岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/04/10
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/03/19配信「萌えキャラは正しい宣言、湯浅の新作デビルマン、西洋哲学と東洋哲学」の内容をご紹介します。
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2017/03/19の内容一覧
- オープニング
- ラーメン二郎のツイート騒動
- 『シン・ゴジラ』、海外で大コケ
- 庵野秀明は宮崎駿でなく押井守の弟子
- 湯浅監督の新作『デビルマン』
- 萌えキャラは正しい宣言
- 「あの戦争を忘れてはいけない」プレッシャー
- 哲学ってなんだろう?
- 西洋編 第1ラウンド「真理とは何か?」
- デカルト、カント、ヘーゲル―――西洋哲学の黄金時代
- 西洋哲学はオワコン
- スーパー超人ソクラテスの弟子プラトン
- 1冊の哲学書が国をひっくり返した
- アダム・スミスの「神の見えざる手」からマルクスの「共産主義」まで
- 東洋哲学と西洋哲学は何が違う?
- ブッダが教団を作るなと言った理由
- なぜ哲学が必要なのか?
なぜ哲学が必要なのか?
例えていえば、西洋哲学は「ピラミッド」なんですよ。「下から精緻なものを積み上げていって、いずれ天の世界に届くだろう」というような巨大なロジックを積み上げるというもの。これはこれで美しいんですけど。それに対して、東洋哲学っていうのは、僕が思うに「波」なんですね。
(中略)
仏教が生まれたその当時の古代インドでは、仏教は大ブームだったんですね。それから、インドで生まれたこの波は、バーンと中国へ向かって流れていく。そうすると次は、中国が仏教の中心になるんですよ。じゃあ、その時、発生元のインドではどうなっていたのかっていうと、じつは、インドでの仏教はバラバラになって、ヒンズー教とか他の色んな宗教に押されて、この巨大な教えっていうのは廃れていくんですね。波だから。ドイツ哲学とかフランス哲学みたいな「本場」があるのではなくて、波が通り過ぎるだけなんですよ。
(中略)
これが東洋哲学の考え方です。僕の話を聞いた瞬間に、自分の中で「あ!」が生まれたら、この波のてっぺんに乗れるし、わからなかったら「まだ自分には波が来ていないんだな」ということになる。東洋哲学というのは、徹底的に「自分がわかる」を中心にしているので、自分が波の最先端だと考えないといけない。
これが西洋哲学との違いですね。「デリダがどういった」っていうのをひたすら学んでいく。ピラミッドの底辺から始まって、勉強することでその山を登っていくのが西洋哲学なんですけど。東洋哲学っていうのは、ある日急に自分のところに波が来て、その波に乗っちゃって上にあがったら、「悟りました」で、乗れなければ、「ああそこまでか」なんですよね。
東洋哲学は波のようなものだから、その途上にあった中国でも、一旦は流行ったんだけど、あっという間に儒教とかの次の波にのまれて、仏教というのは消えてしまうんですね。それが日本に渡って、一応、今夜ここにきたんですけども。
また面倒くさいことに、「悟った人と悟ってない人を見分けることは不可能だ」と、いろんな東洋哲学者は言ってるんですよね。悟った人は、どういう人かっていうと、「落ち着いているよ」とか、「楽しそうだよ」とか、「普通にしてるよ」というふうに描いているだけで、まったく見分けることができない。
そもそも、学ぶ必要すらない。「東洋哲学書を読む」ということ自体が、実は西洋哲学書を読む以上に無意味なんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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