岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/08/09
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/07/23配信「夏休みオタク講義・今期お勧めアニメ紹介と、『カーズ3』、『ブレイキングバッド』の面白がり方」の内容をご紹介します。
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2017/07/23の内容一覧
- 最近の岡田斗司夫ゼミは知能指数が高い?
- 展開の速さが面白い『ナイツ&マジック』
- ハイファンタジー『メイドインアビス』に注目
- レースシーンがすごい『カーズ/クロスロード』(『カーズ3』)
- ジョン・ラセターの偉大さが、ピクサーをジブリ化する?
- 『HUNTER×HUNTER』、クラピカを主役にすると知能指数が高くなりすぎる!
- 都築響一『捨てられないTシャツ』にインスパイアされて、ハロークトゥルーのTシャツを語る
- 1974年の『宇宙戦艦ヤマト』が岡田斗司夫の人生を方向付けた
- ボストン世界SF大会の衝撃
- ニコ生が下り坂になるとしたら、どんな対策をすればいい?
- 海外のオタクに向けて、英語でニコ生にチャレンジ!
- ゴミ箱の都市伝説
- 月着陸が嘘だったという都市伝説
- 『ブレイキング・バッド』が描く、アメリカ人にとっての男らしさ
- 『ブレイキング・バッド』のスピンオフ『ベター・コール・ソール』
ゴミ箱の都市伝説
この間、テレビでやってた番組をネットの配信で見たんだけども、「外国人が日本に来て困る原因ナンバーワンは、ゴミ箱がないこと!」というのをやっていたんだ。
確かに、海外には街角にゴミ箱があって、本当にゴミをどこにでも捨てられるんだけど、日本にはゴミ箱がない。「これはなんでだ!?」って怒ってたんだよ。
その理由として番組の方で説明していたのが、「オウムサリン事件というのがあったから」ってことなんだよね。オウムサリン事件で日本中の駅のゴミ箱というのが封鎖され、後に撤去された。結果的に、それまでは公園とか街角のどこにでもあったゴミ箱というのが、もう今、日本ではほとんどなくなったと。
まあ、実際は、東京と大阪にはほとんどないだけで、地方都市に行けばまだまだ公共のゴミ箱というのはあるんだけども。こと東京とか大阪という大都市圏に限れば、公園なんかでも、花見の季節以外ではゴミ箱というのがほとんどなくなってしまった。
「これはオウムサリン事件というテロの影響だ!」というふうにその番組の中でも説明していたんだけども。
でも、実際は違うんだよね。実は、オウムサリン事件が起こる随分前から「家庭ゴミの問題」というのが言われていたんだ。家庭ゴミを、ゴミを捨てる日じゃなくて、公園とか駅のゴミ箱に捨てる人がすごく多かったんだよ。
俺が覚えている限り、オウムサリン事件の少し前から「よくある風景」として、奥さんが会社に行く旦那さんに「これ捨てておいて」ってコンビニ袋1つ分の小さいゴミ袋を渡すというのがよくあったんだ。これ、何かというと、ギリギリ外でカバンの中から出したとしても自然に捨てれるサイズなんだよね。
まあ、良くないことなんだけども、当時はこうやってサラリーマンが駅のゴミ箱にポイと捨てるというのがやたら多かったんだ。
じゃあ、なぜそういうことになってしまったのかというと、さらにその前に「ゴミ袋の有料化」というのが起こってしまったから。
それまで、ゴミというのは、街の角にあったゴミ箱に直接みんなが捨てていた。バラバラな状態でね。
その次の段階として「ゴミは袋に入れるようにしましょう」ということで、黒いゴミ袋というのが売られたんだよ。この黒い袋は安かったからみんな買ったんだよね。黒い袋だったら入っているものが見えないし、恥ずかしくないじゃん。
ところが、それから「ゴミは分別するように!」となってきて、燃えるゴミと燃えないゴミ、プラスチックのゴミと資源ゴミ、ガラスのような割れるゴミというふうに分けるようになった。その場合、黒いゴミ袋だと中身が見えないから、市民がきちんと分別してくれない。
さらに「もっと環境に優しくするために、燃えやすいゴミ袋ということで、今僕らが使っているような半透明のポリ袋が売られるようになった。その結果、ゴミを捨てることが有料化されてしまったんだよね。
ゴミを捨てることが有料化されてしまった後、半分くらいの市民は、大人しく40Lとか30Lとか20Lとか生活に応じたサイズの、黄色とか緑とか赤とかの自治体ごとにいろんな色がついてるゴミ袋を買って、ちゃんと捨てるんだけども。残り半分の人は「なんでゴミが有料なんだ!」と言うようになったわけだ。
こういうネット放送みたいなのをやってても、無料放送と有料放送の部分で必ず揉めるじゃん? 「なんで有料なんだよ!」とか、「金を払ってたまるか!」って言うような、いわゆる「無料厨」みたいな人たちと同じようなのが市民の中にも必ずあらわれるんだ。
本当に、いまだにいるんだよね、ゴミ袋を買わないヤツっていうのが。そいつらはコンビニの袋にゴミを入れて、コンビニのゴミ箱に捨てるんだよ。
だから、以前までコンビニのゴミ箱というのは店の外にあったんだけど、最近は店内に置くようになってきて、さらに最近では、そのゴミ箱自体が、もう本当に郵便ポストの入り口くらい小さいスロットからしかゴミが捨てられないようになっている。つまり、パンパンに膨れた家庭ごみの袋が入らないようになってるんだけど。それでもなお「サラリーマンのおじさんとかおばさんが、ギューっと押し込んでいるのをコンビニの店員が嫌そうに見ている」という光景をよく見るんだけども(笑)。
つまり、実はこれ、「本来は無料で集めていたゴミを、「専用のゴミ袋」という形で有料化しちゃった」という、行政上の失敗が原因なんだよね。
なぜ、こんなにも多くの市民が無理矢理ゴミを無料で捨てるということにこだわっちゃうのかというと、行政がゴミの集め方を変えることに対して、強引に進めてしまったから。1つ1つステップを積んでいけば、こんなに揉めなかったと思うんだけども。
結局、真面目な普通の人は、ちゃんとコンビニで専用のゴミ袋を買って、正しいゴミの日に出す。不真面目な人は、ゴミ袋を買うんだけども、別の日に出すとか、もしくは曜日関係なく出す。で、もっと不真面目な人は、そんな専用の袋とかを買わずにコンビニのゴミ箱に捨てる。さらに不真面目な人は、ゴミ箱にすら出さずに、適当な場所に捨て始める。
こんなことになってしまったので、実は、テロ事件の騒ぎの後も、駅や公園のゴミ箱は、そのまんま再開されないようになっただけなんだよね。
実は、この「なぜ日本の街角にはゴミ箱がないのか?」というのは、テロ事件を言い訳にして行政上の明らかな失敗というのを取り繕っているのがわかる珍しい案件だと思うんだけども。陰謀論を語る人の中にこういう話をする人がいないのは淋しいなと、。
これは完全に、行政の失敗を取り繕うためのものだと俺は思っているんだけどね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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