岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/26

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2017/01/29配信「早い者勝ち!SFマンガはこれを読め」の内容をご紹介します。
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2017/01/29の内容一覧

侵略ロボットSFの最高峰『砲神エグザクソン』

 園田健一はね、ものすごくSFの設定とかを扱うセンスがいいんだよ。
 10年前に地球に来たリオファルドっていう宇宙人がいるんだ。人間とほとんど同じで、エルフみたいな耳をしていると思っておいて。
 そのリオファルド人は地球人に対して技術援助をしてくれたんだ。でも“重力慣性制御技術”だけは渡してくれなかったと。で、彼らは軌道エレベータを作って「これから地球人と正式に国交をひらいて、我々の豊かな科学知識をあなたたちに授けます」って、10年間、ずーっと良いことを言っていたんだけども。
 だけど、軌道エレベータが完成した瞬間、超巨大なロボットを地球にドーンと降ろしてきて、「我々リオファルドは、この地球を7番目の植民星とすることを宣言します」と。
 ちょっとゾッとするのは、リオファルドがずっと「ですます調」で喋ってるところね。「これから私たちは、あなたたちを支配します。抵抗しても一切無駄です。我々とあなたたちの間にはこれだけ科学力の差があります」というプレゼンテーションをしながら地球征服をするっていう。まったく新しい。
 で、これによって、地球側がどのように戦うのかっていう話なんだけども。10年前からこういう日が来ることを予見していた主人公・砲一くんのおじいちゃんは、巨大ロボットエグザクソンを起動させるっていうやつで。
 ちょっと読みにくいんだよね、「大砲の砲」にま「神」って書くんだけども。
 この『砲神エグザクソン』のなかで出てくる面白い話が、レーザービームとかそういうものよりも、質量兵器というのが遥かにすごいという話。
 「重い鉄の塊の弾丸を撃って相手に当てるということが、どんなにすごいことか」と。「いわゆるレーザービームとかを作る技術よりもはるかに上にある重力制御の技術をもってしても、巨大な慣性質量兵器である大砲にはかなわない」というのが、確かに軍事的に考えたらそうなんだけども。
 それをやってくれているっていうのが面白くてですね。
 もう20年前のマンガなんだけども、「今のところ、これを超える“侵略ロボットSFもの”は現れていない」って僕は断言できる。

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