先日紹介した「庭のホテル」のレストランは今度一緒にニコニコ生放送してみようという知人と利用しました。そしてどんなことしようかといろいろ話し合ったのですが、結論としてその場そのものをニコ生すればよかったなぁという、盛り上がりでした。
というのもいろいろ話しているうち国に雇用は創出できないのではないかという話になったからです。その話は【馬車目線】に譲るとして、帰った後、ではどこが雇用を生み出すべきなのかスタッフで少し考えてみました。
そしたらちょうどいい例を思い出しました。松江市や島根県の Ruby に対する支援です。Ruby はまつもとゆきひろさんが開発したプログラミング言語で、ストレスなくプログラミングを楽しむことができるとエンジニアからの人気が高い言語です。この プログラム言語 Ruby に対して、まつもとさんが松江市に住んでいることがきっかけで、市や県が支援を始めたのです。行政による支援は高く評価されつい先日地域づくり総務大臣表彰を受けました。
この支援によって雇用にも波及しているようです。2011年の内容ですが、平成23年度松江市市長施政方針では、
また「Ruby City MATSUE」の取り組みは、着実に実を結んできています。Rubyで開発経験のある県内企業は、平成十九年度の六社に対し、現在は三十一社と飛躍的に伸びてきており、また、昨年、松江高専の生徒が、プログラミングコンテストでRubyを活用し、文部科学大臣賞を受賞するなど、人材育成も進みつつあります。
と紹介されています。
このように国ではなく地方自治体であれば、雇用を生み出す支援ができそうです。
そこでどのようにすればこのような雇用支援ができるかポイントを考えてみました。
・担当は経済産業課とか産業経済課というところになるようです。国で言えば経済産業省にあたるところです。産業の振興の目的の一つは雇用ですし、最優先に位置づけて良いと思います。以下は経済産業課が雇用の創出を最優先した場合のステップです。
・お金をかけずに始める。昔松江市の担当の方にお話を伺った記憶で書きますが、最初は役所の会議室を貸し出すとか予算のかからない支援から始めたそうです。
このお金をあまりかけないというのは大切なポイントです。お金をかける場合は、予算を議会に通さなければなりませんが、その途端選挙の結果や政治的な都合で毎年度予算がつかなくなる不安が生まれます。
そういう場所に人は集まりませんし、雇用は生まれません。いつなくなるか分からない予算で雇用をかけても、長期にわたってそれでやっていくぞと覚悟を決める人は来ません。すでに雇用されている人の片手間の活動が行われるだけです。いつまで続くか分からない安易な予算は付けず、長期的にできる支援から始めることが大切です。
この雇用と支援の関係は次の記事でも検討しました。
日本がスパコン京(けい)を行き渡らせる人材を作るには
・選ぶ。地方自治体の一番の強みはここです。松江市は Ruby を「選び」ました。全国一律の支援では結局どこかに集まるというクラスタもできません。各自治体がどれかを選ぶことで、国内のアクティビティが集まり、充分集まったところで「発火」します。
・「火のあるところ」を選ぶ。「火のないところに煙は立たない」といいますが、もともと自治体にアクティビティがあるものを選びましょう。松江市にはまつもとさんもいれば Ruby を扱う企業もありました。すでに活動している対象があれば、予算がなくても持続的に支援すれば、それらの支援先が活動を続けます。
それに対して地域活性だ!とのかけ声とともに今までなかったものを興すやりかたもあります。そのためにはそれが独り立ちするまで、予算をつけるかボランティア的な活動が必要ですが、独り立ちするまでの期間は長く支援が続くか微妙です。そういう場所に人は集まりませんし、雇用は生まれません。すでに雇用されている人の片手間の活動が行われるだけです。
・国の予算に頼らない。国の予算はいつなくなるか分かりません。また制約も多いです。そういった予算で人を雇おうと思っても、長期間やるぞと覚悟を決めた人は来ません。
・これは国にはできないことです。自治体が自信をもって取り組みましょう。市民にも首長あたりに国にできない支援をしていますと宣伝してもらいましょう。
なぜ国にできないのか。【馬車目線】で考えてみようと思います。
この記事には、【馬車目線】(?)からの解説
【馬】国に雇用創出はできない理由
があります。
・併せてどうぞ
【女子・受験生必見。東京千代田の隠れ家ホテル「庭のホテル」に泊まってみた】
【日本がスパコン京(けい)を行き渡らせる人材を作るには】