの演技
- ゴジラの正体から自衛隊の敗北まで
- 庵野作品はエリート主義
- レンズの選び方
- 本物の自衛隊による総力戦
- 冷房付き格納庫の話
- 邦画がこれから向かうべき方向
- 下向いて口を開けるのがすごい
- 首相の交代は必要だったのか?
- 休憩
- 巨災対再集結から米大統領からの核使用宣告まで
- 映画の盛り下がりを作る
- この映画で一番頭のいいやつ
- 謎の解明と人間関係の解決シーンが弱い
- テレビでは言えないセリフ
- 『エヴァ』の人間否定から、『シン・ゴジラ』の人間賛歌へ
- カメラマンの腕
- まとめ
- 『空手バカ一代』を語るよ
石原さとみの演技
(0:35:58 カヨコ・アン・パタースン米国大統領特使の初登場シーン~)
出た! 石原さとみ!
ここでの石原さとみは「日本的な演技で、英語喋り」なんだよ。
つまり、こういうことを、アメリカ人の若い女の補佐官が喋るんだったら、ナメられないために、あえて感情を動かさないように単調に喋るはずなんだけど。ここでは、日本のドラマ的な感情を込めた演技になってしまっている。でも、喋っているセリフは、英語らしい、論理的で余計なことを言わない決め付け口調。
だから、チグハグに見えるんだよ。どちらかに統一すればいいのに。これは完全に演出ミスだと思うな。もうちょっと演技指導をやれよ!(笑)
この「ZARAはどこ?」っていうのも、わざわざキメゼリフにしなくてもよかったよね。
まあ、でも、「ああいうキャラクターを出す」と決めた以上、ここら辺は言ってもしょうがないな。というよりも、「ああいうキャラクターがお好みなんだったら、こういう出し方しかない」でしょう(笑)。
つまり、「石原さとみはミスキャスト」じゃなくて、正しくは「庵野秀明の女の趣味が悪い」って言うべきなんだよ、この場合は。みんな、石原さとみを責めるのはやめて、庵野の女の趣味を笑え!(笑)
次のシーンでも、会議室のソファーを手前に来るくらいにロングに引いた画面から、人物のアップ、ロングとアップを交互に繰り返している。
このアップも、全部イレギュラーな構図。こんな構図にする意味は、実は、特にないんだ。本当は、俳優さんの顔にもっと寄ってもいいんだけど、それよりは画面を飽きさせないために、切り換えを多用している。
だって、このシーンで、こんなに真横からライトを当てる必要はないんだよ。こんなの、フラットライトでいいはずなのにね。
とにかく画面を飽きさせないための工夫がすごい。
(0:38:21 矢口とパタースンの情報交換のシーン~)
ということで、謎解きのパートだよな。
ここら辺の一連は、ストーリー的には重要なんだけど、ドラマ的には実はあんまり重要ではない。ここら辺、どうでもいいな。後ろの方に立ってる、ハゲのメガネも、どうでもいい。
「印刷は特殊インク。「カピィ(copy)」は不可能よ」だって。フフ、ダサい(笑)。
よくわかんねえな、ここら辺。
「よくわかんねえ」っていうのは、映画的には必要なんだろうけども、さっきまでのすごいテンポのいいポリティカルフィクション(政治活劇)に比べて、なんか、すごくダルくなっちゃってるんだよな。
(中略)
(0:39:54 東京都千代田区 国会前庭のシーン~)
あ、俺が思う「典型的な要らないシーン」だ(笑)。
こういう2人が並んでこういう会話をするっていうシーンは、ハリウッド映画によくある、「ホワイトハウスを前にしての雑談」とかと同じやつで、ストーリーを進めるためには、なければしょうがないんだろうけどね。
ああ、この皆で資料を覗き込むシーンも、本当に人間の圧迫感がいいよね。博士が一人だけ横を向いているのも、見せ方としていい。
そして、石原さとみの横顔が入ってくる。
シーンが変わって、石原さとみがガーッと喋り出しながら、どんどん紙を投げる。この、紙をヒュッと投げる動きは気持がいいな。単なる打合せのシーンで動きを出すための方法としては、めちゃくちゃいいよな。
「私にも説明がつかない」って言う時のジェスチャーも面白いんだよな。……いや、面白くちゃいけないと思うんだけどね(笑)。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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