未来の普通:たまに馬車目線付き

【馬】法律の向こう側

2013/09/11 00:30 投稿

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この記事は後半【馬車目線】(?)でお送りします。

 今日のNHKクローズアップ現代は、防げるか? 身近な事故というテーマでした。その中で、機械式立体駐車場での死亡事故が起きるのに対策が進んでいないという事例が紹介されていました。駐車場の中に人がいることに気付かず操作してしまい事故が起こるそうです。

 そのような事故を防ぐには、たとえば、人が誤って入らないように、駐車場の入り口だけでなく、四方を柵で囲うという対策があり推奨されていますが、義務化はされておらず、なかなか広がっていないそうです。

 このような事例では現行の法律では、周りに柵がない場合でも、人がいないかを確認していなかった使用者のミスと判断され、駐車場のメーカーや所有者は問われないそうです。対策が進まないことの一因です。

 確かにカッターを使っていて指を切って怪我しても使っている人のせいだし、振り回して人に怪我させてもカッターの一定の基準を満たしていれば、メーカーの責任になるわけではありません。

 でも、カッターとは少し事情が違います。

 例えば、それがマンション付属の機械式立体駐車場とします。もし死亡事故が起これば、例えそれが使った人のミスだと言われても、マンション理事会では対策が相談され、柵で囲うなどの対策が取られる可能性が高いでしょう。「あのマンションの駐車場は危ない、人が死ぬ」と言われ続ければ資産価値が下がってしまいます。

 では対策は進むでしょうか。いえなかなか進まないでしょう。マンションを建てるときはデベロッパーのものです。法律で決まっていなければ、そんなところにお金をかけるより、より高く売れるように建物の玄関周りなどにお金をかけたくなるでしょう。駐車場の柵が甘いことで購入を避ける人は今のところそんなにいないと思われます。

 結局、柵の甘い機械式立体駐車場が作られ続けてしまうのです。

 たまに「それは法律でそう決まっているから、そうするべき」という人がいます。あるいは、上記のような問題が出たら「それは国が正しい法律をつくるべき」と国に丸投げする人もいます。

 でも実は法律を作っている人も同じ人間です。若い人だとなかなかイメージ湧かないかもしれませんが、お役所に勤めている平均的なイメージの人を想像したら、その中のだれかが原案を書いています。もちろんその分野のエキスパートではありますが、だからといって、完璧な法律を作れるような人間離れした存在ではありません。

 機械式立体駐車場での死亡事故は、年に1件程度のようですから、自動車死亡事故に比べればずっと少なく、ただ「法律きちんとすべき」とだけ言っていても、世の中問題だらけですから、他のもっと深刻な問題にリソースが回ってしまうかもしれません。

 では、どうすればこの問題は解決していくのでしょう。
 

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