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ソーシャルラーニングアプリで暗記は激変する

2014/11/12 00:30 投稿

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 ソーシャルラーニングアプリ「えいぽんたん」がおもしろいです。

 今年のeラーニング賞の大賞をとったのをきっかけに知ったのですが、いまどきのソシャゲ(ソーシャルゲーム)そのまんまでパズルを解く代わりに英語の問題に答えるという作りになっています。

 これはかなり革命的なアプリだと思います。英語の勉強のはずなのに、勉強扱いしていません。あくまでゲームとして楽しむようになっています。
 というのもソシャゲははまるとついつい課金したくなってしまいますが、この「えいほんたん」もはまるとついつい課金したくなるというしかけになっています。

 どのくらい「えいほんたん」がソシャゲと似ているか比べてみようと思います。

・基本は無料。ソシャゲと一緒です。残念ながら課金のみの特殊なサービス(後述)があるのですが、基本すべて無料で進められるようになっています。

・ソシャゲはパズルなどを解くと体力が減り、体力を回復するには、じっと待つか、たまにもらえるアイテムを使うか、課金してアイテムを手に入れて回復させるかになります。「えいぽんたん」もそうです。テストを受けると体力が減り、その体力を回復させるには、じっと待つか、たまにもらえるアイテムを使うか、課金してアイテムを手に入れなければなりません。テストを今すぐ受けたければ、課金しろ!という、本来絶対あり得ないビジネスプランになっています。
 これ、企画の段階でビジネスプランコンテストに出されても、「テストに金を払おうなんていう人がいるの?」と聞かれてしまうこと請け合いでしょう。

・本編は各レベルごとに連続100問正解でもらえるトロフィーをコンプリートすることが究極の目標で、マイペースで進められるようになっています。こちらの目標のために重課金する人はそんなにいないのではないかと思いますが、一方で1〜2週間を単位にユーザーで争われるイベントが開催されています。こちらは上位狙いたくなったら、課金したくなること請け合いです。

・ランキングではユーザー同士が競いますが、このイベントでは、赤の他人同士でゆるく協力するようになっていて、ソーシャルらしい一面を出しています。

・また、このゲームではユーザーは「先生」という設定で、英語のテストを解くことでもらえるおやつをあげることで生徒が成長し卒業していきます。この生徒がコレクションの対象で、いわゆるレア生徒もいますし、レア生徒が出やすい有料ガチャもあります。こちらはいくら課金しても勉強することにはならないからか、レア生徒を集めることには強いインセンティブはかけられていません。有料ガチャにはまる人は少ないのではないでしょうか。

・このような仕組みの「えいぽんたん」。うちの長男にさせてみたらドはまっています。次男もみんながしてるのに横から参加するような感じで、家族みんなで楽しんでいます。
 子ども達には、生徒達におやつを与えて育てるのがとても楽しいようです。生徒はそれぞれ好物があって、それを与えると二倍の早さで成長しますが、私にはどの子がどのおやつが好物かとか覚えるのは苦痛でしかありませんが、彼らには全く苦ではありません(笑
 トップ画面にそれらの生徒やアクセサリを配置するのも、本気で楽しんでます。

 TOEICを意識してたり、メインのユーザーは20代ではないかと思うのですが、ゲーム自体は小中学生にかなりツボるのではないでしょうか。

・さらに、掲示板などもあってユーザー同士で交流することもできます。この辺は小学生には早いのでさせてませんが、それがなくても子どもは十分ハマっています。

・また、課金することで、綴りでなく、発音を聞いて答える形式もできるようになります。子どもにはこれがいいのではないかと思っていたのですが、iOSでは最近までこの課金が止まっていて試すことができずやきもきしていました。復活しさっそく試しています。こういう課金のツボも押さえています。
 これを一度課金すると全音声データがダウンロードできるので、一月分課金する人は多いのではないかと思います。音声データそのものは頑張ってテストに受かっていけば全て揃えることができますが、その手間に比べたら圧倒的に手軽です。
 しかも、一度でも課金すると広告が出なくなりますし。

・それにしても、長男は覚えた問題を答えるのが異様に早いので、すごと思っていたのですが、聞いてみたら「4択のパターンで覚えている」とのこと。つまり英語見ずに選択してるのです。……確かにそれでできます……。ほんとはそれではだめなのかもしれませんが、そこは繰り返しの威力、じょじょに英語も覚えているようで、しばらくはこのままさせてみようと思います。

 以上、いわゆるソシャゲとまったく変わらない仕組みで、ソシャゲと同じように熱中してしまえる英単語暗記アプリが出てきたことになります。もちろん英単語だけ覚えても英語ができるようになるわけではありませんが、苦労せず英単語を覚えてしまえるのであれば、英語自身の学習はかなり楽になるに違いありません。

 このまま商業的にも成り立つようであれば、今後このようなアプリがどんどん出てくるのではないでしょうか。漢字や歴史の暗記など、暗記ものはみんなこんな感じに楽しくいつの間にか覚えてしまえばいいのです。

 こんなのが広まって、これからの子ども達は苦もなく暗記していくようになったら、いったい私たちの苦労は何だったのでしょうか(苦笑

 さらに大きな変化もあります。それは子ども達がこれを使うと、それぞれの子どもが熱中に合わせて、いくらでも先に進めるということです。うちの子のような小4くらいでも、すいすいと1000語くらい覚えてしまう子が出てくることでしょう。学校の記憶の進度的には何年も先取りする子が量産されるようになるかもしれないのです。
 英語・漢字・歴史、どの分野であれ、どこか得意なところが一つでもできれば、その子が学校の勉強全体についていける確率はあがることでしょう。落ちこぼれを減らす大きな力になるかもしれません。

 なにしろ、このアプリ基本は無料です。子どもは使い古しの契約の終わったiPhone3GSで、つまり新しく買ったものではありません。子どものは奮発して月400円の音声テストモードにしましたが、公文1教科の10分の1以下です。スマホはかなり普及していますから、このアプリは、裕福な人のためのものではなく、全国の子どものかなりの範囲をカバーできます。

 さらに、これなら親も無理なくつき合えます。

 今、勉強において、親への負担は大きくなる一方です。

 ちょうどこんな記事が。

 教科書薄すぎ? 公立小のジレンマ 「受験させられない」働く母たちの嘆き | AERA - 東洋経済オンライン  
 受験のためには「親の全面バックアップ」が必要。働く母たちの中には、自分が働いているせいで地元の公立にしか通わせられないのはいいのだろうか、と「公立ジレンマ」を感じる人もいる。
 と子どもの勉強にどれだけ親が時間を割けるかがかなり重要になっている現状があります。ものその一部でもソーシャルラーニングアプリで親子で楽しく進めて親の負担を減らすことができれば、親にとってこれほど助かることはないのではないでしょうか。
 

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