私が活動しているNPO法人未利用資源事業化研究会では、様々な未利用資源の事業化を検討しています。我々の活動に限らず、未来の資源循環型の社会にむかって、今は廃棄されている未利用資源がどんどん活用されるようになっています。その背景には様々な知恵と工夫がありますが、その中でもよく問題になるのが、乾燥技術です。

 野菜屑や捨てられる海産物をなんとかしたい、そんなときまず最初のステップとして問題になるのが、乾燥です。湿気たままでは痛んでしまいますから、何か手を加えなくてはいけません。すぐ加工してしまうか、いったん冷凍や乾燥などをすることになります。

 しかし、冷凍や乾燥にもコストがかかりますから、材料に応じて、なるべくコストのかからない技術を選ばなくてはいけません。伝統的に適切な乾燥技術がなかったために、利用されず廃棄されていた未利用資源がたくさんあります。しかし、新しい乾燥技術が生まれることで、利用が可能になる物が出てきています。未利用資源が活用される背景にはこのような技術革新もあるのです。

 そこで、いくつか乾燥技術を見てみましょう。

 温風乾燥法

 温風で乾かすというもっとも伝統的な乾燥技術の一つです。素朴な手法ですが、温度が高過ぎると対象が焦げてしまったり、低過ぎると乾くのに時間がかかるという欠点があります。(参考:熱風乾燥機の選び方

 スプレードライ法

 スプレードライ法は日本語で噴霧乾燥法と言われ、液体を微細な霧状にし、これを熱風中に噴出させ、瞬間的に粉状の乾燥物を得る方法です。インスタントコーヒーなどですね。液状かどろどろでないとできないため、野菜くずや廃棄海産物などには使いづらいです。

 フリーズドドライ法

 目的に応じてあらかじめ加熱や味付けなどの処理をした、水分を含んだ食品や食品原料を、マイナス30℃程度で急速に凍結し、さらに減圧して真空状態で水分を昇華させて乾燥すること。(wikipedia より)
 比較的新しい方法ですが、この一旦凍らせて乾かす方法は画期的で、乾燥お味噌汁とか様々なものが登場しました。が、加工コストが高く、廃棄ものの乾燥にはなかなか採用できない欠点があります。

 以上は今までの典型的な方法ですが、他の技術も増えています。

 流動+気流乾燥法

 テンセイジャパン社では、セラミックボールと一緒に対象を熱風で吹き上げながら乾燥させることで、焦げ、変色の無いスピード乾燥を実現しています。おからなどの乾燥で威力を発揮します。乾燥おからは唐揚げの衣に少し混ぜると、とってもジューシーになる魔法の粉ですよ!

 減圧乾燥法 

 八尋産業社では、減圧乾燥法による乾燥機を提供しています。
 乾燥野菜・粉末化が高精度に!
 減圧乾燥法は、乾燥温度が低いことにより製品に無理がかかわらず、 品質(味・香り・栄養価・色素・組織)を損ないません。また、乾燥ムラがなく、ひび割れや変形も起こりにくいので、精度を要求される製品の乾燥にも最適で、乾燥コストが安価です。
 乾燥野菜などが作れるそうです。まだ実物を見たことがないのですが大変気になります。

 瞬間高温高圧焼成法

 高温でプレスする方法で、一気に水分を蒸発させ、細胞を壊すことができる方法で、魚などから良いお出汁が取れるようになります。瀬戸鉄工社が提供しています。

 こういった技術進歩のおかげで、少しずつ未利用資源が活用できるようになるのは頼もしいことですね。皆さんもなにか新しい乾燥技術考えてみませんか。とりあえず漉いた紙を上手に乾かす方法ないですかね……。

 ところで、乾燥機と言えば先日連れの実家の稲刈りがありました。稲刈りの後はモミの乾燥機で乾燥します。毎年何気なく見ていたのですが、