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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「「消えモノ」の意地がいい『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』」

2017/02/07 07:00 投稿

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岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/02/07

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2017/01/01の内容一覧

「消えモノ」の意地がいい『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

 じゃあ、次は『ローグ・ワン』。
 「消えモノ」という言葉があるよね。それは何かっていうと、テレビのドラマに出てくるご飯とかおやつ、つまり画面に出てきて、登場人物がぱくぱく食べちゃうから、画面から消えちゃうもののこと。『ローグ・ワン』は、消えモノの映画だったんだよ。つまり、『スター・ウォーズ』全体の話の流れに影響を及ぼしてはいけないから、登場するキャラが全て消えモノだという(笑)。
 ダース・ベイダー以外全部消えモノなんだよな。僕はあんな画期的な映画を見たことがない。
 ただし、消えモノとしての意地が、すごくいいんだよ。これで思い出したのが、『スター・ウォーズ』のエピソード6『ジェダイの帰還』。エピソード6も相変わらずデス・スターを破壊する話なんだけど、反乱軍の司令官みたいな女の人が、第2デス・スターの構造図や、バリヤーがどのように惑星エンドア上に張られているのかについて説明している時に、「この情報は私たちの工作員の多大な犠牲によって入手しました。多大な犠牲です」という、いい感じのセリフを言うんだ。その時の彼女の思いつめたような話し方がすごく引っかかって、「ここにはドラマがあるんだろうな」と思わせられた。もう大昔、30年くらい前に、『ジェダイの帰還』を見た時から、そのシーンが引っかかってたんだけど、じゃあ、その多大な犠牲とはなんだったのか。
 もちろん、『ローグ・ワン』はエピソード4の直前の話で、エピソード6で言う「多大な犠牲」とは違う話なんだけどね。英雄物語の中では、ほんのちょっと描かれるような事件の裏にこんなことがあったんだっていう、栄光なき天才たちっていうのかな、歴史の表にはなかなか出てこない「消えモノ」が自分たちの意地を見せたのはすごくよかった。
 あと、これまでのスター・ウォーズの映画の中で、最もデス・スターが格好いい。デス・スターが太陽を隠して周りにコロナだけが見えるところで、ビームがバーンと出るとか。最後の海岸で、巨大なデス・スターが地平線から上ってくるのを見た帝国軍の司令官が「俺の命、これまでなんだ」と悟った絶望的な表情とか。そういうところは、ものすごくいいね。主人公の動機が映画の半分過ぎてからやっとわかるとか、お話し的にはドッチャンガッチャンなんだけども、『スター・ウォーズ』好きにはすごく楽しかったよ。

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