『NEWSを疑え!』第362号(2015年1月15日号)
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【発行日】2015/1/15
【発行周期】毎週月曜日、木曜日
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【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆地対艦ミサイルが洋上を飛ぶ仕組み
◆SSM1はシースキマー型
◆慣性航法装置で中間誘導
◆どうした適正報道委員会
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・なぜテロリストは見逃されたのか
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・在欧基地再編のねらいは米国内に(西恭之)
◎編集後記
・「特殊部隊並み装備」だって
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◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
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◇◆地対艦ミサイルが洋上を飛ぶ仕組み
国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川 和久
Q:当メルマガ2014年11月27日号の編集後記で小川さんは、「陸自の対艦ミサイルは外洋の艦艇を攻撃できない」という読売新聞の誤報を指摘されていましたね。指摘にあった慣性航法装置によるミサイルの中間誘導について、もっと詳しく教えてください。
小川:「誤報があったのは、14年11月25日付け『読売新聞』朝刊3面に載った『スキャナー』という特集記事です。見出しは『陸海空自 連携まだ途上』『演習は試行錯誤/根深い対抗意識』。記事のリードには『日本周辺の安全保障環境の悪化に対応するため、陸海空3自衛隊を一体的に運用する「統合機動防衛力」構想が示されてから、来月で1年となる。離島の防衛力向上に不可欠となる3自衛隊の連携強化だが、システムや装備、組織間の意識の隔たりなど、克服すべき課題は、なお山積する』とあります」
「ようするに『自衛隊を取材したら、こんなにも問題が山積していた。陸海空の日本軍、統合未だしだ!』という、鬼の首でも取ったような感じ、あるいは危機感を煽るような記事なのです。しかし、事実誤認による誤報はまずい。問題箇所を引用します」
●2014年11月25日『読売新聞』スキャナー記事より
もっとも演習中、課題はそこかしこに現れた。例えば対艦ミサイル。接近する敵艦を攻撃する離島防衛の切り札だが、百数十キロの射程を持ちながら外洋の艦艇を攻撃できない。陸自が地上レーダーしか持っていないためで海自機が上空から確認した情報を自動共有するシステム構築は緒に就いたばかりだ(後略)
「陸上自衛隊の地対艦ミサイルは、地上レーダーしかないため、見通しの利かない水平線よりもむこうにいる艦船を攻撃することができない、というのです。無知の最たる記事というべきですね。実は20年ほど前、ある著名な軍事評論家が同じような間違いを書いたことがあり、読売記者はそれを鵜呑みにしていたのかもしれません。以下、ミサイルの慣性誘導システムを解説し、読売に代わって誤報を訂正しておきましょう」
●『NEWSを疑え!』第351号(2014年11月27日号)
編集後記
対艦ミサイルに関する読売の誤報
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