天王寺区マスコットキャラクター「ももてんちゃん」
大阪市天王寺区の無報酬デザイナー募集に抗議が殺到し、中止になったというお話がありました。
区が無報酬デザイナー募集…抗議殺到、計画中止 : YOMIURI ONLINE
区が無償で一年間デザインしてと募集したもので、記事を読めば、多くの人が「天王寺区なに考えてるの?」と思ったことでしょう。
結果だけ見るとそうなるのですが、逆にいうと、自治体がいままで対価を払って来なかったデザインにいきなり予算をつけるのも難しいです。
次のような道筋が必要です。
その道筋とは、最終的に自治体がデザインに正当な対価を払えるようにするということです。上記の記事でも
「正当な対価を払うべきだ」などの意見があったとあります。もちろんそうなるべきです。
しかし、現状、
従来、区制作のポスターやチラシは職員がデザイン。とありますから、もうデザインできてしまっているわけです。
昨年8月に就任した元NHK記者の水谷翔太区長が、「民間の力を生かしてよりよいものを」と発案した。
とあるようにもっと良くしたいんだけど、もうできてしまっているから、自治体がそれを予算化するのは困難を極めます。
予算化するには、次のようなステップを取ると良いでしょう。
1. 担当部署の中で、将来のあるべき姿をおおまかにでも描いておく: 一つは、すばり、将来はデザインのための費用を予算化するということです。あるいは、自治体の規模や目標によっては、その自治体在住のデザイナーに限定するという姿もあるかもしれません。この辺りを示さなかったことが今回一番まずいところだったと思います。
2. 小さく始める: 将来予算化するためには、議会を説得できるデータが必要です。そのために小さく始めてみます。なにか一つのイベントに絞ってデザイナーさんにお願いしてみるのです。このとき、アンケートなどを利用して、どれくらい効果があるか測定してみるといいと思います。デザイナーを使わない従来のデータを用意しておいて、ポスターかチラシどちらかだけデザイナーを取り入れ、アンケートで効果を見るなどできるでしょう。どのように測定するかも含めて相談していいと思います。
いっそ、そういう勉強会をすることにして、お呼びするデザイナーさんには講師代をお支払いするという方法なら、今ある予算から工面できないでしょうか。あるいは別の方法であれ、従来の枠でできる形がいいと思います。そこで効果測定の実験過程の中で、イベントポスターのデザインもお願いするのです。
大事なことは「デザイン」に対価を払わないことです。もしささやかな対価を払ってしまえば、それが前例になって、将来もそれだけしか払えなくなるかもしれません。
3. 無償公募をする: ここで、今回天王寺区で行ったような仕掛けの段階です。つまりデザイナーの協力を得たイベントなどを何回かこなし、数値などで評価する方法を確立しておいて、そこで1年など時限を区切って、「プロボノ」を公募します。1年という包括契約をすることで、イベントのように効果の測りやすいものだけでなく、街のスローガンのようなじわーっと広がっていくタイプのものも試すことができます。この効果を材料に、本来の目的である予算化をしていきます。公募ではこの街はどういう審査基準を使うべきかといったノウハウも溜まっているはずです。
こういったステップを踏むことで、「民間の力を生かしてよりよいデザインを」活用した街の活性化に取り組むことができるでしょう。
今回天王寺区はかなり大きくしくじりましたが、まだ挽回できるかもしれません。また、もし、他の自治体でもっとポスターやチラシを良くしたい!と思うところがあれば、ぜひ天王寺区を他山の石に上手にことを進めてほしいものです。
予算化するには、次のようなステップを取ると良いでしょう。
1. 担当部署の中で、将来のあるべき姿をおおまかにでも描いておく: 一つは、すばり、将来はデザインのための費用を予算化するということです。あるいは、自治体の規模や目標によっては、その自治体在住のデザイナーに限定するという姿もあるかもしれません。この辺りを示さなかったことが今回一番まずいところだったと思います。
2. 小さく始める: 将来予算化するためには、議会を説得できるデータが必要です。そのために小さく始めてみます。なにか一つのイベントに絞ってデザイナーさんにお願いしてみるのです。このとき、アンケートなどを利用して、どれくらい効果があるか測定してみるといいと思います。デザイナーを使わない従来のデータを用意しておいて、ポスターかチラシどちらかだけデザイナーを取り入れ、アンケートで効果を見るなどできるでしょう。どのように測定するかも含めて相談していいと思います。
いっそ、そういう勉強会をすることにして、お呼びするデザイナーさんには講師代をお支払いするという方法なら、今ある予算から工面できないでしょうか。あるいは別の方法であれ、従来の枠でできる形がいいと思います。そこで効果測定の実験過程の中で、イベントポスターのデザインもお願いするのです。
大事なことは「デザイン」に対価を払わないことです。もしささやかな対価を払ってしまえば、それが前例になって、将来もそれだけしか払えなくなるかもしれません。
3. 無償公募をする: ここで、今回天王寺区で行ったような仕掛けの段階です。つまりデザイナーの協力を得たイベントなどを何回かこなし、数値などで評価する方法を確立しておいて、そこで1年など時限を区切って、「プロボノ」を公募します。1年という包括契約をすることで、イベントのように効果の測りやすいものだけでなく、街のスローガンのようなじわーっと広がっていくタイプのものも試すことができます。この効果を材料に、本来の目的である予算化をしていきます。公募ではこの街はどういう審査基準を使うべきかといったノウハウも溜まっているはずです。
こういったステップを踏むことで、「民間の力を生かしてよりよいデザインを」活用した街の活性化に取り組むことができるでしょう。
今回天王寺区はかなり大きくしくじりましたが、まだ挽回できるかもしれません。また、もし、他の自治体でもっとポスターやチラシを良くしたい!と思うところがあれば、ぜひ天王寺区を他山の石に上手にことを進めてほしいものです。
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