岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/17
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/01/22配信「西野亮廣炎上と、大型ビジュアル本特集」の内容をご紹介します。
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2017/01/22の内容一覧
- キンコン西野は絵本を無料で公開したのになぜ炎上したのか?
- ドナルド・トランプが提唱する「ポストファクト」とは?
- キンコン西野炎上の影に岡田斗司夫あり
- 紙の本はもう終わりなのか?
- 1万円以上する『ジ・アート・オブ・シンゴジラ』は買いか?
- 樋口真嗣の悲鳴のようなインタビュー
- 庵野秀明が語った『シン・ゴジラ』のテーマ
- 金をかけなきゃ価値ある情報は手に入らない
- 映画は現場のモノ~庵野秀明がわがままに生み出した名作
- 設計にはこだわらず、撮りたいものを撮りたいだけ撮る
- ミニチュアを使わなかった、庵野秀明の特撮論とは?
- レゴの新製品『Women of NASA』
- 続々レゴで商品化される、活躍した女性シリーズ
- NASAを支えた天才メガネっ娘マーガレット・ハミルトン
- アメリカAmazonアカウント取得のススメ
- 1冊にすべてが入ったスーパー図鑑『ピクチャーペディア』
- 謎の需要に応えてバカ売れ『マップス: 新・世界図絵』
- 世界史を見開きで解説『世界史MAPS』
- 難しいことをシンプルに説明する、究極の説明本『ホワット・イズ・ディス?』
- 1冊だけ大型本を買うなら、どれにする?
ミニチュアを使わなかった、庵野秀明の特撮論とは?
『シン・ゴジラ』については、あと「なんでミニチュアを使わなかったのか?」っていう話がある。
庵野秀明が監修した特撮博物館では、「ミニチュアワークこそが特撮!」と言っているにもかかわらず、肝心の『シン・ゴジラ』では、ほとんどの特撮シーンがCGで作られていて、ミニチュアを使ったシーンがあんまりないんだ。
僕も前に指摘したけど、映画の最後の方で、電車が突入してくる時のCGがやけに安っぽい。その理由をこの本の中でちゃんと庵野が答えている。
その話が面白い。これもファクトじゃなくて、オピニオンなんだけど。
「なんで日本人やイギリス人がこんなに特撮が好きなのかというと、かわいいからである」と庵野は言う。
「じゃあ、なんでかわいいことが必要であるのかといえば、サンダーバードは事故を描いているし、怪獣映画は怪獣という災害を描いている。いっぱい人が死んで、ビルが破壊されることを描いている」
「こういう災害とか、ビルが破壊されるとか、人が死ぬっていうのは、実は、ツラい映像だ」
「でも、こういうツラい映像を、僕らはワクワクして見たい。ワクワクして見るための装置として、かわいい特撮というのがあるのではないか」
僕の知る限り、こんな特撮論は誰も語っていない。庵野秀明のオリジナル特撮論なんだ。
ホラー映画についても同じことが言えるよね。なんでゾンビ映画なのか。ゾンビみたいな極端なことをやらなくても、現実のニュース映像に残酷な画はいくらでもある。残酷な写真、残酷なフィルムもいっぱいある。
でも、僕らはそれらから目を背ける。ホラー映画は見られても、残酷なニュース映像を見られない人はいっぱいいるでしょ。あれと同じなんだと、庵野秀明は特撮の特質をがっちり捉えているんだよ。
だから彼は「今回のシン・ゴジラでは、そういう特撮のかわいさというのは避けたい」と考えた。俺が見ているものをお前らに見せるというニュアンスで作るものだから、特撮じゃなくて、CGのリアリティが必要だった。
だから、ミニチュアによる特撮があまり使えなかったと書いてあって、それも面白かったよ。
(続きはアーカイブサイトで)
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