岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/11/15
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/10/29配信「『ブレラン2049』『キングスマン』などこの秋の映画11本を一挙紹介!!」の内容をご紹介します。
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2017/10/29の内容一覧
- 宮崎駿の新作『君たちはどう生きるか』
- 映画産業は終わり、センターはドラマへ
- 『ブレードランナー2049』は面白くない?
- 映画マスコミが信用できないことがわかった『アトミックブロンド』
- 『アナベル 死霊人形の誕生』
- ホラーはアメリカの建国神話
- CIAがどんなにダメダメかよくわかる『バリーシール/アメリカをはめた男』
- 捨てられない本『Banana fish another story』
- 低予算ながらリアリティの作り方がうまい『セブン・シスターズ』
- ホラー・コメディの傑作『ザ・ベビーシッター』
- 『キングスマン ゴールデン・サークル』と『スイス・アーミーマン』
- AKB48のCD不法投棄問題
- パルプ雑誌を解説した『The Art of the PULPS』と『IT'S A MAN'S WORLD』
- いじめっ子の親が刑務所行になる条例
AKB48のCD不法投棄問題
じゃあ、次は 「AKBのCD不当投棄問題」というのをちょっと話してみようかな。
『ワイドナショー』っていう、日曜の朝やっているワイドショーがあるんだけども。その中で、AKBの指原が、福岡の山中に不当投棄されたCDに関して話してたんだよね。
もともと、「福岡の山の中でAKBのCD600枚くらいが不法投棄されていた」という事件があったんだ。結果、犯人と見られる32歳の男性が書類送検されて、それが報道された。
なんで、書類送検までされたのかというと、山に不法に投棄したからなんだけど。これについて、「CDは燃えるゴミとして出せるということを知らなかった」なのか、もしくは「ゴミとして捨てるのがツラかったから、山の中に置いてきちゃった」のか、どっちかはわからないよね。
指原は、それに対して「正直、すごくショックです。握手権がついているとはいえ、曲を届けたいという気持ちがあります。私達の中でもちゃんと考えていかないといけない」というふうにコメントをしていて。
松本人志は「こうした問題の再発防止のためには、『CDを不法投棄してはいけないよ』みたいな曲を作ったら?」みたいなことを返して、ちょっとした笑いに持って行ってたんだけど。
でも、このニュースに対するネットのコメントがめちゃくちゃ厳しかったんだよね。
「握手権は握手権だけで売れ!」とか、「指原はそういうことを知っているくせによく言うわ!」とか、「曲を届けたい思いがあるって言うんだったら、1枚だけあればいいじゃん。運営のやり方にお前が文句を言えよ!」とか。あと「1人1枚購入限定とかにすればいいだけだろ?」とか、「選挙1位ということは、世界で1番CDのゴミを出している指原が言えることか?」とか、「握手券に曲のダウンロードコードとかをつけて売れ!」とか、「こういう時だけは、いつもみたいな「裏のことをわかってますアピール」じゃなくて、綺麗事を言うんだな」とか。もう、本当に厳しい意見。
そのニュースに付いたコメントを見てたら、「うわあ……」ってくらい厳しいこと書いあったんだ。
このニュースについて、俺が面白いと思ったかというと……面白がるっていうのもね、なんなんだけども。でも、こういうコメントみたいなことは、誰でも言えるわけじゃん?
何が面白いかというと、「アイドル」っていうのは、そもそも何かって、「スターから成り果てたもの」だと思うってところなんだ。
かつてはアイドルというものは存在しなくて、「スター」がいたんだよ。だけど、こういうスターという人たちがいなくなって、偶像・象徴になった結果、アイドルになっちゃったんだよな。
これと似たようなものとして、俺が知っているのは「天皇陛下」っていう存在なんだ。
天皇とアイドルって、同じく象徴という意味を持っている。天皇は、かつては象徴じゃなくて、実権を持った、神であり、無敵の軍人だったんだ。知ってる? 無敵の軍人だったんだよ。あと、万能の支配者でもあったんだ。
アイドルは、かつてはスターと呼ばれてて、同じく、神であって、天才だったんだよね。大衆の心の理解者だったんだよ。だから、スターが歌う曲っていうのは、心に響くわけだよな。
天皇は、第2次大戦の後、神でなくなって、代わりに「国民の象徴」という不思議な立ち位置になったんだけども。その象徴というのは何なのかっていうのが、日本人にとって、なかなかよくわからないままだった。ただ、「どう扱ったらいいのか?」だけは、なんとなくわかっている。なので、天皇について報道されている時には、1つ1つの行動に対して「ありがたい」って言うことになっている。
そして、象徴となったことで、戦前までの神としての天皇は絶対にやらなかった「被災地に行く」とか、「儀式をちゃんと行う」ということをやるようになってきた。徐々に徐々に、日本人と天皇の関係が出来てきたわけだ。
スターについては、たぶん、おニャン子クラブあたりからアイドルになったんだろうけど。
僕がこのアイドルという言葉の意味についてはっきり捉えだしたのは、AKBとスマップからなんだよ。この両者ともに、「アイドルとは何か?」を語る上で絶好の存在になっているんだよね。
なので、この天皇とAKBとスマップとを同じフレームで考えると、「象徴とは何か?」っていう在処が見えてくる。
例えば、俺らは安倍政権に対する文句を天皇には言わないよね。天皇の「これから、日本国民は立ち上がって欲しい」とか、「健やかに生きてほしい」みたいな発言に対して、「んなもん、安倍の政治を許しておきながら綺麗事を言うなよ!」なんて、俺達、絶対に言わないじゃん?
それはなぜかというと、天皇の持つ象徴性について、僕らは正しいフレームで捉えているから。「それは天皇に言っても仕方ねえだろう」というふうに思うからだ。
ところが、俺達はアイドルに関しては、運営側の文句を言うんだよな(笑)。
それはなぜかというと、アイドルという存在が、象徴として、ぴったりはまっていないからだ。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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