『NEWSを疑え!』第369号(2015年2月9日特別号)
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【価格】1,000円/月(購読料のうち半分は、研究所の活動に対する維持会費とお考えいただき、ご理解をいただければ幸いに存じます。)
【発行日】2015/2/9
【発行周期】毎週月曜日、木曜日
【次回配信予定】2/12
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【今回の目次】
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・航空機の対地衝突事故がなくなる?
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・基本を忘れた在外邦人救出の議論(小川和久)
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◎テクノ・アイ(Techno Eye)
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・航空機の対地衝突事故がなくなる?
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
航空機の事故に、CFIT(Controlled Flight Into Terrain 直訳「地形突入制御飛行」)と呼ばれる重大事故がある。
航空機とパイロットの双方に異常がなく、失速してもいないのに、航空機が山、地面、地上障害物または水面に衝突する事故のことで、航空機による死亡事故の最大の原因となっている。すでに民間機の乗員・乗客1万人以上の命を奪っており、米空軍でも、1993年から2002年までのクラスA事故(死亡、永久的障害、機体の全損または100万ドル以上の損害)の25パーセントは、CFITによる事故だった。
米航空宇宙局(NASA)と米空軍はこのほど、こうしたCFITによる事故を防ぐため、あらゆる航空機に搭載可能な「対地衝突自動回避システム」(オートGCAS)を共同開発し、F-16戦闘機に搭載を開始した。
1970年代に開発された対地接近警報装置(GPWS)は、山や地面への異常接近を、電波高度計や気圧計で探知し、警告灯と音声でパイロットに警報するものだが、GPWSは機体の真下の対地高度、昇降率、計器着陸の進入経路の情報を利用する方式のため、機体の進路にある山などを回避することができない。
そうしたGPWSの欠点を克服するため1990年代末、デジタル地形図とGPSによる位置・高度の情報を用いて、機体の周辺と進行方向の地形をパイロットに示す、新型の対地接近警報装置(EGPWS)が開発された。
しかし、こうした警報装置は警報を受けたパイロットが、航空機を危険な状態から脱出させることができることが前提となっている。パイロットが危険回避の操作をできない場合や、低空を高速で飛び、横転や宙返りもする戦闘機の場合は、警報が間に合うとはかぎらない。
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