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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「弾圧されていた日本人の間違いだらけのキリスト教観」

2017/02/28 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/28

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2017/02/12配信「沈黙 -サイレンス-』を見て、踏んじゃえばいいのにねぇと考えないための教養とは何か」の内容をご紹介します。
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2017/02/12の内容一覧

弾圧されていた日本人の間違いだらけのキリスト教観

 映画『沈黙』で、僕ちゃんな主人公は、日本のズレたキリスト教を許容してしまうんだよね。
 ここがやっぱり、2人ともに違いがあって面白いんだよ。日本に行ったら、そこでどうにか生き残ってたキリシタンの貧しい夫婦が生まれたての赤ん坊を連れてきて「洗礼を与え下さい!」と言ってきた。その赤ん坊に洗礼を与えていると、その夫婦が「これでこの子はパライソに行けるんですね!? パライソで永遠に生きれるんですね!?」って言うんだよ。主人公は困りながらも、「う、うん、そうだね」みたいな感じで答えるんだけども。フランシスの方は、より厳しいイエズス会のカソリック信者だから、「そんなはずがあるか! パライソっていうのは、そんな信じたら行けるような極楽浄土みたいなものじゃねえぞ」って、バーンって言っちゃうんだよ。
 でも、日本のキリシタンたちは、どちらかっていうと、神を信じたらすぐに天国に行けるって概念でやってるから、それを聞いても「あれ?」っていう感じで。まあ、その場は流れるんだけど。
 その他にも、主人公が不安に思うことがあって。彼らはすごい信心深いんだけども、なにかというと自分が持ってる十字架(ロザリオ)とか、神の絵を描いた絵画みたいなものを欲しがる。まあ、彼が持ってきたそういう物は、ほとんど船で失くしちゃったんだけど。とりあえず、持っていた数珠をバラバラにして、その数珠の一粒を一粒を渡したら、みんなはもう本当にありがたそうに受け取るんだ。
 「これが、めっちゃ、不安」と。「ちょっと待てよ。こいつら、偶像崇拝をやってるじゃねえか?」と。「十字架とかロザリオとかは、あくまで自分の宗教心のシンボルであって、信仰の対象そのものじゃないよ。なのに、こいつらは」って思ってて。これに嫌な予感を覚えるんだよ。そして、その嫌な予感が、中盤になって「踏み絵を踏めない日本人のキリスト教徒」という形で現実化するんだよね。
 というのも、踏み絵で踏むものなんてものは、どっかの百姓みたいなヤツが作った、へったくそなキリストが描かれただけの単なる土の板なんだよ。だから、主人公は、「それで助かるなら踏め!」って言うんだ。ところが、日本人の信者は純粋な上に物に対する信仰心があるもんだから、それを踏めない。なんせ神父からもらった十字架をありがたいと思っちゃう人達だから。それは間違いなんだよ。そうじゃなくて、ありがたいのは信仰心であるはずなんだけども。そういう十字架みたいな物をありがたいと思うのとまったく同じ感覚で、踏み絵を踏めないわけなんだよ。
 どうにも日本人の持っているキリスト教と本場のカソリックの間にはズレがあるんだよね。それがさっき言った、オタク的な、殉教とか信心というものを概念のみで捉え、それを貫こうと思っている純粋な童貞くんである主人公とフランシスの2人が日本で出会った驚愕の事実なんだ。
 日本人はカソリック教徒よりはるかに純粋にキリスト教を信じている。あんな激しい迫害の中でも、隠れるようにして信じている。しかし、そのキリスト教は、なぜかズレている。イエス・キリストよりも、聖母マリアの方をどっちかというと信じるふうになっているという(笑)。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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