6月20日の記事で数日以内に読んでいたのですが、紹介が今日になってしまいました。

 従来手法に基づくプロの棋譜を用いない評価関数の学習

 将棋の人工知能がプロ棋士より強くなってしまったことは、広く知られていますが、まだプロ棋士より強くなる前は、プロ棋士たちの過去の棋譜を学習することで強くなっていきました。

 が、途中から棋譜が足らなくなって来て、なのでコンピュータ同士で対戦してその棋譜を学習するようになり、さらに強くなっていったのです。

 とすると、もしかして最初からプロ棋士の過去の棋譜を使わなくても、コンビュータが何も知らない状況から始めても強くなれるのではないか、と考えられますし、実際それができてしまったという話なのです。

 最初はとにかくやたらめったら指しまくって、そしたら最後に勝ち負けがあるから、そこからいい手悪い手を判断できるようになるというわけです。やたらめったらというのが、とりあえず1億手くらいと人間にはまったく真似のできないくらいの「試行錯誤」を繰り返すことで、人間がいなくても強くなれることが実証されたわけです。

 昔羽生善治が「コンピュータが強くなっちゃったら、ルール少し変えちゃえばいいんですよ」みたいなコメントしたことがあったのですが、その時に(え、それは違うだろ)と思ったもんですが、まあそれが証明されちゃったのです。上記の記事だと、0から始めてせいぜい1日2日もあればプロ棋士並みにできるようです。したがって、「ちょっとルールを変えた将棋」も1日2日で人間が絶対勝てないレベルになってしまうことでしょう。

 これが何を意味しているかというと、コンピュータが黙々と繰り返せるような課題は、人間いなくても問題が解けるようになるということです。

 昔、タンパク質の構造がわからないのでゲーム仕立てにしたら、世界のゲーマーが解いたってことがありましたが、これなんか今ならコンピュータが解けることでしょう。今どうなってるんだろう。

 街中の信号のパターンなんかもどんどん解いて欲しいですね。福山市の信号の空気読まなさ加減には本当に辟易されられますが、google map にすらがんがん渋滞情報出てますから、データも取れてるし、そこから推測できる交通量を元に市内全部の信号まとめてシミュレーションして最適化すればいいんです。もうそこに今までの人間のノウハウなんていらないのです。

 早くやってぇ。

 人工知能が人間を越えると言われているシンギュラリティにまた一歩近づいた偉大なマイルストーンがひっそりと達成されていたのでした。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: 「プロの棋譜なんていらんかったんや」ってやつですね。

フツクロウ: ホッホ。