この記事は後半【馬車目線】(?)でお送りします。

 大人気のNHK朝ドラ「あまちゃん」。ヒロインのアキちゃんは岩手に戻り、今日の放送では、海辺でその場で剥かれた採れたばかりのウニをおいしそうに食べていました。

 ドラマが始まった頃、アキちゃんは大都会で生まれ育ってたにも関わらず、剥かれたウニを躊躇なくおいしく食べていました。ウニはその場で剥かれると、汁やら他の内蔵やらあって、初めてだったら、それ見てると「え、食べるの?」みたいな躊躇があると思います(参考: 殻付うに、生うに、さばき方、簡単むき方:  youtubeから)。そこを乗り越えられれば、それはそれはおいしい剥きたてウニが食べられますが、そこで気持ち悪くなってしまうと、一度箱詰めされた「きれいに並んだ」ウニしか食べられません。一度箱詰めされた「きれいに並んだ」ウニだって、元々ウニから出てきてるんですけど。

 もちろんアキちゃんは架空のキャラクターだし、今日の映像も、見た感じ、その場で剥いたウニではなくて、ウニの殻に載せられた「きれいな」ウニを食べてたような気はします。それはそれとして、今まで「きれいに並んだ」ウニしか食べたことがない人が、いきなりその場で剥いたウニを食べられるかは、人によってまちまちではないかと想像します。

 でもって、その辺が都会に住む人の現実に現れる壁のような気がします。今どんどん地方がブームになってきていて、地方が気になって来ている人も多いと思いますが、地方の人にとって何でもないことが、都会の人にはそれなりの壁になってしまう、今後地方が注目されるにつれ、そういうところが細々と現れてくるのではないかと感じました。

 例えば、日本に帰って来て、親から自家製の野菜をもらうようになってから、そういう野菜が苦手な人がかなり多いことを知りました。東京にいたとき、最初のうちは気軽に人に配っていたのですが、どうもいやだった人がいたのです。なのでこっちから配らない方がいいなと控えるようになりました。今福山に引っ越しましたが、やっぱり、そういう方います。

 おなじ野菜のはずなのに。

 これが何を意味するかというと、生産者はそういうより生産の場に近いものを知ってるけど、都会の人に押しつけたり見せびらかしたりしないということです。そんなことしたら、一定の割合で「汚い」とか嫌がられるのです。
 マンガ『銀の匙』では、生産の場でしか食べられないようなトウモロコシや牛乳や獣の肉とかいろいろ出てきて、しかも手に入ったとなったら農作業などの手を休めてでも、それを調理して食べたりして、実においしそうなのですが、都会の人にはそういうのを嫌がる人がいるということも、みな知っています。なので都会の人はますますスーパーに並ぶ「きれいな」食べ物しか触れる機会がなくなります。

 そういうのに触れたければ、自分から積極的に挑戦していかねばならないのです。