岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/10/30
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/10/22配信「2049公開記念!『ブレードランナー』は、35年前の『シン・ゴジラ』だった?!」の内容をご紹介します。
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2017/10/22の内容一覧
- 本日のお品書き 岡田斗司夫名言集
- 書評と映画評は違う
- 『ブレードランナー』あるある
- 24歳の岡田斗司夫と『ブレードランナー』の出会い
- ブレードランナー「映画化の始まり」
- 原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』あらすじ
- 『アルジャーノンに花束を』の映画化権
- ハンプトン・ファンチャーとは何者か
- 電気羊から離れていった『ブレードランナー』
- ファンチャー版のラストシーン
- 蚊帳の外に置かれていた原作者フィリップ・K・ディック
- 【捨ておもちゃ】『ブレードランナー』のスピナー
- シド・ミードによって完成したビジュアルイメージ
- 最初の主演候補は、ダスティン・ホフマン
- 「レイヤリング多重層表現」で未来の世界を作った
- ハリソン・フォード以外演技できない問題
- 役者の演技に期待しなかった黒澤明
- なぜロイ・バッティはデッカードを助けたのか?
- デッカードはレプリカントだったのか?
- 本当のエンディングは?
- 最初は売れなかった『ブレードランナー』
- フィリップ・K・ディックとの和解
- リドリー・スコットのやりたかったこと
- オタクは二次元嫁の夢を見るか?
電気羊から離れていった『ブレードランナー』
80年の4月から、リドリー・スコットとファンチャーは、共同で脚本を書き始めます。結局、12月まで、8か月かけてやりました。
ここで、映画全体の世界観は、リドリー・スコットがダン・オバノンから教えてもらった『ヘビーメタル』というバンドデシネ雑誌のイメージで行こうということに決まります。
ところが、リドリー・スコットは、監督になってから、ガンガン、手を加えはじめます。
リドリー・スコットは、「とりあえず、警官の下請けとか、警官というのは、あまりにもありきたりな設定だ。もっと格好いい職業はないか?」ということで、別の言葉を探します。……まあ、これも、『ブレードランナー』について書いているどの本にも載ってる話なんですけど。
そこで、ウィリアム・バロウズの『ブレードランナー』という小説のタイトルを気に入って、ここから「ブレードランナー」を取ることに決めるんですけども。調べてみたら、他にも『ブレードランナー』というタイトルの本があったんですね。アラン・E・ナースという人が書いているSF小説なんですけども。もう一冊の『ブレードランナー』という名の本は、どの雑誌でも紹介されてないんですよね(笑)。
(パネルを見せる。ウィリアム・バロウズ、アラン・E・ナース、それぞれの『ブレードランナー』の表紙の画像)
ウィリアム・バロウズの本の表紙はそこそこ格好いいんですけど。アラン・E・ナースの方は……(笑)。
このアラン・E・ナースの小説っていうのも、実はすごい変な話で。これね未来の医者の話なんですね。未来では医者が少なくなってきて、医者を患者のもとへ運送する役が必要になった。「医者を運ぶ時に、同時に手術道具のメス、ブレード、刃も運ばなければいけない」ということでブレードランナーと呼ばれるという話なんですけど。まあ、そんな小説があったんですよ。すごい表紙ですよね。
この両方から、タイトルの権利を、それぞれ5000ドル、今のお金に換算すると50万円、当時のハリウッドでいうと100万円くらいの金額で買って、クリアしました。
ここまでの流れをまとめると。
まず、原作のタイトルは、もともと『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』だったんですよ。
でも、これを映画化しようと考えた当初のファンチャーは、これをこのまま使うのは長すぎるから、次に『アンドロイド(仮)』というタイトルにしてたんですね。
だけど、このタイトルでは、出資者からの評判がよくない。なにより、「アンドロイド」って言うと、みんな機械で出来たロボットみたいなのを考えてしまう。なので、さらにその次の案として、『デンジャラスデイズ(仮)』にしたんですよ。
で、そこからさらに、バロウズの小説から取った『ブレードランナー』というタイトルになったんですけど。
この、ブレードランナーというタイトルについても、リドリー・スコットはまだ気に入らなくて、途中で、「『ゴッサムシティ』という名前にしたい」と言い出すんですね。『バットマン』シリーズの舞台である、犯罪の巣窟・ゴッサムシティですね。
だけど、バットマンシリーズの原作者のボブ・ケインから、「絶対にこの名前は貸さない。ゴッサムシティというのはバッド・マンのものだ!」というふうに断わられた。
なので、リドリー・スコットは、しぶしぶブレードランナーに戻したんですけど。
でも、当時のインタビューでは、リドリー・スコットは、「俺はまだ諦めていない。ゴッサムシティというタイトルにできるかもしれない。とにかく、ブレードランナーというタイトルは、あんまり気に入ってない」って言ってて、変える気満々だったんですよね(笑)。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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