兼ねてから危ないと言われていたドイツ銀行がかなり苦境に陥っているようですが、ついに日米の株価に影響し始めました。

 米国株:下落、金融株が安い-ドイツ銀への売りが飛び火  

 仮にドイツ銀行が破綻するとリーマンショックよりも大きな金融危機が訪れるとも言われています。

 なんとか軟着陸してほしいものです。

 それにしても今回のドイツ銀行の経営悪化には、やっぱりまたディリバティブなどの怪しい金融商品が関連しているとも言われます。

 以前からミラフツでは、お金でお金を増やせない時代になったとしていますが、それを補強する状況になっています。

 お金が勝手に増えない時代が来た(その1)  

 お金を投資して増えて帰ってくるには、どこかの誰かが付加価値を生み出さなくてはいけません。その総量は決まっていて、しかしそれに対して世界にはお金が余りまくっています。ディリバティブという金融商品は、本来はすばらしい商品なのかもしれませんが、結局お金の生まれないところからお金が生まれたように見せかけることに使われてしまっています。

 おかねが余りまくっていることは、日本にも深刻な影響を及ぼしていて、国債の発行を減らさなければと言われているのに、国債をいくら発行しても足らない状況で、金利はほとんど0どころがマイナスにすらなっています。

 このひどい状況を加速しているのは、各国の景気対策です。他の国はよくわかりませんが、日本では物価目標を2%に設定してしまったことで、あらゆる金融緩和政策が取られています。

 しかし、なぜ物価目標を2%にしなければならないのでしょう。物価が変わらないというのは、毎回新型 iPhone が同じ値段で発売されるということです。でも、iPhone は着実に進化しています。物価が変わらなくても、世の中はどんどん便利になっています。

 庶民にしてみれば、給料2%上がってインフレ2%すれば、日々の生活は変わりません。店で物売ってる人にしてみれば、値上げは怖いし、値下げも困るわけで、日常の経済活動において価格維持のインセンティブは強く働きます。昔の高度成長の頃はその辺がぐちゃぐちゃでしたが、低成長の時代ではみな価格維持したいのです。

 そのような時代になったのに、物価目標2%に設定してばしゃばしゃお金を投入したところで、全然価格上昇になりません。

 そうやってどんどん金融緩和政策を取ったところで、物価は上がりませんが、いつかやめていかなければなりません。しかし、止めようとすると、こんどは株価や為替がそれを許しません。そんなの直接いきなり影響するわけではないのに、各国中央銀行が金融政策を発表すると、株価や為替がとんでもない動きをします。この間は日銀発表直後2円近く円がいったりきたり動いています。2円というのは、空港などの為替レートは普通1日1回更新のところ、緊急にレートを変えるほどの変動です。つまり相場が金融政策を催促する時代です。そのためか先日はアメリカFRBは金利引き上げができそうな状況にもかかわらず、株価への影響を考え見送ったとされています。本末転倒です。

 インフレ目標を設定したために、たいして効果もないのに金融緩和し、それをやめようとすると、相場がそれを許そうとしません。

 結果、ただでさえお金が余っているのに、さらにどんどんお金が注ぎ込まれているのです。

 それが金融危機の起こる理由です。だって、余ってどうしようもないお金は、チャラにするしかありません。

 お金でお金を増やそうとするから、こういうことが起こります。お金でお金を増やそうとする人は、早く諦めてほしいものです。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: ということで、GDP0成長を受け入れていこうって話になるんですよね。

フツクロウ: ホウじゃ。