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小学校でローマ字教育を廃止すべき4つの理由

2016/10/11 22:30 投稿

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 現在ローマ字は小三で教えています。今ちょうどうちの次男が習っています。

 このローマ字、もうその大きな役目はほとんど終わっているのに、いまだに小三に教えることで、利益どころが弊害ばかりが目立っています。ローマ字なんて、中学くらいに少しやれば十分です。

 その理由です。

1. 英語教育の邪魔

 小学校で英語が必修化されようという中、ローマ字は百害あって一利なしです。日本人が R が苦手な原因の半分ぐらいは ra, ri, ru, re, ro のせいだと思っています。

 昔は、アルファベットに慣れてもらうために、子供にローマ字を教えることは大きな貢献をしました。
私は、日本語(漢字)とアルファベット以外の外国の文字は、全く理解できません。ハングルを大人になってから一度覚えましたが、すべて忘れました。ギリシャの文字は数学では使いますが、ギリシャ語の単語として書かれていても発音できません。

 幼い頃に文字を覚えておくことはとても大切なことです。

 しかし、英語そのものも習うのであれば、ローマ字で覚える必要はありません。英語の正しい発音を覚える上でローマ字を知ってしまうことは、障害にしかなりません。

2. そもそも使っていない。

 そもそも日本人はローマ字を使う機会がありません。外国人が日本語を学ぶ時には必要かもしれませんが、日本人は必要ありません。せいぜい、名前や地名にいるだけです。たったそれだけのために、小学生が若いうちに正しい英語の発音を学ぶ機会を根こそぎ奪うのは愚かなことです。

3. しかも訓令式はもっと使われていない。

 さらに輪をかけてひどいことに、小三の習うローマ字は、TI とか TU と書く訓令式とかいうやつです。しかし、社会で使われているのは CHI とか TSU と書くヘボン式です。だって、外国人が前者を読もうとすると全然違う発音になりますから。

 まったく英語の知識のない子供が無理やりアルファベットを覚えるには、規則的な訓令式は仕方のないところではあります。小学3年生の子供達がローマ字を学ぶところを毎年見ていますが、この段階で全員にヘボン式を教えるのは無理があります。

 文字を覚えるは早い方がいいけど、ヘボン式ローマ字は敷居が高い。社会で使われない訓令式が残っているのは、その折衷案としてです。

 しかし、今や小三から英語そのものを必修化しようという時代です。

 訓令式は完全にその役割を終えたのです。

4. ちょっと待って、でもキーボードが・・・

 「ちょっと待って、でもキーボードが・・・」という人がいることでしょう。「2. そもそも使っていない。」でそう思った人がいるはずです。

 でも、キーボードを見てみましょう。そこにはひらがなが書いてあるではありませんか。

 私は4年以上小学生のパソコン教育でボランティアしていますが、小学生にしてみれば、ひらがな入力はローマ字入力よりはるかにとっつきやすいです。

 文字入力について、公式には次のようなステップを踏みます。

 ・1年からローマ字を習うまでは、ひらがな入力のパレット(五十音が規則正しく並んでいる)を画面に出してそれをクリックする。
 ・3年でローマ字を習うとキーボードでローマ字入力を習い、そちらを使う。

 が、このローマ字入力というのはかなり高い壁で、毎年3年生のこの段階は、修羅場を迎えがちです。とはいえ、年々ノウハウが溜まっているのですが。

 その一方、勝手にかな入力への切り替えを発見して使う子はどの学年にもかなりいます。だってひらがなですから、子供にしてみれば探すのも早いし、同じ文字は数回使えば、少なくともその授業の間は場所を覚えています。かなは文字数が多いので、大人にしてみれば、アルファベットより探すのが大変なのですが、子供にとっては慣れないアルファベットよりも、ひらがなの方がはるかに早いのです。

 (何年か前は、授業でローマ字を小文字中心に習ったため、キーボードの大文字がわからず打てない子が多発しました)

 キーボード入力なんて、かな入力モードにすれば、子供達は勝手に自由に打てるのです。

 なぜそうしないか。その理由はただ一つ。

 大人ができないからです。

 でも、子供はかな入力で始めればいいのです。

 先生はかな入力を覚るのが最初大変ですが、しばらくやれば慣れます。私は40代でかな入力に切り替えられました。

 かな入力なら、パレットなんか使わなくても小1からキーボード使えます。ローマ字入力なんて覚える必要ないんです。

 ま、じきにタブレット授業が普及して、そもそも小学校ではキーボードも使わなくなるでしょうから、そういう意味でも小学生のうちにローマ字を覚える必要はありません。

 以上、小学生でローマ字を教える必要はありません。英語の授業の中で、名前や地名で多少必要でしょうが、それはヘボン式にして必要なものだけ「覚えろ」で十分です。まあローマ字表くらいどこかにあれば、知りたい子は見ることでしょうが、全ての生徒が取り組む必要はありません。

 そして中学くらいで一度やればいいでしょう。

 コンピュータ教育でもローマ字は必要ありません。タブレット教育で小学生はキーボードいらなくなるでしょう。キーボードを始めるにしても、かな入力から始めれば勝手に打てますから教えることは少ないです。

 英語が小三から必修になれば、これらのことは必ず問題になって、日本は明治の呪縛ローマ字から解き放たれていくのでしょうが、できれば少しでも早まって、少しでも多くの子供達が英語を楽に習得してほしいものです。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: そもそもなんで「ローマ字」っていうんだろうと思って、ググったら、そういえばローマで作られた文字でした。

フツクロウ: ローマ数字もローマ字で書かれとるの。
 

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