(前回、研究者は、バランス良く知識を身につける∇型人間を目指せというフツクロウに、それに納得したミライ、そこでフツクロウは少し話題を変えるようです。)
フツクロウ: ホッホッ、優秀優秀。では、さらに、もう少し知識の構造について考えて見ようではないか。
ミライ: 知識の構造? 「知の構造化」とか言うのですか? 難しい話だと思うんですが……。
フツクロウ: ホウ、そうじゃな、その難しい話にはならんぞ、知識はロングテールという話じゃ。
ミライ: ロングテール。
フツクロウ: そうじゃ。知識もロングテールじゃ。じゃが、その話に入る前に、ロングテールを学ぶということは、こうやってロングテール性を見つけたり、その意味を考えたりすることじゃ。深く学ぼうとすれば、ややこしい式をいじる必要があるが、そこまでできなくても、ロングテールの性質を考えるだけでも、いろんなことが分かってくる。
ミライ: その「だけ」も結構大変なんですが……。
フツクロウ: ホッホッホッ。そうじゃな、今まで良く出ていた正規分布などとは根本的に違うからの。できるだけたくさん例に触れてみようぞ。
ミライ: はい、お願いします!
フツクロウ: ということで、前回取り上げた知識について、さらに考えてみよう。前回も言ったように、いかに天才と言えど、あらゆる知識を持つことはできない。しかし、
1億人が知ってる知識を1つ知ってたら、
1000万人が知ってる知識を1つ、
100万人が知ってる知識を1つ、
10万人が知ってる知識を1つ、
1万人が知ってる知識を1つ、
1000人が知ってる知識を1つ、
100人が知ってる知識を1つ、
10人が知ってる知識を1つ、
という風にバランスで知識を持つことはできる。常識もあれば、専門的な知識も、そこそこ詳しい知識もあるのが前回話した∇型人間じゃ。たとえば1000人が知っている知識を全て知っているわけではないが、そんなことはできないし、それでいいんじゃ。
ニコニコ動画で例えれば、ニコニコ動画で全ての動画を見ることはできんどころか、再生数1000回くらいの動画がカバーするニッチな分野全てをカバーすることもできんじゃろう。でもニッチな分野からポピュラーな分野を幅広く楽しむことで、ニコニコ動画の世界を満喫することはできるわけじゃ。
ミライ: むむむ。ニコニコ動画を楽しむように、世界中の知識を楽しめと。
フツクロウ: ホッホッホッ、その通りじゃ。実際、個人個人が持つ知識はそもそも、∇型じゃろう。常識的なことから、ニッチな知識まで幅広くもっておるはずじゃ。
ミライ: はい。そうだと思います。
フツクロウ: とするとじゃ。これまで学んだことから考えれば次のことが分かる。つまり、世界中の知識について、もしそれぞれ何人知っているかを数えて、多い順に並べてグラフにすれば巨大なロングテールになる。
それに対して
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