競争ってすばらしい - Chikirinの日記
がずばっと言ってて気持ちいいですね。
でも、え、結局競争社会でないといけないの? と不安になったので、ちょっと整理してみました。
競争はやりたい人がやればいい
ちきりんさんの話は、企業とか空港とか組織の話で、まったくその通りです。でも、人間一人一人は、競争したい人がすればいいのであって、強制されるべきではありません。ただ子どものうちに、何かの形で競争することで、自分が伸びることや、勝った時の高揚感、負けた時の悔しさ、やってるときの充実感、そういったものを体験しておけることは大切です。競争が自分にどう役立つのか、その体験があれば、後は、自分がそれを必要とする時に競争を活用すればいいでしょう。ゲームで争うとか小さな競争は誰でも良く活用してるでしょうし。でも必要としないなら無理にする必要はありません。
そういう強制がないなら、「競争ってすばらしい」って大声で言えそうです。
競争しないとジリ貧?
でもこの厳しい世の中、競争しなければまともに生きて行けないんじゃないかと不安にもなります。でもなんかそういうのがいっぱいあることに気付きました。リーダーシップ、決断力、イノベーションの力。みんな同じです。つまり……。リーダーシップ
これからはみんなリーダーシップが求められると良くいわれます。卓越したリーダーシップをみなが持つことは無理ですが、リーダー以外のメンバーも適切なリーダーシップを持っていることは大きな力になります。リーダーの元で自分に任された部分については、小さなリーダーシップを発揮してプロジェクトを進めていくのです。とはいえ、ないとどうしようもないというわけでもありません。なければないで、そういう分担をすればいいのです。部分的ではあってもリーダーシップを発揮することは、なにより自分が充実しますから、自分のためにすればいいのであって、必要なければ無理に発揮する必要はないでしょう。
ただ、これもまた子どもの頃になんらかの形でリーダーを任されて、リーダーシップがどう自分と関わるのかを体験しておけることが大切でしょう。
決断力
リーダーシップの一部ともいえますが、決断力も大事だといわれます。必要なのはなにも大きな決断だけではありません。私がアメリカで下宿していた時、ホストが教えてくれた話があります。「夫は家を買うという大きな決断をした。私はカーテンやカーペットなど小さな決断をいっぱいした。」と。小さな決断を無数にするのも、大きな決断力がいります。私たちには決断力も求められています。
でも、これもなければないで、やっていけます。が、たとえば旦那がカーテンやカーペットを決めるなんて、それがいいコーディネートになるわけがなければ、自分が決めるしかありません。自分で決める満足、責任、そういったものが必要なら発揮すればいいのです。子どものときにそういう体験を通っておけば、後は必要なときに必要なだけ決断すればいいのです。
イノベーション
今は変革期です。大きなものから小さなものまで、無数のイノベーションが必要とされています。どんなに小さくてもいいから皆が一つイノベーションをすれば、世の中はあっという間に良くなることでしょう。でもイノベーションや発明なんてものは、こうすれば必ずできるというものではありません。そこには必ずなにかいままで気付かなかった飛躍が必要で、万人に生み出すことを強制できるようなものではありません。
でも、日々イノベーティブな姿勢で物事に取り組んでいれば、ごく小さなイノベーションなら起こらないわけがありません。強制されることなく、みずからちょっとイノベーティブな姿勢をこころがける。それくらいで充分だと思います。こういった姿勢も子どもの頃に訓練を受ける機会があることは大切でしょう。
生きていればどれかは起こるし、それでなんとかなるくらいなら
とりあえず4つ並べましたけど、まだ並べられそうです。科学リテラシーとか、コミュニケーションの力とか、○○力とかむしろキリがなさそうです。こゆの全部兼ね備えてる人なんてほとんどいなくて、みんなデコボコはあるし、どれも全くないなんて人もいません。で、生きてれば、そのうちどれかは発揮したくなって、そしたら発揮すればいいのではないでしょうか。「ニートの歩き方」で紹介した pha さんだって、ニートだニートだって言ってるわりには、ギークハウスをイノベーションしたり、本書いてリーダーシップ発揮したり。こんな風にたくさん発揮できるものがあるので、競争が強制されず、しかも「平凡な能力の人でもそこそこ生きて行ける仕組み」は無理な話ではなさそうです。
ということで、「競争ってすばらしい」って聞いた時、一瞬「ヒッ」って思ったんですけど、落ち着いて考えたらそんなに心配する必要なくて、「うん、競争ってすばらしい」って思っていいかなというのが、今日のところの結論です。
・併せてどうぞ
*六*【「ニートの歩き方」に見る社会の最新技術6】凡庸社会 つまりここで考えた「平凡な能力の人でもそこそこ生きて行ける仕組み」の話ともちゃんと折り合いがつきました。
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