障害者等用駐車場の不適切利用についての記事を見かけました。
【パーキングパーミット制度】
海外の多くの国では、障害者用の駐車場にニーズのない人が停(と)めることは許されていない。(中略)
そのため欧米の多くでは「パーキングパーミット」という利用証を発行し、広めの駐車場を使う人を明確にしている。ここへの違法駐車は、人道上の罪として、普通の何倍もの罰金となる。ハワイ州ではパーミットを持たない人の違法駐車は5万円、カナダではパーミット不正利用は、実に14万円の罰金が科される。
日本で障害者等用の駐車場に止める車が後を断たないことから、欧米のように法律や罰金の整備が必要だという話です。
この問題、罰則作るより、あるジョークを広めた方が有効ではないでしょうか。どこかで見かけたのか忘れましたが、こんなジョークです。
障害者スペースに健常者が停めてて、子供がお父さんにそれを指摘すると「ああ、あの人は体が悪いんじゃなくて、頭が悪いんだね」と答えたというものです。
このジョークがテレビとかをきっかけに全国民に広がるだけで、不適切な駐車がまずまず減るのではないでしょうか。
不適切利用している人は、子供「あ、頭の悪い人だ」親「声に出しちゃだめっ」とか言われて、その他老若男女に(あ、頭の悪い人だ)って顔で見られるわけですから、それに耐えてでも停めたいなら、まそれはそれでそれはそれで人生の選択ではないかと。
罰則もいいのですが、その前にこんな風にモラルやマナーの啓蒙ができないか検討してはいかがでしょう。
特に、紹介した記事の全体を覆っている「高い罰金は素晴らしい。日本は遅れている」という論調はちょっとどうかと思います。
罰金が高いのは「そうでもしないと不正する人が後を断たない」からであるなら、むしろモラルの低さを表しているかもしれません。逆に日本は罰則がなくてもなんとかやれているのは、モラルが高いからかもしれません。
残念ながらモラルの高さは完璧ではなく、地域によっては社会が許容できないレベルにあるため法律を検討するかという話であり、欧米が「進んでいる」かどうかは別です。
ちなみに、これは日本人がすごいというよりも、日本人は単一民族な上全国規模で文化も共有していることが大きいです。要は価値観が似ているので、モラルとかマナーも共有しやすいのです。
マナー啓蒙もすればいいし、罰則も作ればいいじゃないかという意見もあるでしょう。
しかし、罰則化することには様々なデメリットも生まれます。
1) 誰が使えるのか
たとえば足の骨を折って一時的に足にギブスをはめている人はどうでしょう。調べたところによると、診断書などとともに申請すれば利用証が入手できるようですが、診断書にも行政にもコストがかかります。
土地柄にもよりますが、現状なら臨機応変に利用できますが、罰則化となるとより厳密な運用が必要となります。
2)様々なコスト
そもそも、罰則化するには、どこが障害者等用の駐車場か公的に管理する必要もあります。でなきゃ、誰かが駐車した後に障害者用の駐車場に仕立て上げて、陥れることができてしまいます。
今も登録はされているようですが、よりきちんとした管理が必要になります。
たとえば表示がいい加減だとトラブルになります。駐車場所有者は表示などの維持が義務付けられることでしょう。私有地ですから話はややこしく、表示がぼろぼろで行政が是正を勧告しても所有者が直さない場合、しかしそれに気づかず停めた人を取り締まれるのかという問題も出てくるでしょう。
罰則となればそういったことにすべてコストがかかります。高度成長期は終わりました。持続的な社会に向かって、不要なコストは慎まなければなりません。
3)全国でやるのか
有り体に言って、障害者用の駐車場の不適正利用が罰則化が必要なくらい問題になるのは、日本の中でも都市を中心としたごく一部の地域でしょう。それ以外の地域でも、全国一律に罰則化するのでしょうか?
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