クロ現+でこんな放送があったようです。
カネ余りなのに借りられない? ~“金融排除”知られざる実態~ | NHK クローズアップ現代
・・。
私が日本に帰ってきた10年以上前に書かれていた内容とほとんど変わりません。「フィンテック」という言葉が当時はなかったくらいでしょうか。
もう世界はずっとカネ余りです。リーマンショックだって、金が余ってバブル起こして破裂したわけですし。
「貸し渋り」も、もうバブル弾けてからずっと言われていることですし、そういう意味では、金融は長年ほとんど何にも変わっていないのかもしれません。
金なんてずっと昔から余ってます。でも銀行など金を出す側は、ずっと「金を貸す先がない」と言い続けています。
だって、自分で汗をかこうとしないから。クロ現+のレポートに衝撃的な解説がありました。
私も知りませんでしたが、銀行はますます汗をかかなくなっていました。銀行共通で使う『財務格付け』をするシステムがあって、それに従って融資を決めているというのです。
ですから確実なGDP成長が見込まれる世界であれば、銀行共通で使う『財務格付け』をするシステムとやらで、リスクを取らずに堅実に融資していれば利益をあげられます。高度成長の頃はそりゃ楽だったことでしょう。
でも今は違います。世界中カネ余りですから、確実に成長するところにはどっと金が入っていきます。ですから、金利が下がります。GDPが成長しても、それを世界中の余った金がそれを吸収してしまい、しかもそのお金はどこか成長するところに行って再び増えようとします。世界のGDP成長分は毎年そんなに変わらないのに、増えようとするお金は増える一方です。ですから、金利が0になってしまうのです。
閑話休題。一方GDPも0成長です。ということは、銀行は、金を増やしたかったら、必死に目利きをするしかありません。銀行共通で使う『財務格付け』をするシステムとやらで融資オーケーの融資先は、みんな貸そうとしますから金利なんてとれません。かといって適当に融資しては、真面目に返してくれるところもあれば返せないところもできて、プラマイ0です。それがGDP0成長の意味です。
クロ現+でもレポートされていますが、ですから、必死に汗かいて目利きして融資先を決める銀行が出てきます。やはり目利きするとなれば、地の利を生かして地元から探し出すのが一番でしょう。他の銀行と差別化するとしたら、まずは地の利を生かすことです。
さらに、いったん貸したら、収益をあげてくれるよう様々な支援も必要でしょう。銀行が汗をかき始めたのです。そういうことをしない銀行は潰れるしかありません。
それって正しい姿ではありませんか? GDPが成長すると、銀行は楽してのさばります。貸したい時に貸して、やになったら「貸しはがし」してても商売が成り立ちます。GDPが0成長になると、銀行は必死に目利きして融資先を探し、融資した後はきちんと支援しないと儲かりません。そうやって銀行が汗をかくことで、地域の産業が成長します。GDP 0成長の方が、銀行が銀行の役割を果たすように見えます。
銀行の人は今でもめっちゃ汗かいてると言うでしょうが、もっといいかきかたができるようになるのです。
GDPが0成長でも、私たちの暮らしが成長しないわけではありません。
日々スマホは進化します。進化した新しいスマホが同じ値段で出てきます。ものの値段が変わらないので、GDP 成長は0ですが、私たちの生活はちゃんと豊かになり続けています。
ほんとに、ただ一人の「超」インテリとして、GDP0成長でも成長しているという人がいないのが不思議でなりません。「超」インテリは全員、成長=GDP成長であり、多くは、「では GDP 成長するにはどうすればいいか」を論ずるし、一部は「成長しないことを受け入れよう」と、やはり成長していないといいます。
でも失われた20年以上?GDPはあまり成長していませんが、私たちの暮らしは根本的に変わったというくらい変わっています。便利になっています。いったいどこが成長していないのか、「超」インテリは自分の暮らしがどれだけ変わったか気づかないのでしょうか?
(「超」インテリについては、
嫌われるインテリがこれから生きていく方法 シリーズ
をどうぞ)
普通のインテリは、「超」インテリの言うことをうのみにせず、まずは「成長とはなにか」から考えなくてはならない、面倒臭い時代なのです。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: とはいえ、GDP 0 成長は、私たちと銀行の関係にもめっちゃ影響ありますよね。
フツクロウ: ホウじゃな。整理してみるかの。
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