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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「NASAを支えた天才メガネっ娘マーガレット・ハミルトン」

2017/02/19 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/19

おはよう! 岡田斗司夫です。

今回は、2017/01/22配信「西野亮廣炎上と、大型ビジュアル本特集」の内容をご紹介します。
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2017/01/22の内容一覧

NASAを支えた天才メガネっ娘マーガレット・ハミルトン

 ちょっと話が横にそれるんだけども、さっきの天才メガネっ娘、マーガレット・ハミルトンについての本はまだ出ていないんだ。
 彼女は今まであんまり注目されてなかったんだよね。NASAで働いていた人はみんな「ああ、マーガレットね」って知ってるんだけど、一般的にはほんとに知名度が低かった人なので。やっと今年くらいに絵本が出るそうなんで、そうしたら僕が買ってここに持ってくるよ。
 彼女が10年くらい前に語ったインタビューを読んだことがある。
 「当時、私にとっての“プログラミング”とは、パンチカードに穴をあけて、山積みされたファイルを一晩かけてバッチ処理し、それをアポロ月宇宙船の中にあった動きをシミュレーションする巨大なハネウェル社製のメインフレームコンピュータに投入する作業を指していました」
 ここに写っているのがなにかというと、そのプログラムリストなんだよね、こんな巨大なプログラムリストをいちいちパンチカードに打ち込んで、それをハネウェル社製のメインフレームコンピュータにぶち込んで動かしていた。「宇宙船が飛び立つ前に、すべてをシミュレーションする必要がありました」だそうだよ。
 一度プログラムがコンピュータに設定されたら、次はどうなるのかというと、近所にあるレイセオン社という会社の作業場に送られる。そこでは「小柄なおばさん」というあだ名がついている熟練の女性の縫製師、いわゆる針作業・縫物作業をしている人がたくさん雇われていた。
 ここで何をやっているのかというと、フェライトでできた磁気リングに、電線を巻いているんだね。当時はRAMディスクとか、フロッピーディスクがなかった。コンピュータのメモリは……「磁気コアメモリ」といって、磁石の小さいリングの中にこう編み込まれていたんだ。
 一応、パネルも用意したんだけども。現物はこれね。これが磁気コアメモリなんだけども。これ、全部それぞれがフェライトなんだよ。
 こういうふうに、垂直に交わっているワイヤーが「駆動線」と呼ばれていた。X軸の駆動ワイヤーとY軸の駆動ワイヤーに電流が流れることで、フェライトに磁界が発生し、それを斜めに走っているリードと呼ばれる電線で読み込むんだよ。
 原理はこれだよね。(パネル)XYの駆動軸に電流を流すと、交差部分のフェライトコアが極化される。縦軸に0.5の電力を流し、横軸にも0.5の電力を流す。そうすると両方に流れている部分にのみ、1.0、つまり磁界を形成されるだけの電力が流れることになるので、このフェライトは磁化される。こうやって、0と1の2進法のデータを表現したわけだ。
 実際のサイズがどんなもんかというと、これが電卓1個分のコアメモリね。びっちりあって、これ人間の手の中に入るんだよ。
 すごいよね。フェライトのコアっていうのは、そこそこ大きいように見えるじゃん? でも、実際は、この黒いやつがゴマ粒くらいに小さくて、それを顕微鏡みたいなもので見ながらコイルに電線を巻いて、それをモーターでちょっと回転させて……ということをひたすら続けるんだって。
 レイセオン社は、縫物をやってるおばちゃんを大量に雇って、そういう装置をアポロ計画のために作っていたそうだよ。
 世界初のソフトウェアエンジニアのお姉さん(マーガレット)が一生懸命プログラムを組み、それをレイセオン社にいる縫物専門のおばさんたちが、ガーッと磁気コアメモリに編み込んでいく。いわゆるプログラミングが、編み作業だった時代だよね。
 「女が作っていた宇宙計画」の面白さだよ。
 僕たちは、『ライトスタッフ』なんかの映画を見てきたから、男の世界の宇宙計画はわかるんだけど。その裏には、ヒラリー大統領が誕生するはずだったからこそ明るみに出た、「実は女が作っていた宇宙計画」というのがあった。

(続きはアーカイブサイトで)

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