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忙しい人のための「おもてなし経営企業」28社をまとめ読み!

2014/04/17 20:00 投稿

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 前回は労働生産性を取り上げたのですが、その元ネタは平成25年度おもてなし経営企業選というもので、すばらしい「おもてなし経営」をする企業28社が選出されています。「おもてなし経営」とは、「(1)社員の意欲と能力を最大限に引き出し、(2)地域・社会との関わりを大切にしながら、(3)顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営」とされています。

 その28社、どんな取り組みをしているのか大変気になるのですが、資料では各企業が2ページ使って紹介されていて、ざっと見ることが困難です。

 ということで忙しい人のために、各社の資料で特に面白い点を独断で抜き出してまとめました。気になる「おもてなし経営」とはどんなものか、ざっと見ることができます。それぞれ気になったら、詳しくは各社の「取り組みを読む」からPDF資料をご覧下さい。社名には各社のホームページへのリンクがつけてあります。

1 株式会社ソプラティコ  取り組みを読む
北海道を中心に13カ所のフィットネスクラブを運営。子供が発育に必要な動きを習得できるキッズパーク事業や、介護施設と融合し予防介護事業などにも取り組む。クラブ内にはカフェ・レストランが併設されているが、インストラクターやフロントスタッフが交代で接客を担当し、顧客とのコミュニケーションを深める。

2 十勝バス株式会社  取り組みを読む
「家の前にバス停があるが、どこに行くのか、いくらかかるのか、前から乗るのか後ろから乗るのかすら分からない」という市民の不安を元に、分かりやすい案内や、また通勤、通院、買い物など、利用者の目的に応じた「目的別時刻表」を世帯訪問で配る。それら取り組みは競合他社にも紹介、地域全体のバス利用の増加を目指す。

3 株式会社アポロガス  取り組みを読む
LPガス・灯油・重油の供給販売を中心に、太陽光発電システム、リフォームなど、地域住民の生活基盤
を支える。顧客一人一人への配慮を大切にする理念は東日本大震災時の対応にも現れ、復旧に3日かかった電気に対し、ガス灯油は震災翌日から復旧、今でも感謝される。そのような行動を社員が取れるよう「1年間のラジオパーソナリティ」「社員表彰制度」「親孝行手当」「両親への感謝の手紙」などさまざまな仕組みがある。

4 ワイズティーネットワーク株式会社  取り組みを読む
「心身ともに健康に過ごす人を増やし、地元の活性化にも貢献したい」。その条件を唯一満たした「紅茶」をツールにさまざまな夢に取り組む。2006年の創業後は全国43位だった宇都宮市の紅茶消費量は、2008年~2010年の平均で全国1位になるまで上昇!

5 カネパッケージ株式会社  取り組みを読む
再生不可能な発泡スチロールを使用しない、天然素材である紙を使った環境に優しい梱包技術に圧倒的な技術力を持つ。社内でも社員発案で資源節約を進めたり、フィリピンのマングローブ植林活動を社員が行い心を豊かにしている。その結果社員発案で、お客さんにハンドベルのサプライズ演奏をするようにも(!)。

6 株式会社オオクシ  取り組みを読む
6ブランド、直営35店舗の理美容店を展開する。社員を最重視し、東日本大震災の3日後には「社員の生活を守る!」と宣言、計画停電で通常の営業ができない中、臨時の営業時間の延長に取り組み、従業員の勤務時間を確保、2011年3月も黒字を確保。さらに今まで取り込めなかった顧客層を獲得した。

7 株式会社浜野製作所  取り組みを読む
板金・プレス加工メーカー。若手の自律性を高めるため、深海探査艇「江戸っ子1号」開発プロジェクトや、電気自動車「HOKUSAI」開発プロジェクトでは若手をリーダーに起用。また「キッザニア」とタイアップした子ども向け就業体験プログラムも提供している。

8 株式会社古田圡経営  取り組みを読む
営業活動を一切せず、口コミだけで年間150 ~ 200社の新規契約がある会計事務所。魅力の一つが、数字が苦手な経営者でも重要なデータを直感的に理解できる「古田圡式月次決算書」。そのノウハウをセミナーを通して外部に公開するなど、『日本中の中小企業を元気にすること』を心がける。

9 株式会社春江  取り組みを読む
「質で日本一を目指す」廃棄物処理業。車両の清掃は毎日1時間かけて行われ、車庫に嫌な匂いはしない(!)など、「汚い、臭い」という業界イメージとは一線を画す。

10 株式会社きものブレイン  取り組みを読む
きもののアフターケアやメンテナンスなどを中心に行う。以前はきもの販売だったが、顧客の手入れができないというニーズに合わせて事業の中心に据えていった。職人の高齢化による技術の断絶を防ぐため「きものアフターケア診断士」という資格制度などを構築している。

11 株式会社サイベックコーポレーション  取り組みを読む
革新的なプレス技術を持つ製造業。指示通りに作業する”もの造り”ではなく、顧客と共に製品をつくり出す”もの創り”にこだわる。そのため持ち込まれる案件は他社では実現できないものばかり

12 株式会社アイジーコンサルティング  取り組みを読む
かつては主にシロアリ駆除をしていたが、工務店が施工した住宅のアフターフォローを手がけるうち、耐震・リフォーム・新築まで行うように。「住宅・環境・社会インフラを守ることこそが私たちの使命」を理念とし、社員は積極的に災害ボランティアを行い、会社もバックアップを惜しまない

13 鍋屋バイテック株式会社  取り組みを読む
最新の鋳物技術を持つ製造業。顧客企業との連絡をコールセンターで一括して行い、データベースで全部署にタイムリーに共有。営業担当は顧客の新しいニーズに焦点を絞り、顧客の痒いところに手が届く「多品種微量生産」を実現。

14 株式会社OHANA  取り組みを読む
居酒屋、パスタ、ラーメンなど、専門多業態の店舗展開をする飲食業。マジックやものまねという「0円メニュー」がユニーク。80ページに及ぶ「方針書」をぼろぼろになるまで活用、毎日朝礼に30分かけ理念の共有、終礼も行う。

15 株式会社安城自動車学校  取り組みを読む
安城市を日本一事故が少ない町にする」ため自動車学校の枠に囚われない自動車学校。幼稚園から高校まで、教育機関での交通安全教室を積極的に開催。地域の安全に貢献し、顧客が生涯事故に遭わずに幸せに暮らすことを支援している。

16 万協製薬株式会社  取り組みを読む
スキンケア製品のOEM製造。業務を製造業ではなくサービス業として捉え、本来顧客が作成する発注スケジュールを自社で作成提案する。社員満足に重きを置き、ジョブローテーションなどを実施。

17 清川メッキ工業株式会社  取り組みを読む
常に革新的な技術を生み出し続けるメッキ会社。PDCAサイクル(Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善))を参考に独自の管理サイクル「SAPD」を実践。Study(学び)→ Action(すぐ試し) → Plan(計画) → Do(実行)。

18 株式会社王宮  取り組みを読む
バブル崩壊後、外国人旅行客に特化したホテル。餅つき体験などの日本文化の紹介をロビーで行う。全社員の20万円の決裁権を移譲したり、社員が中心となってホテルの改装を行うなど、社員との信頼関係が高い。

19 株式会社スーパーホテル  取り組みを読む
連泊の際は清掃をしない、歯ブラシなどの使い捨てアメニティを用意しない代わりに、独自のエコ商品をプレゼントするなど、顧客とともに省資源化に取り組み顧客満足度をあげる。

20 医療法人社団ゆめはんな会 ヨリタ歯科クリニック  取り組みを読む
保険点数が低い予防治療に注力することで飛躍的に業績をあげた歯科医院。予防が重要な永久歯に生え変わるタイミングと子と40歳以上の女性の来院動機をあげるため、コンシェルジュの配置や教育託児ルームなど、歯科医院の枠を超えたおもてなし。

21 株式会社レック  取り組みを読む
業界初のデザインアルバムや小規模結婚式をヒットさせた。顧客の要望に添えない場合、最終的に社長まで持ち上げて代替案を検討する。権限委譲を積極的に行い、レストランウェディングなど現場社員のアイデアで事業化されるものも。

22 島根電工株式会社  取り組みを読む
設備工事会社。公共事業中心の方針から転換し、照明が暗い、コンセントが足りないといった、日常生活での困りごとを1,000円(!)の小口工事から受け付け、売上の約40%を占めるまでに。「会議研修株式会社」と呼ばれるくらい緻密な研修が裏付けに。

23 一般財団法人操風会 岡山旭東病院  取り組みを読む
地域の「かかりつけ医」を支援する「地域医療支援病院」。理念を職員と作り上げる。一つは職員の幸せ、一つは温かい医療。医者がモニターばかり見ているという投書をきっかけに電子カルテ入力の職員を配置

24 西精工株式会社  取り組みを読む
高精度、高品質、極小のナットなどを製造。高い品質を保つために、毎朝40分理念を共有し話し合う朝礼を行っている。

25 医療法人寿芳会 芳野病院  取り組みを読む
リハビリテーションを中心とした病院。女性が働き続けられるよう 57 パターンの勤務シフト体制(!)を持つ。待合室にはサンクスツリーという木があり、患者の感謝の気持ちが書かれたハガキが吊るされている。

26 新日本製薬株式会社  取り組みを読む
美容や健康に関わる商品の通信販売を主軸とする製薬会社。客から指摘され回収・調査した現品を社員に展示して顧客の体感を共有している。

27 株式会社プレースホーム  取り組みを読む
注文住宅やリフォームを手がける。建てた後も毎月訪問。全社員が建てた600戸全てを回れるよう調整されている。繁忙期のゴールデンウィーク、お盆、正月に長期休暇を推奨して、顧客と同じ目線を身につける。

28 医療法人社団大浦会  取り組みを読む
介護士が「先生」、高齢者が「生徒」になる「おとなの学校」と呼ばれる介護施設。「先生」はブレザー着で高い誇りを持つ。3ヶ月の「通学」期間中に、「生徒」は教室間を早く移動できるようになるなど、元気を取り戻す。

 いかがでしたか。さて、以上28社の資料を読んだ雑感なのですが、理念を共有するために毎日30分以上朝礼を行っている企業が目立ちました。それも一方的なものでなく、話し合いを取り入れています。理念の共有が大事なことは誰もが知っていることですが、実践するためにそれだけの手間を惜しまない企業が多いことが印象的でした。ここミラフツも平日毎日というのが大事だと考えていることと、共通していると感じました。

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