ミラフツ[S馬]今週の馬車目線 目次


 昨日も[S]でしたが、気にせず今週の馬車目線[S馬]です。現代社会で普段あまりに頻繁に言われているので当たり前のように聞き入れているけど、落ち着いて考えると「ちょっと待って!」ということについて考えます。

 なんだか、オリンピックでいい成績が残せなかったのにいい思い出とか言うなとかいう話題があるようです。元映像とか調べてませんが、そんないい成績という小さい天秤よりもっと大きい天秤があります。

 オリンピックは詳しくないので、まず研究の分野から話しますが、国際学会で海外に行くときこんな問題があります。大学などから研究の成果を発表するために海外の国際学会に行く場合、不必要な延泊をしていないか、ついでに他の国に行っていないか、帰った後バスポートを厳しくチェックされたりすることがあります。

 アホ丸出しです。グローバル人材必要なんでしょ? グローバルな人材になるには、他国の文化の理解は必須です。海外の学会に行こうものなら、いかにたくさん他国の文化にふれ、何を吸収したか、むしろそれを研究室で発表するくらいでもいいのです。いろんな人と交流してほしいし、その国の代表的な食べ物は全部食べてほしいし、飲めるならその国の代表的な酒も全部飲んでほしいし、有名なアートも見てほしいし、景勝地にも訪れ自然への畏怖を再確認してほしいです。

 まさか、空港とホテルと会場を直線で結んで移動して、発表終わったら脇目も降らずに帰って来るなど、大損害です。そんなんだったらお互いskypeでつないで意見交換した方が2ケタ安くすむのではないでしょうか。
 でも下手すると、研究室に閉じこもったタコツボ人材予備軍は、自ら喜んでとんぼ返りしかねません。忙しいしお金もったいないし。むしろ寄り道を奨励しないといけません。

 スポーツもきっと同じです。
 オリンピックで海外の一流選手と真剣に競うことで得られる世界的視野、さらに競技内外で各国選手と交流することで肌で感じ取る他国の文化、ロシアの地を踏み滞在することで触れるロシアの文化。
 オリンピックに参加した選手は、みなグローバル人材としての一歩を踏み出し、日本のグローバル化の担い手となります。下世話な言い方をすれば、日本の輸出力向上に貢献していくでしょう。
 メダル取れたら嬉しいけど、日本の選手がオリンピックに参加することの本当の効果に比べれば、メダルが取れる取れないかなんて、ちっさい天秤です。その天秤はオリンピックは参加するだけで元が取れる大きい天秤に乗っているのです。成績より「思い出」と呼ばれるグローバルな経験にこそ価値があるです。

 せいいっぱい競技に打ち込み、もし負けても楽しいすばらしい思い出もいっぱい作ればいいと思います。相手がいる話ですから、かならずいい成績が残せるわけではなし、でもグローバル人材としての経験は、誰でも負けても必ず得られます。ぜひ世界を見て見聞を広げてください。

 そういえば、ちょうどこんな記事を見かけました。

 新しいアイデアを生むには失敗にも報酬を与えるべし:Google X Labの開発者が語る : ライフハッカー[日本版]  

 期待された成績を残せなくても、「すごい経験をした」ことは大いに讃えていいのではないでしょか。

 さて、この話につきまとっている「国費を使っている以上〜」、いろんなところで弊害おこしまくっています。国民全員から集めた税金を使えば、何をどうしたって文句をつける人は出てきます。なにしろ全員ですし。