加計問題が引きずり、今後いろんな展開が起こりうる情勢になりました。

 どんな展開がありそうなのでしょうか。

 1 つつがなく3選

 この瞬間こそ騒がれている加計問題ですが、結局犯罪というわけでもなく、そのまま追求も尻すぼみ、急落した支持率も回復、そのまま来年9月の総裁選もつつがなく再選され、改憲まっしぐらです。派生としては、無選挙当選はまずいと直前に別候補が立つかもしれませんが、あくまで当て馬、安倍3選は変わりません。

 2 ガチンコ総裁選

 1同様にこのまま安倍政権が持ち直して政権維持するものの、来年9月の総裁選で3選を阻むべくガチンコ候補が立ちます。しかし、去年3選ありを認めてから、内外ともに安倍さんの3選が既定路線です。ガチンコで勝負するには、自民党として早くからガチンコをやるんだという雰囲気を盛り上げる必要があります。そのためには7月の都議選終わったら、ポスト安倍を意識した動きを始めることになりそうです。

 3 安倍降ろし

 今回の騒動の一番特徴的なのは、騒動の根幹には安倍さんしかいないということです。要は「安倍トモファースト」という疑いだけが問題であり、安倍さんさえ辞めれば自民党本体は特に国民からお咎めを受けるような状況ではありません。

 自民党議員はみな当然そのことに気づいていますから、何かをきっかけに安倍降ろしが始まれば、一気に辞任圧力がかかるでしょう。

 4 衆議院解散

 3安倍降ろしが始まった場合、安倍さんもただ辞めさせられるのはたまったものではありませんから、やけくそに衆議院を解散する可能性があります。もしそれで勝てれば1に戻る可能性もあります。

 5 「小池新党」に流れる

 ここにきて事態を複雑にする動きが始まっています。「小池新党」です。すでに小池知事に同調してる国会議員が5人以上いるそうで、都議選で都民ファーストの会(都民F)が惨敗しない限り、都議選後に「小池新党」ができそうな情勢です。
 仮に都議選で都民Fが大きな勢力になった場合、安倍さんは衆議院解散がしにくくなります。今この瞬間なら解散して選挙をしても、受け皿となる野党がなく、惨敗しなくてすむかもしれませんが、「小池新党」ができてしまうと、その時の流れによっては小選挙区でばたばたと破れて、政権交代までおきかねません。
 となると、解散しにくくなります。そこで批判が収まらないまま安倍さんが辞任しない場合、自民党を見限って「小池新党」に合流する議員が出始めます。

 6 自民党分裂

 数名でも「小池新党」に議員が流れると、「自民党は泥舟」というイメージができます。自民党議員としてはそのまま泥舟に乗っていると、次の衆議院選挙で一気に敗北する可能性があります。かといって、自民党といういわば政界のメインプレーヤから降りるのも勇気のいることです。
 その場合、分裂してしまうという手があります。たとえば石破さんなんかは、ポスト安倍を伺うような議員ですから、自民党を離党して「小池新党」に合流なんて選択肢はありませんが、自民党の支持率があまりにも落ちるようですと、「自分たちはその自民党とは違う自民党だ」と分裂するのです。
 今そんなこと言っても石破さんに付いてくる議員は少なそうですが、今後はどうなるかわかりません。
 公明党が連携を解消してきてしまうと、日本維新の会との連立を維持していても、292人の自民党議員のうち 73人以上が分裂すると過半数を割ってしまいます。

 7 完全に流動化

 さて、いろんな選択肢を考えましたが、実際は、これら5つの可能性をにらんで、各議員がめいめいに行動を起こすということです。地元の議員のブログとか見てると「共謀罪」も「加計問題」にも一切触れません。明らかに1以外の可能性を意識していることでしょう。

 普通の展開と違って、「小池新党」という新しい勢力がちらちらしているため、議員たちの動きがバラバラになりそうです。そうなると、すっきりとした政局は見込めず一寸先は闇の流動化が起こります。自民党が3つにも4つにも分裂することだってあるかもしれません。そうなれば衆議院解散は不可避です。選挙後の勢力はどうなるのでしょうか。

 まとめ 

 都議選で自民が負けてなんらかのけじめが必要になり、「1 つつがなく3選」ではまずいとなると、自民党が3つにも4つにも分裂するくらい政局が溶けてしまう可能性すらあるのです。

 政局から目が離せない日々が続きそうです。

(2017/6/27 追記: 
 都議選「自民大敗」で麻生「ワンポイント首相」の可能性(新潮社 フォーサイト) - Yahoo!ニュース に麻生さんの「ワンボイント首相」という可能性が紹介されていました。安倍さんの健康不安説もまことしやかに流れてますし。
 3の派生とも言えますが、目の前の事態を収束させるには良さそうです。とりあえずは「ワンボイント首相」で乗り切り、落ち着いて総裁選をし、分裂や流出を防ごうというものです。自民党としては上記のように政局が溶けちゃうのは大問題ですから。「小池新党」の勢いが強いと、この流れにうまく乗せることができず、上記のような事態になるのでしょう)



《ワンポイントミライ》(

ミライ: 森友問題は籠池氏一人が悪者になって終わりかなという感じでしたが、その時からくすぶっていた加計問題とうとうここまできましたね。3月頃には加計学園も問題じゃないかという声はありました。

フツクロウ: ホウじゃな。