岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/04/09
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/04/02配信「氷川竜介と語り倒すアニメ界の行く末」の内容をご紹介します。
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2017/04/02の内容一覧
- オープニング
- 土井先生の提案に咽び泣く主婦たち
- 海を舞台にしたナウシカ?『モアナと伝説の海』
- 宇宙のタイタニック『パッセンジャー』
- 『けものフレンズ』は御心に沿ったアニメ?
- 氷川さんは文章がスゴイ!
- プログラミングのように書く。氷川竜介さんの文章術とは?
- 評論家と研究家の違いとは?
- アニメーターの生活を観客が心配しなくてもいい
- アニメも「一汁一菜でいい」?
- 「信念の人」池田憲章さんの語る妄想話が面白い
- 『シン・ゴジラ』は「アニメ」である
- CGで映画を作ると安くなる?高くなる?
- これからのアニメビジネスは儲かる?
- 中学生や高校生が「アニメの仕事に就きたい」と言ったらどうする?
- 海賊版のアニメを見ている奴らは罪悪感を覚えている
- 広告業界や放送業界が新しいパラダイムに適応できていない今こそチャンス
- 従来よりも少ない制作スタッフで成功した『けものフレンズ』、『君の名は。』
- 「ジョージ・ルーカス型」を目指す庵野秀明
- 研究家や評論家は、殺人事件を心待ちにしている探偵と同じ
- オタクの心は、いつも14歳か80歳
- アニメファン、特撮ファンの理想的な老後
- 50年先に何を残すべきか? 残さなくてもいいのか?
- 何気ないシーンに見える富野由悠季 演出の見事さ
- どうしてアニメの評論家が必要なのか?
- 氷川竜介が注目する、今年来年公開の作品
- 実写版『攻殻機動隊』はどうだった?
- 3DCGから意外性が生じるかもしれない
- 宮崎駿の新作長編への期待
- 氷川竜介さんのこれからの活動について
- CGと特撮についての超濃い話
アニメも「一汁一菜でいい」?
氷川:さっきの土井さんの話を聞いてドキッとしたんだけど、「一汁一菜でいい」というのは、アニメにも言えることですよね。
岡田:「アニメは面白くなくていい」みたいなものですか?
氷川:「面白い」っていう定義自体が曖昧なのに、「今、全員が見てるから、この作品は面白いに違いない」っていう強迫観念みたいなものに、結構みんな支配されているんじゃないかなって思いながら、横で聞いてました。
岡田:つまり「流行っているアニメだから面白いに違いない」みたいな?
氷川:そうそう。だってせっかくこんなにいっぱいタイトルがあるんだから、自分だけの面白さを見つけるように、もう少し能動的に楽しんだ方が、作り手の人も喜んでくれるだろうし。
もちろん、すぐに金銭には還元しない話だから、ちょっと話がズレてるかもしれないけど。彼らが本当に望んでいるのは、そっちなので。
岡田:アニメがこんなにたくさんいっぱいあるんだから、「あ!こんな面白いアニメもあるんだ!」の方に行けばいいのに、なぜか「こんなアニメがあるのに、お前はその面白さがわからないのか!?」の方にいっちゃう。
氷川:「今季はこれだ!」っていうのが、前から気になっていて。
岡田:『おそ松さん』、『ユーリ!!!』、『けものフレンズ』の流れですね。メジャーセンターラインの流れが出来上がっていて、ここから外れたら「お前はこれがわかんないのか」っていうようなことになる。
……みんな、そうやって学校で散々いじめられてきただろうに、なぜお前らはこの構造を再び作り出すんだっていう(笑)。
氷川:そういうのがコミュニケーションツールとして楽しいのもわかるから否定するわけでもないんだけど。
でも、もう本当に、お金のことよりも、そういうふうに「俺だけがこの面白さがわかる!」っていうことをちゃんと言語化して、大勢の人に伝えるっていうことをやればいいのに。みんなでそれをやれば、さっきの熱量が上がるという話じゃないですけど、業界全体の熱量も上がる。そうすれば、全体のフィーも上がって、クリエイターの平均収入も上がる。
お金っていうのはあくまでも価値のトレードの結果に過ぎないじゃないですか。先にお金の話をするからおかしくなっちゃうんですよ。
僕がやっているような仕事がなぜあるかっていったら、さっき言ったようにステマだと思われてもいいから、少しでも「本当はこういう面白さがある」ということを言語化して伝えるためですよ。
例えば、映画のパンフレットはそうなんだけど、良い映画やアニメを見終わった後の感動って、感情がワーッと渦巻いて、なかなか言葉にならないじゃないですか。それを思考の方に整理してやったその後で、「もう1回見てみたいな」と思わせることがパンフレットの文章の使命だと思ってるので。それを読んだところで、90%の人は見に行かないかもしれないけど、中には2回3回と見に行く人もいるかもしれないじゃないですか。
一人一人がいろんな作品を見て、それぞれの温度をもっと高めていって、いわゆる「アニメファン」って括るんじゃなくて、もっと外から人をいれていけば、全体のパイがデカくなる。それが、アニメーターさんたちにお金をいっぱい届けるための健全な方法なんじゃないかと思うんですけどね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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