新国立競技場はいくらで建てればいいの(その1) の続きです。
ミライ 適切な建設費。いよいよですね。
フツクロウ うむ。それを考えるのにさっきの記事の情報が役に立つ。旧国立の収入は7億円くらいだったそうじゃ。
ミライ はい。そう書いてあります。
フツクロウ では、仮に、新国立になったら、いろいろ頑張って年間の収入が倍の14億円になるとしよう。そうすると大規模修繕費や維持管理費は合わせて総工費の2.7%としたから、それに対応する総工費がわかる。
ミライ えーと、 14億円 ÷ 2.7% = 518億円 ですね。
フツクロウ ホウじゃ。ちょうど、このブロマガに国内外スタジアムの総工費の一覧が載っておるがどうかな。
新国立競技場2520億円を総工費で比較検討する
ミライ 海外のオリンピックスタジアムが483億円から873億円、国内のスタジアムは幅がありますけど、高いので 696億円ですね。今計算した518億円が入ってきます
フツクロウ ホッホッホ。それらの建設費に意味があることがわかってくるじゃろ。
ミライ はい。お金がないからじゃなくて、その後の維持を考えると必然的にそういう数字になっていくということですね
フツクロウ ホウじゃ。大事なことは、それらのお金はオリンピックの後毎年かかるということじゃ。オリンピックのために国民が2560億円の建設費くらい税金から出していいと言ったとして、その後1円も返さなくてもいいとしてもじゃ。その後オリンピックが終わっても、毎年維持費や大規模修繕の積み立て金がかかる。
もしも2560億円で建てた場合、 2.7%は 69億円。旧国立が7億円の収入だったところ、10倍の収入になると思うか。
ミライ ならないでしょうね。
フツクロウ ホウじゃ。少なくとも60億円を超える新しい需要が起こるわけがない。それはつまり、周りのスタジアムやイベント会場からスタジアム何個分もの収入を奪い取って大幅な収入増を得ようということでもある。そんな計画を立てるということは、ほかのスタジアムは潰れて構いませんと言っていることにもなる。
ミライ 仁義なき戦いですね。
フツクロウ ホウじゃ。新国立が思うように収益が上がらず苦しもがくか、ほかのスタジアムを潰すかという戦いじゃな。
ミライ そんなの見たくない……。
フツクロウ ないのう。さらに、さきほどの建設費一覧も決して適正というわけではない。696億円の京セラドーム大阪は一度破産しとるし、ほかのスタジアムも自治体が赤字補填しているところがたくさんある。
東京新聞:新国立競技場 収支計画黒字ありき ドル箱コンサート日は過剰:文化(TOKYO Web)
京セラドーム大阪で696億円なら、東京ならもちょっと高くてええじゃろということではない。それは破産した過剰な建設費だったわけじゃ。
ミライ あー、じゃあ 518億円というのも、それくらいにしといた方が無難ということですね。
フツクロウ ホウなんじゃ。もちろん、2.7%という数字が絶対ではないから工夫で維持費を抑えたり、売上を伸ばしたりはできるじゃろうが、少なくとも 2560億円は法外に高い。
上で参考にした記事では、2%にあたる維持管理費は収入でなんとかカバーできるが、0.7%にあたる大規模修繕はできないので補助金でと、つまり税金を仮定している。どんなに収入を多めに見積もっても、その0.7%をカバーすることはできんかったのじゃ。
どんなに楽観的に考えても収入は38.4億円を超えることがないと言っているといっていい。つまり、38.4億円÷2.7% = 1422億円は超えるべきじゃないということじゃ。
ミライ あ。1300億円の当初予算に近いですね。
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