3/24、NPO法人未利用資源事業化研究会(未利研)でドキュメンタリー映画 「もったいない!」の上映会が行われました。
この映画では日本を含む世界各国での「もったいない」事例がオムニバスで紹介されていきます。
その中で、一つ大きなテーマとして取り上げられていたのが、出荷されない野菜。味や栄養は問題ないのに形や大きさがよくないという理由で野菜が出荷されないのは、日本だけの問題ではないようで、フランス、ドイツ、アメリカなどでも日本で聞くような話が繰り返されていました。どの国も同じような状況のようです。
味も栄養も同じなのに!と画面の中の人は各国の言葉で訴えています。規格は形や大きさで決まっていて、味や栄養ではないのです。トマトの色という例も出ていました。
この問題は未利研でも何度も議論されています。かつて規格を作るとき、味や栄養が基準として採用されなかったのが悔やまれるそうです。
きれいならいいじゃないかと思うかもしれませんが、野菜は色や形ばかり追求されるようになった結果、栄養が減っていると言われます。日本食品標準成分表に野菜の栄養が載っていますが、肝心の野菜にそれだけの栄養がないのです。病院などで日本食品標準成分表に従って作られた食事には、充分な栄養がない可能性があるのです。
かつて味や栄養が規格として採用されなかったのは、検査技術がない、あるいは手間がかかり高価であったことが大きな原因と考えられます。しかし、近年は、検査技術が発達してきたことで、この問題に切り込むことが可能な時代になってきました。もしたとえば有機野菜など最近の農法で作られた野菜の方が栄養がしっかりあるということが分かれば、農業にとって大きな節目になることでしょう。栄養があるかが規格になるという本来当たり前のことがようやく未来の普通になるのです。そうなれば、やみくもに手間をかけて儲からない農業ではなく、効率的にしかも栄養の高い野菜を作る農法が発達することでしょう。
また、メタボローム解析といった技術も発達しています。これは、対象に含まれる物質を多数含まれる少量なものまで解析できる技術です。これを使うことで、栄養豊富な野菜には、単に主要な栄養が多いというだけでなく、より多様な栄養を持っていることが示せるかもしれません。
これも栄養の考え方に大きな転換期をもたらすかもしれません。次のグラフは、日本人の栄養所要量というデータから18~29 歳男性の栄養所要量を量の多いものから並べたものです。
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