岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/04/17
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2016/11/20配信「『この世界の片隅に』誰もが評論を諦める高難易度作品を語るよ!!宮﨑駿あなたが川上量生にそれを言っちゃいます?」の内容をご紹介します。
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2016/11/20の内容一覧
- 本日のお品書き
- 泣いちゃダメな映画『この世界の片隅に』
- 『魔女宅』を下ろされた片渕須直
- キャラクターを信じさせる描写①綿密な取材
- キャラクターを信じさせる描写②仮現運動
- キャラクターを信じさせる描写③声優のん
- これから見る人へ「泣くな!」
- 宮崎駿・ドワンゴ川上論争
- プロセスが間違っていても宮崎駿はおもしろい映画を作ればいい
- 呪いの岡田斗司夫ゼミ 2015/11/21日号
- 歴史の影の美少女たちⅡ
- 突入記者ネリーと美人文芸記者エリザベスの競争
- 「小泉八雲誕生の理由」と告知
- ネリーとエリザベスのその後
- 解説『この世界の片隅に』(ネタバレあり)
- 「バケモノ」「お兄ちゃん」という理不尽さが象徴するもの
- 「祀る」と高畑・宮崎へのアンサー
- なぜ映画の評論は必要なのか
- すずは右手を失って日常を取り返した
- 宮崎駿・ドワンゴ川上論争第2部
- ジョン・ヘンリー伝説と宮﨑駿の「理不尽な怒り」
- 島田紳助の語る「才能と努力」
- 「誰かが作ったすごいもの」には注釈が必要
- ヤマカン対談告知と質疑応答
突入記者ネリーと美人文芸記者エリザベスの競争
冒険談としてすごく面白いんだけども、これが世界中で大ヒットして10年後くらいの話だ。ニューヨークワールド通信社のワールド社という新聞社があって、そこの女性記者ネリー・ブライという女の子なんだけど、写真が残ってる。
これね、ネリー、美人と言うよりは、どっちかっていうとかわいいタイプで、左手にすっげえ小さいカバンを持っているのが見えるかな。このカバンが今、アメリカの歴史博物館とかにも、ネリーのカバンとして残ってるんだけども、これ一つで世界一周、まわったんだって。
ネリーはこの旅行をするときに荷物をどれだけ持っていくかって聞かれたら、とにかく、早く早くまわりたい、ジューヌ・ヴェルヌは80日間って言ったんだけども、私は調べたら75日で行けることがわかりました。そのために、スピーディーに動くためにこのちっちゃいカバンにノートと鉛筆と替えの下着2枚と、手が荒れたら嫌だからハンドクリームのめちゃくちゃデカい瓶を一個入れて、これだけでまわりますって言って、ネリー、めちゃくちゃ、ちっちゃいカバンを持って、ニューヨークワールド社の社長にプレゼンして、もう1年間くらいプレゼンしてたんだって、世界一周やりたいやりたい、そしたら社長が、なぜか急に「よし、ネリー、行け」という結論を出して、ネリーは行かせてもらえることになった。
1週間後に行けということになって、ネリーはこのカバンを用意して行ったんだけども、この1週間のあいだ、ニューヨークワールド社は大広告を出したんだ。「さあ、ネリー・ブライが、いよいよ、世界一周に挑戦!」
なんでかっていうと、このネリー・ブライという女の子は、なんかね、突入取材とか潜入取材とかで有名な女の子だったんだって。まだホントに若いんだよ、ホントに、美少女というか少女だったんだけど、若かったんだけども、ブラック企業に潜入して暴いたり、精神病院に潜入して患者の虐待というのを告発したり、コーラスグループに応募してショービジネス街の裏幕を暴いたりとか、とにかく活動的な女の子で、ある時はボストンに住んでいる目も見えなくて口もきけなくて耳も聴こえない女の子が、それでも意思疎通ができるというので、それでおーすごいと思ってわざわざボストンに旅立ったんだ、その女の子の名前がヘレン・ケラーという。
ホントに活動的な人、その人が1年前から計画していたのが、ジュール・ヴェルヌの旅行というのをリアルにやろうという75日間世界一周をするという企画だったんだよね。社長はピュリッツアー賞をのちに作る、ピュリッツアーという人なんだけども、1年間は無視してたんだけど、いきなりOKしてハンドバックに歯ブラシとさっき言った一式、ハンドクリームを入れただけで、世界一周、ニューヨークからイギリスへ旅立った。
いわゆる東まわりの旅、地球を東まわりでアメリカ大陸からヨーロッパに渡って、スエズ運河を渡ってインド通って香港という、ジュール・ヴェルヌが書いたのと全く同じ方向で世界一周をまわったんだよね。
このキャンペーンを1週間、ずーっとやっているのを見ていたライバルのコスモポリタン社の社長が、うちも女性記者を送ってネリーと逆に、西まわりで世界一周をさせようと、どっちが早いかってやったら、めちゃくちゃうちの新聞も売れるぞと思いついて、いきなり、ネリーが旅立った4時間後にその女の子に行かせたんだよ。
その女の子も当日の朝言われて、えーって思ってんだよ。その女の子が、エリザベス・ビスランドという女の子なんだけども、美人記者で有名で、ただ、文芸誌の記者だった。文芸記事ばっかり書いている、なんかね、夢見るような記事ばっかり書いてるんだけども、とにかく美人で有名で、まわりの文芸誌の記者なんだけども、ニューヨークに住んでいる作家からはホントにモテモテで、あがめ奉られて、一番エリザベスに夢中だったのが、ラフカディオ・ハーンという作家だったんだけど、ラフカディオ・ハーンは彼女のことを女神と呼んでくらいだったんだよね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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